AI inside 株式会社は、AI推論専用ハードウェアの新アーキテクチャ「AI inside Cube Atlas」の第一弾モデルとして、「AI inside Cube Atlas 192x」の受注を開始しました。
AI推論専用ハードウェア「AI inside Cube Atlas 192x」の特徴
「AI inside Cube Atlas 192x」は、AIエージェントの並列稼働・大規模言語モデル(LLM)推論・マルチモーダルRAGの大規模運用を、単一筐体・閉域内で同時に実行できます。提供形態は、サブスクリプション形式です。
AI inside Cube Atlas 192x 開発の背景
AIの利用拡大に伴い、計算需要の中心は学習から推論へ移っています。推論は、業務が動く限り24時間365日稼働し続けるため、今後のAI計算需要の大半を推論が占めると見込まれています。
AI inside 株式会社は、2019年からハードウェア「AI inside Cube」を政府機関・民間企業の業務現場に提供してきました。この6年でAIエージェントが業務で本番稼働するようになり、一筐体に求められる推論計算量が大幅に増えたことが、新アーキテクチャ開発の背景です。
機密性の高いデータを扱う政府機関や金融機関、製造業では、クラウド経由のAI利用が難しい場面があります。従来の選択肢は「データを外部に出して最新のAIを使う」か「閉域に留まり性能を諦める」かの2つでした。AI insideは従来から閉域内で大規模クラウド級のLLMとAIエージェントを運用できる環境を提供してきており、「AI inside Cube Atlas 192x」はこの課題をさらに前進させる新世代モデルです。
AI inside Cube Atlas 192xの「Sovereign Grid」への対応
「AI inside Cube Atlas 192x」は、国内データセンター分散推論ネットワーク「Sovereign Grid」の拠点としても機能します。国内データセンター事業者の施設に本機を設置することによって、各施設は電力をAIの推論能力に変換するAI Factoryへと転換する形です。単一施設へのオンプレミス導入から、複数のデータセンターを束ねる分散推論ネットワークまで、同一のアーキテクチャで対応できます。
今後は、計算能力の異なる構成を1x〜192xのレンジで順次展開する予定です。あわせて「Sovereign Grid」に参画する国内データセンター事業者への設置を進めており、第1号パートナーを発表するとしています。
代表取締役社長CEO・渡久地 択氏は、「データ主権とアクセス主権の両方が、AI活用の前提条件になりつつある」と述べています。クラウド上の最新モデルは、提供事業者や各国の規制の判断ひとつで予告なく停止するリスクを抱えており、「Sovereign Grid」を通じて国内AIインフラの自律的な構築を推進していくとのことです。
AI inside Cube Atlas 192x の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | AI inside 株式会社 |
| 製品名 | AI inside Cube Atlas 192x |
| アーキテクチャ | AI inside Cube Atlas |
| 計算能力 | 現行「AI inside Cube」の192倍 |
| 提供形態 | サブスクリプション形式 |
| 主な機能 | AIエージェント並列稼働・大規模言語モデル(LLM)推論・マルチモーダルRAG大規模運用(単一筐体・閉域内) |
| 展開レンジ | 1x〜192x(計算能力の異なる構成を順次展開予定) |
| 対応範囲 | 単一施設オンプレミス〜複数データセンター分散推論ネットワーク |
| 連携基盤 | AI統合基盤「Leapnet」・国内分散推論ネットワーク「Sovereign Grid」 |
trends編集部の一言
現行モデルの192倍という計算能力の数字は、単純なスペック競争ではなく、AIの計算需要が学習から推論へ構造的にシフトしていることを反映したものです。オンプレミスAI基盤の市場全体としては、「クラウドか閉域か」という二択の構図が崩れはじめており、同種のハードウェアアプローチが国内外で相次いで登場している状況と重なります。
「データを外部に出して最新AIを使うか、閉域に留まって性能を諦めるか」という従来の2択は、マーケティング業界でも顧客データや競合情報を扱う際に同様の構図がありました。閉域内でクラウド同等の推論能力を持てるハードウェアが登場したことは、特に機密性の高いデータを日常的に扱う組織にとって、AI活用の前提条件を変える動きとして注目しておく価値がありそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「AI inside、AI推論専用ハードウェアの新アーキテクチャ「AI inside Cube Atlas」を発表―「Sovereign Grid」の分散拠点として稼働 | AI inside 株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000221.000024457.html, (参照 26-06-25).
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