株式会社PR TIMESは2026年6月26日(金)、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」において2026年1月1日〜2026年5月31日に発表された総計19万9535件のプレスリリースを分析した「キーワードランキング2026」を発表しました。
PR TIMESの急上昇ランキング上位をAI関連が独占
2026年上半期の急上昇ランキングは、「AI」に関連するキーワードが上位を占める結果となりました。「AI」は前年同期比+4659件(1.64倍)と全キーワードのなかで最大の増加件数を記録し、総合ランキングでもついに1位となっています。月別に見ても1〜5月の全てで1位に「AI」が並びました。
急上昇ランキングでは「AIエージェント」が2位、「AI活用」が3位と続きました。「フィジカルAI」が46.38倍で9位、「AX」が10.89倍で10位に入り、以降も11位「LLMO」、20位「GEO」と関連キーワードが次々と登場しています。「AIエージェント」は前年同期比2.77倍(2413件)と件数・伸びともに大きく、月別でも5月に14位、総合で23位と存在感を示しました。
AI関連に限らず、別のジャンルからも急上昇キーワードが続きました。4位「人材育成」、7位「健康経営」、12位「ウェルネス」、13位「人的資本経営」、16位「福利厚生」は企業人事の動きを象徴するものです。
8位「地域活性化」と通じる動きとして、18位「官民連携」も上昇しており、「官民連携」のうち「地域活性化」も使う発信が約22%を占めました。さらに19位「産学連携」も伸びるなど、外部と組んで価値を生む発信が広がっています。
PR TIMESのキーワードランキングに見るAIとの関わり方の変遷と「次の気配」
「AI」は1万1920件、「生成AI」は5386件と、全ワードのなかでも特に多数発信されました。前年同期比では「AI」1.64倍、「生成AI」1.34倍と落ち着いた数字ですが、これは多くの企業がAIを用いた商品やサービスを当たり前に発表するようになり、ベースとして定着した表れと考えられます。「AI活用」も前年同期比2.73倍(1068件)と伸びており、AIを使うこと自体が企業活動において特別でなくなったことを示す数字です。
「任せる」段階を表すキーワードとして「AIエージェント」が台頭しました。人が目的を与えれば実行や判断のプロセスをAIに委ねるという位置づけへの移行がうかがえます。さらに、AIに任せる対象が物理世界へと広がる方向として「フィジカルAI」(前年同期比46.38倍/371件)が際立った伸びを示しました。
「フィジカルAI」はロボットや自動運転など現実の作業をAIが担う領域を指すキーワードで、昨年末から少しずつ登場し、今年に入っても月ごとに件数が増えています。発信内容は、セミナー・展示会と実際の製品発表の2つが目立ちました。製品発表まで進んでいることは、今後の発展を示唆する上で注目される動きです。
もうひとつの方向として、AIに見つけてもらうために企業が情報発信のあり方を整える動きも広がっています。「LLMO」(前年同期比11.14倍/390件)、「GEO」(同21.73倍/239件)、「AIO」(同6.94倍/229件)、「AI検索」(同13.08倍/157件)といったキーワードがそろって増加しました。生成AIによる検索や回答が広がるなかで、自社の情報がAIに引用・参照されるよう工夫する動きを表しています。
PR TIMES が捉えた制度・政策が生んだ新市場と「酷暑」の台頭
政府の方針や新たな制度の整備を起点に、分野の異なる複数の新市場が立ち上がりました。「ステーブルコイン」は前年同期比4.62倍(245件)と大きく伸びました。
発信内容は、店舗での支払いや国際送金、決済サービスの開発など実際に使用する場面に関するものが目立つ内容です。投機の対象から決済の手段へと位置づけが移りつつある点が特徴的です。
関連する「ブロックチェーン」(同0.90倍)や「Web3」(同0.73倍)が横ばいから減少へと向かうなかで、「ステーブルコイン」だけが突出して伸びている点も注目されました。
「系統用蓄電池」は前年同期比4.84倍(155件)を記録しました。再生可能エネルギーの拡大にともなう需給調整の必要性を背景に、脱炭素電源を長期で確保するための入札制度が事業参入や資金調達、運転開始といった発表を後押しした形です。前年の準備段階中心の発信から、本年は資金調達や施設の稼働、新規参入へと内容が広がっています。
「データセンター」も前年同期比2.03倍(270件)と伸びました。2026年4月には各自治体から提案された有望地域(38地域)が選定されるなど、国内立地を後押しする政策の動きが続いています。
季節・気候に関しては、「猛暑」の先で「酷暑」が台頭しています。「猛暑」が前年同期比1.98倍と本年も伸びるなか、「酷暑」は前年同期比2.79倍と「猛暑」を上回る勢いで増えはじめました。
気象庁が2026年4月、最高気温40℃以上の日を表す予報用語として「酷暑日」を正式に定めたことが背景です。こうした社会的認知の高まりが、企業の言葉選びにも影響しているとうかがえます。
PR TIMES 2026年トレンドワード分析の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社PR TIMES |
| 発表日 | 2026年6月26日(金) |
| 分析対象期間 | 2026年1月1日〜2026年5月31日 |
| 分析対象件数 | 19万9535件 |
| キーワード登録総数 | 30万9141種 |
| 急上昇1位 | AI(前年同期比+4659件・1.64倍) |
| 最大伸び率 | フィジカルAI(前年同期比46.38倍) |
| 所在地 | 東京都港区 |
| 代表取締役 | 山口 拓己氏 |
| 設立 | 2005年12月 |
| 利用企業数 | 12万4000社超 |
| 国内上場企業の利用率 | 65%超 |
trends編集部の一言
「フィジカルAI」が前年同期比46.38倍という数字は、AIの活用が「使う」から「任せる」、さらに「物理世界へ任せる」という段階へこれほど速く移行したことを端的に示す結果です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、AIの役割が生成・提案の補助にとどまらず、実行・判断そのものを委ねる方向へと広がりつつある局面と捉えられます。
「LLMO」「GEO」「AIO」といったキーワードがそろって急上昇している点は、業界全体として情報発信の設計そのものを見直す動きが本格化しつつあることを示すものです。自社コンテンツをAIに引用・参照させるための最適化は、これまでのSEOとは異なるアプローチが求められており、コンテンツ運用の在り方を問い直すテーマとして業界横断で注目が高まっています。
「酷暑」が「猛暑」を上回る勢いで伸びている点も見逃せません。気象庁の予報用語という公的な定義が、企業の言葉選びに連動していく様子は、言葉のトレンドが社会インフラと地続きであることを示す動きです。業界全体としても「酷暑」という表現が定着していく可能性があり、発信設計への影響が注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「フィジカルAIは46倍超、2026年トレンドワードランキング-約20万件の企業発表を分析- | 株式会社PR TIMESのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001675.000000112.html, (参照 26-06-26).
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