AWSがAmazon LocationのPlaces APIを強化、住所表記の指定と移動手段別の検索が可能に

AWSがAmazon LocationのPlaces APIを強化、住所表記の指定と移動手段別の検索が可能に

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AWSは2026年7月10日、Amazon Location ServiceのPlaces APIを強化したと発表しました。住所コンポーネント名の返却方式や地名の多言語化を指定でき、移動手段に応じた検索と、DriveThrough属性が返る場合の識別に使えます。



今回のPlaces API強化のポイント

まず、今回の発表の要点を、次のとおり整理しました。

  • Places APIに住所と検索まわりの新しい選択肢が追加
  • 住所名の返却方式をAddressNamesModeで指定可能
  • 地名の翻訳をAddressTranslationsで要求可能
  • TravelModeはSuggestとSearchTextの結果を調整
  • GetPlaceなど4APIがDriveThrough属性を返却
  • 使える機能はAPIごとに異なる点に注意

本記事は公表時点の情報にもとづきます。仕様や提供状況、料金は変わる可能性があります。

導入や利用の判断は各自の責任で公式情報の最新の内容をご確認ください。設定変更やアップデートを行う場合は、必ず事前にバックアップを取得し、検証環境で確認したうえで実施してください。

何が発表されたのか(Places APIへの追加と対象API)

強化された範囲

AWSは、Amazon Location ServiceのPlaces APIを強化しました。AWSの説明では、今回の追加は住所コンポーネント名の書式、住所の多言語化、移動状況に合わせたPOI検索、ドライブスルー情報について、開発者がより細かく制御できるようにするものです。

精度が必ず上がると保証するものではなく、指定できる選択肢が増えた変更だと捉えるのが正確です。

対象となる7つのAPIと機能別の範囲

発表文は、これらの機能が関係するAPIとして、Geocode、ReverseGeocode、GetPlace、Suggest、Autocomplete、SearchNearby、SearchTextの7つを挙げています。ただし、追加された各パラメータや属性が7つすべてで使えるわけではありません。

発表文の記載と、2026年7月13日時点の公式APIリファレンスをもとに、どの機能がどのAPIに効くかを次の表に整理します。

追加された機能 対象API
AddressNamesMode リファレンス上はGeocode・ReverseGeocode・GetPlace
AddressTranslations リファレンス上はGeocode
TravelMode 発表文どおりSuggestとSearchText
DriveThrough属性 GetPlace・Suggest・SearchNearby・SearchText
Parsing.AdditionalInfo Geocodeのみ

つまり「Amazon Location Serviceのすべての機能が一律に変わった」という話ではありません。自社の実装がどのAPIを呼んでいるかによって、使える追加機能は変わります。

このセクションの用語

Places API
Amazon Location Serviceのうち、住所や施設などの場所情報を検索・変換するためのAPI群。ジオコーディングや周辺検索、入力補完などが含まれる。
ジオコーディング
「東京都千代田区…」のような住所や地名の文字列を、緯度・経度の座標へ変換する処理。逆向きに座標から住所を求める処理はリバースジオコーディングと呼ぶ。
POI
Point of Interestの略で、店舗や施設など地図上で意味を持つ地点のこと。今回の発表では、移動中の利用者向けにPOI検索の結果を最適化すると説明されている。

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住所名の返却方式を選ぶAddressNamesMode

3つの返却方式

今回追加された1つ目は、住所コンポーネント名の返却方式を選ぶAddressNamesModeパラメータです。同じ地点でも、住所の各要素をどの名称で返すかは複数の候補があり、その選択を開発者側へ開いたのがこの変更です。

仕組みとして、既定では正規化された(canonical・公式の)名称で住所が返ります。明示的に指定した場合にだけ、入力クエリに基づく表記のmatched(Matched)名、または行政階層に沿ったadministrative(Administrative)名が返ります。

つまり、既定の挙動を変えたい場合にだけ指定する任意のパラメータです。AddressNamesModeで選べる住所名の返却方式は、次の3つです。

  • 正規化名(指定しない場合の既定)
  • Matched(入力クエリに基づく表記)
  • Administrative(行政上の正式名)

API別の制約と使い分け

境界も押さえておく必要があります。公式のGeocode APIリファレンスによると、Geocodeで指定できる値はMatchedとAdministrativeで、未設定なら正規化(公式)名が返ります。

一方、ReverseGeocodeとGetPlaceのAddressNamesModeで指定できる値はAdministrativeのみです。さらにAdministrativeは、現時点では米国の住所にのみ適用されると明記されています。

実務では、入力クエリに基づく表記を返したいフォームではMatched、行政上の正式名で突き合わせたい台帳ではAdministrative、といった使い分けが考えられます。指定できる値と既定の挙動は、Geocode APIリファレンスのAddressNamesModeの項目で確認できます。

地名の翻訳を要求するAddressTranslations

2つ目は、地名の翻訳を要求するAddressTranslationsパラメータです。発表文によると、このパラメータは地名の翻訳を50以上の言語で返し、多言語アプリケーションの構築を容易にするとされています。

仕組みは「翻訳を含めたい住所コンポーネントを指定する」というものです。公式のGeocode APIリファレンスによると、指定できる値はDistrict、Locality、Region、SubRegionの4種類で、最大4件まで指定できます。

要求したフィールドについて、利用可能な全言語の名称バリアントや別名が翻訳として返る仕様です。翻訳を要求できる住所コンポーネントは、次の4種類です。

  • District(地区)
  • Locality(市区町村など)
  • Region(州・都道府県など)
  • SubRegion(郡など)

境界として、翻訳の対象はあくまで指定した住所コンポーネントであり、住所文字列すべてが自動的に多言語化されるわけではありません。「50以上の言語」という数値も発表文の記載で、個別の地名について常に全言語の名称がそろうことを保証するものではありません。

実務では、多言語UIで都市名や地域名を表示する場面が主な用途です。指定できるコンポーネントと翻訳の返り方は、Geocode APIリファレンスのAddressTranslationsの項目で確認できます。

移動手段に合わせて検索を調整するTravelMode

3つ目は、利用者の移動手段を示すTravelModeパラメータです。発表文では、TravelModeがSuggestとSearchTextの結果を移動中の利用者向けに最適化し、ナビゲーションや車載のシナリオで関連性を高めるとされています。

仕組みとしては、公式のSearchText APIリファレンスに「利用者が使う移動手段を示し、検索結果の関連性を高めるために使う」と記載されています。指定できる値はCar、Scooter、Truckの3つです。

TravelModeで指定できる移動手段は、次のとおりです。

  • Car(乗用車)
  • Scooter(スクーター)
  • Truck(トラック)

境界は2つあります。1つは対象APIで、TravelModeを受け付けるのはSuggestとSearchTextの2つだけであり、GeocodeやSearchNearbyのリクエストには含まれません。

もう1つは効果の強さです。公式の説明は関連性の改善であり、常に最適な並び順になると保証するものではありません。

実務では、車載アプリや配送アプリの検索・入力補完でTravelModeを渡し、指定なしの場合と結果を比較して効果を確かめるのが現実的です。指定できる値は、SearchText APIリファレンスのTravelModeの項目で確認できます。

ドライブスルー対応を示すDriveThrough属性

4つ目は、その場所がドライブスルーを提供しているかどうかを示すDriveThrough属性です。発表文は、物流やフードデリバリー、ナビゲーションのアプリケーションに有用だと説明しています。

発表文によると、DriveThrough属性を返すAPIは次の4つです。

  • GetPlace
  • Suggest
  • SearchNearby
  • SearchText

応答形式

仕組みは応答側の追加です。公式のGetPlace APIリファレンスによると、この情報は応答のPlaceAttributesという配列で返り、有効な値はDriveThroughです。

配列の要素数は0件から1件で、ドライブスルーの情報が得られない場所では値が返らないこともあります。

属性がない場合の注意

境界として、GeocodeやReverseGeocode、Autocompleteは対象として挙げられていません。また、属性が付かないことは「ドライブスルーが無い」ことの証明ではなく、データが無い場合と区別できない点にも注意が必要です。

実務では、フードデリバリーの店舗選定や車載ナビの立ち寄り候補の絞り込みで、この属性を条件に使えます。応答フィールドの定義は、GetPlace APIリファレンスのPlaceAttributesの項目で確認できます。


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Geocodeが返す解析情報(Parsing.AdditionalInfo)

発表で確認できること

発表文はもう1点、Geocode APIが新しい応答フィールドParsing.AdditionalInfoに対応したことを挙げています。入力された住所をサービスがどう解釈したかについて、追加の詳細情報を返すフィールドです。

これはリクエストのパラメータではなく応答側の追加であり、対象として挙げられているのはGeocodeだけです。発表文は、入力住所がどのように解釈されたかについて追加の詳細を返すと説明しています。

返却構造は公式リファレンスで未確認

ただし2026年7月13日時点では、公式のGeocode APIリファレンスおよび公開されているSDKモデルにこのフィールドの構造や返却例が見当たらず、どの単位の情報が返るかは確認できません。記述の原文は、AWS公式発表のParsing.AdditionalInfoに関する記述で確認できます。

実際の応答形式は、Amazon Location ServiceのGeocode APIリファレンスの最新版とあわせて確認してください。

提供リージョンと提供状態

発表文が挙げるAmazon Location Serviceの提供リージョンは、次の14です。

  • 米国東部(オハイオ)
  • 米国東部(バージニア北部)
  • 米国西部(オレゴン)
  • アジアパシフィック(ムンバイ)
  • アジアパシフィック(シドニー)
  • アジアパシフィック(東京)
  • カナダ(中部)
  • 欧州(フランクフルト)
  • 欧州(アイルランド)
  • 欧州(ロンドン)
  • 欧州(スペイン)
  • 欧州(ストックホルム)
  • 南米(サンパウロ)
  • AWS GovCloud (US-West)

提供状態については、発表文は上記のリージョンで利用できると述べるだけで、GA(一般提供)やプレビューといった区分を明記していません。本記事でも、公式に記載のない提供状態は断定しません。

AWSは利用開始にあたって、Places API リファレンス、またはデベロッパーガイドのPlacesの項目を参照するよう案内しています。各パラメータの完全な有効値や制約は本記事では扱いきれないため、Places APIリファレンスのGeocodeのパラメータ一覧で確認してください。

今回の発表の概要

今回の発表の要点を、次の表にまとめました。

項目 詳細
提供元 AWS
発表日 2026年7月10日
対象サービス Amazon Location ServiceのPlaces API
住所名の指定 AddressNamesMode・既定は正規化名
多言語対応 AddressTranslations・50以上の言語
移動手段の指定 TravelMode・SuggestとSearchTextが対象
ドライブスルー GetPlace・Suggest・SearchNearby・SearchText
解析情報 Parsing.AdditionalInfo・Geocodeのみ
提供リージョン 東京を含む14のAWSリージョン
提供状態 利用可能(GA・プレビューの明記なし)

trends編集部の一言

住所の表記ゆれや多言語表示は、地図アプリを国際展開するときに必ずぶつかる問題です。今回の追加は、これまでサービス側の既定に任せるしかなかった部分を、リクエスト単位で選べるようにした点に実務的な価値があります。

一方で、使える機能はAPIごとに分かれており、Administrativeのように適用範囲が米国に限られる指定もあります。自社が呼んでいるAPIと必要な値を突き合わせ、検証環境で応答の差を確認してから本番へ反映するのが安全です。

References

  1. AWS. 「Amazon Location Service enhances Places APIs with new address and search options」. https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2026/07/amazon-location-service-enhanced-address-search, (参照 2026-07-13).
  2. AWS. 「Geocode - Amazon Location Service API Reference」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_geoplaces_Geocode.html, (参照 2026-07-13).
  3. AWS. 「ReverseGeocode - Amazon Location Service API Reference」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_geoplaces_ReverseGeocode.html, (参照 2026-07-13).
  4. AWS. 「GetPlace - Amazon Location Service API Reference」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_geoplaces_GetPlace.html, (参照 2026-07-13).
  5. AWS. 「Suggest - Amazon Location Service API Reference」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_geoplaces_Suggest.html, (参照 2026-07-13).
  6. AWS. 「SearchText - Amazon Location Service API Reference」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_geoplaces_SearchText.html, (参照 2026-07-13).
  7. AWS. 「SearchNearby - Amazon Location Service API Reference」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_geoplaces_SearchNearby.html, (参照 2026-07-13).
  8. AWS. 「Autocomplete - Amazon Location Service API Reference」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_geoplaces_Autocomplete.html, (参照 2026-07-13).
  9. AWS. 「Amazon Location Service Places V2 - Amazon Location Service」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/APIReference/API_Operations_Amazon_Location_Service_Places_V2.html, (参照 2026-07-13).
  10. AWS. 「Amazon Location Service Places - Amazon Location Service」. https://docs.aws.amazon.com/location/latest/developerguide/places.html, (参照 2026-07-13).

※本記事は公式発表を基に編集しています。内容はAIで確認していますが、誤りや最新情報との差異がある場合は、以下フォームよりご報告ください。

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