株式会社ワオ・コーポレーションは、記述答案のOCR読み取りとAI採点に関する発明について、特許を取得しました。
記述式採点の課題に応える背景
記述式問題は、思考力や表現力、読解力を測るうえで欠かせない一方、採点には高度な判断と多大な時間が必要です。紙の解答用紙を前提とした運用では、OCRによるデジタル化、採点基準の統一、迅速な返却が長年の課題となってきました。
同社は、能開センターの採点現場で培った知見をもとに、採点を「消耗する作業」ではなく「次の指導につながる資産」へ変えることを目指し、ワオテック株式会社とともに「AI Go Answer」を開発してきました。単なる効率化にとどまらず、現場に根ざした本質的なDXが必要だと考えています。
「AI Go Answer」の機能と導入価値
「AI Go Answer」は、能開センターの採点現場から生まれたAI自動採点システムです。PCブラウザ上で問題登録、採点基準設定、採点、成績分析までを一気通貫で行えます。登録された採点基準に基づいて生成AIが加点・減点ポイントを詳細に出力し、採点者間の評価のブレを大幅に低減します。
手書き答案のOCR認識にも対応しており、紙の解答用紙を活用したまま記述式評価のDXを進めることが可能です。教材、模試、添削サービス、学習システムなど、記述答案を扱う幅広い領域での活用を見込んでいます。主な導入価値は以下の通りです。
- 採点工数を約1/10に削減(約40分の作業を大幅短縮)
- 手書きOCR認識精度95%+
- 採点者間のブレを±0に低減
- 模試・演習結果の返却期間を大幅に短縮
- 指導者が授業・個別指導に集中できる時間を創出
主な導入価値として、採点工数の削減や返却期間の短縮などを掲げています。また、追加出願を含めると計3件の出願により、技術基盤の知的財産化を進めました。
特許取得の概要と追加出願の状況
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発明の名称 | 採点装置、採点方法、およびプログラム |
| 出願番号 | 特願2025-281021 |
| 特許番号 | 第7879999号 |
| 出願人 | 株式会社ワオ・コーポレーション |
| 設定登録日 | 2026年6月16日 |
| 取得の意義 | OCR読み取りとAI採点の技術基盤を知的財産として明確化し、教育現場および教育事業における活用基盤を強化 |
| 追加出願番号 | 特願2026-97502 |
| 開発元(運営) | ワオテック株式会社 |
| ワオテック創立 | 2023年9月1日 |
| 所在地 | 大阪府大阪市北区中崎西1-5-14 WAOビル |
trends編集部の一言
採点工数が約1/10に削減され、採点者間のブレが±0になるという数値は、記述式評価の運用コストがいかに大きかったかを端的に示しています。教育業界全体としては、この分野のDX化は長年の課題として、語られてきたテーマです。OCR読み取りからAI採点・成績分析までを一気通貫で担うシステムが知的財産として、確立されたことは、業界の動向としても注目される動きです。
特許取得という形で技術基盤を知的財産として、明確化した点も注目されます。出版社や学習システム会社、添削事業者との連携を見据えた展開は、単一サービスの提供にとどまらず、記述答案を扱う市場全体のインフラを狙う動きと捉えられます。教育DX領域では、今後の外部連携の広がりとともに、注目される動きです。
References
- ^ PR TIMES. 「記述答案のOCR読み取りとAI採点に関する発明で特許取得― 国語記述問題AI自動採点システム「AI Go Answer」で、採点を“作業”から“次の指導”へ ― | 株式会社ワオ・コーポレーションのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000650.000015572.html, (参照 26-07-02).
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