これからプログラミングをはじめる方にとってパソコンは欠かせないアイテムですが、具体的にどのような点に注目して選べばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
ブラウザを使った簡単なプログラミング学習であればほとんどのパソコンで利用できますが、本格的な開発となると一定数以上のスペックが求められます。
この記事では、プログラミングに必要なパソコンを選ぶ際のポイントや、低スペックなパソコンを選ぶことによるデメリットについて解説します。
プログラミング用のパソコンに必要なスペック
プログラミング用のパソコンを選ぶ際にチェックすべきスペックは下記のとおりです。
- CUP
- メモリ
- ストレージ
各内容について詳しく解説します。
CPU
CPUはコンピュータの中心的な部品のひとつで、データ処理やほかのハードウェアとの連携を担当する装置です。CPUの性能によって、コンピューターの性能全体が大きく影響を受けます。
特にプログラミングにおいては、CPUが速ければコードのコンパイル(翻訳)やテストを迅速に実行できるのが特徴。機械学習やゲーム開発のように高度な計算を必要とする作業では、高速で処理できる高性能なCPUが推奨されます。
主なCPUの種類と、各シリーズごとに適した使い方を表にまとめました。
CPUシリーズ | 適した使い方 |
---|---|
Intel Core i3 | 比較的軽めのパソコンに搭載され、音楽や動画再生、ブラウザを使ったプログラミング学習にぴったりです。 |
Intel Core i5 | 中堅レベルのパソコンに搭載され、プログラミングを始めるなら最低限このレベルの性能が欲しい。実際の業務でも問題なく使える。 |
Intel Core i7 | 高性能なパソコンに搭載され、プログラミングはもちろん、動画編集やゲームなども可能です。 |
AMD Ryzen 3 | 基本的なタスクとブラウザ操作を中心としたプログラミング学習に適しています。 |
AMD Ryzen 5 | 中程度のプログラミング作業やゲームに適しています。 |
AMD Ryzen 7 | 高度なプログラミング作業や動画編集、ゲームにも対応しています。 |
AMD Ryzen 9 | 専門的なプログラミング作業や大規模なデータ解析、高度なゲームに適しています。 |
Apple M1 | Mac専用で、高度なプログラミング作業や動画編集、ゲームにも対応しています。 |
Apple M2 | Mac専用で、さらに高度なプログラミングや大規模なデータ解析に適しています。 |
各シリーズ共に数字が高いほどスペックが高く、パソコンの価格も高くなる傾向にあります。プログラミングで使う場合は、IntelだとCore i5、AMDだとRyzen5以上のモデルがおすすめです。パソコンのCPUは下記画像のように、キーボードの表面に専用のシールで記載されています。
メモリ
メモリとは、コンピュータがデータを一時的に保存する装置のことです。メモリのサイズはプログラミングやその他の作業をしているときに、どれだけ早く作業ができるかに直接影響します。
たとえば、複数のプログラムやタブを開いて作業する場合、メモリ容量が多いとスムーズに複数の処理を実行できます。メモリの各サイズと特徴は下記のとおりです。
メモリ数 | 特徴 |
---|---|
4GB | ブラウザを使ったプログラミング学習に適している。プログラミング構築環境をダウンロードして使うのには不向き。 |
8GB | プログラミングに適切な最低限の容量。ブラウザやエディタを開いても同時進行が可能。 |
16GB | プログラミングで困ることはほぼない。画像処理や動画編集にも対応できるスペック。 |
32GB | 高度なデータ解析や機械学習や大規模なゲーム開発など、専門的な作業にも十分対応できるスペック。 |
メモリの容量が上がるにつれてパソコンの値段も高くなる傾向にあるので、価格帯とのバランスも配慮するとメモリ8GBを搭載したパソコンがおすすめです。
ストレージ
ストレージとは、コンピュータのデータを保管するための場所です。ストレージには、HDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)という2種類が存在します。
HDDは容量が大きくてコストも低いですが、読み書き速度が遅い傾向があります。一方で、SSDは容量は少なめで価格が高いものの、高速な動作と耐久性があります。
プログラミングに必要なパソコンのストレージ容量は、256GBが最低限必要。おすすめなのは512GBです。
ストレージ容量 | 特徴 |
---|---|
128GB | プログラミングには不便な容量。複数のアプリやシステムを同時に起動すると動作が遅くなることがある。ネットサーフィン向けの容量。 |
256GB | プログラミング学習に支障がない最低限のライン。複数のアプリを起動したり、動画や写真もある程度保存できるので、これからプログラミングをはじめる方に最適な容量。 |
512GB | プログラミングはもちろん、ちょっとした動画編集にも対応できる容量。プログラミング以外にも利用予定がある人や、余裕のある容量のモデルを選びたい方にぴったり。 |
256GBのストレージでも、プログラミングに支障が出る可能性は低いと言えます。しかし、プログラミングと普段使いで年々増えていくアプリやソフトによって、256GBのストレージが次第に圧迫されていく可能性があります。
上記の理由から、最低限必要な256GBよりも余裕のある512GBのストレージを選ぶことがおすすめです。
推奨PCスペックの結論
- CPU:Intel Core i5かAMD Ryzen 5以上
- メモリ:8GB以上
- ストレージ:256GB以上
プログラミングに必要なパソコンを選ぶ際は、上記のスペックが必要です。
パソコンの値段はメーカーやOSによって異なる
パソコンを選ぶ際の選択肢として「Windows」と「Mac」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。ノートパソコンにおけるMacの種類はMacBook airとProの2つのみですが、Windowsには多数のメーカーがあり、それぞれ価格帯も大きく異なります。
たとえば、MacBookを未使用品で購入する場合、最安値は「Macbook Air 13インチモデル(134,800円)」であり、ノートパソコンのなかでも比較的高価なのが特徴です。
その反面、WindowsOSを利用しているマウスコンピューターの「mouse B5-I5I01SR-A(99,800円)」は、プログラミングに必要なスペックを搭載しておりMacよりも安く購入できます。
プログラミングに必要なパソコン選びの際には、必要なスペックと予算を考慮し、さらにメーカーやOSも選択の基準として考慮することが重要です。
プログラミング用のパソコンを選ぶ際にスペック以外で見るべきポイント
画面サイズ
パソコンの画面サイズはプログラミングの効率性に関わります。画面が広いほどマルチタスクが容易であり、スクロールも少なく済むのが特徴。その反面、画面サイズが小さいと表示できる範囲が限られ、スクロールする回数も増加します。
プログラミングのしやすさと持ち運びやすさを配慮すると、15インチ前後の画面サイズがおすすめです。
OS
OS(オペレーティングシステム)は、コンピュータの基本的な管理や制御を行うシステムです。OSは主に、WindowsOSとmacOSの2種類あり、プログラミング用のパソコンを選ぶ際は双方のどちらかを選ぶことになります。
項目 | WindowsOS | macOS |
---|---|---|
価格 | お手頃な価格帯からハイスペックなものまで幅広い | 高価な価格帯が多い |
ソフトウェア対応 | 多くのソフトウェアに対応 | 限られたソフトウェア対応(ただし、クリエイティブソフトは充実) |
ハードウェア対応 | 多くのハードウェアに対応 | Apple製品に最適化されている |
セキュリティ | セキュリティソフトが必要な場合も多い | 高いセキュリティと安定性 |
メンテナンス | ユーザーが多いため、トラブルシューティング情報が豊富 | Appleサポートが充実しているが、修理費用が高い場合も |
開発 | ゲーム開発に適している | iOSアプリ開発に適している |
バージョン管理 | Gitなどのバージョン管理ツールは別途インストールが必要 | Gitが標準インストールされている場合も多い |
プログラミングにおける魅力 | 統合開発環境である「Visual Studio」によるソフト開発、ゲーム開発をサポートするAPIである「DirectX」によるゲーム開発をスムーズに実行できる。 | パッケージ管理システム「Homebrew」により、PythonやRubyを簡単にインストールできる |
プログラミングに必要なパソコンをお手頃な価格帯で購入したい方は、WindowsOSがおすすめ。比較的値段が高いものの、セキュリティに優れていて操作しやすく、PythonやRubyなどのプログラミング言語を利用予定の方はmacOSがおすすめです。
タッチパッド
筆者の実体験ですが、全面がタッチ対応のデバイスはカーソルをスクロールしている途中で意図しないタッチ操作を実行してしまうことがあります。
特に、細かいタッチ操作が必要な作業をしている際や、複数のアプリケーションを同時に操作しているときにこのような誤操作が起こる可能性があります。そのため、購入前にはデバイスのタッチ感度や反応速度を試すことがおすすめです。
また、タッチパッドのクリック音も事前にチェックしましょう。クリック音が大きすぎると、静かな場所での作業時に周囲を気にすることが増え、集中力が散漫になる可能性があります。そのため、自分の好みや環境に合わせて最適なクリック音の大きさを選ぶことが重要です。
プログラミングで使うパソコンのスペックが低いことによるデメリット
スペックの低いパソコンを使うことによるデメリットは下記の通りです。
処理速度の遅さ
CPUの性能やメモリの大きさは、コードのコンパイルや実行速度に直接影響します。たとえば、JavaやC++のような言語で大規模なアプリケーションを開発する場合、パソコンのスペックが低いとコードをコンパイルする時間が長くなり、待機時間が増えることがあります。
待機時間が増えると、プログラミングに使う貴重な時間を無駄にしてしまうことになるのがデメリットです。
マルチタスクの制限
現代の開発作業では、エディタやブラウザ、デバッグツール、バージョン管理ツールなど、多数のアプリケーションやツールを同時に使用することが一般的です。
低スペックのパソコンの場合、必要なアプリケーションを同時に開くとメモリが圧迫され、システム全体が遅くなることがあります。
統合開発環境のメモリ要件
メモリ容量の少ない低スペックのパソコンでは、統合開発環境(IDE)の動作が遅くなったり停止してしまうことがあります。統合開発環境(IDE)は、プログラミングでシステムを作るために必要なソフトウェアをひとまとめにした開発環境です。
たとえば、Javaの開発でよく利用されている「Eclipse(エクリプス)」や、Andoridアプリ開発で利用する「Visual Studio(ヴィジュアルスタジオ)」などが挙げられます。
これらの人気IDEを使用する場合、メモリ容量が不足していると、コードの書き込みやデバッグ作業中にもたつきや遅延が発生する可能性があるのがデメリットです。
初心者のうちはシンプルなプロジェクトを多く扱うかもしれませんが、学習が進むにつれてより複雑なプロジェクトにも挑戦するようになるため、最低限必要なメモリ容量のモデルを選ぶことがおすすめです。
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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