2025年4月30日、Googleは「NotebookLM」に搭載された「音声概要(Audio Overviews)」機能が、日本語を含む50以上の言語に対応したと発表しました。
この機能はユーザーがアップロードした資料を元に、2人のナレーターが会話形式で要点を解説する“音声要約”を自動で生成するものです。NotebookLMの音声概要機能で作った音声は以下の通りです。
このようにテキスト情報をナレーター形式で音声データとして生成できるのが魅力。本機能を使うことで、自身が話すことなくNotebookLMを用いて音声発信することも可能です。
今回はNotebookLMを実際に使ってみたので、音声を生成する方法や著作権に関する注意点について詳しく解説します。
NotebookLMとは
NotebookLMとはGoogleが提供するAIを活用したノートアプリケーションです。ユーザーがアップロードしたドキュメントに基づいて質問に回答させたり、さまざまなコンテンツを生成できるのが特徴。これにより情報の整理や分析、アイデアの創出を大幅に効率化できることから注目されています。
NotebookLMはユーザーがアップロードしたドキュメントを解析し、その内容に基づいて質問に答えることが可能です。ほかにも要約やタイムライン、FAQなどさまざまな形式のコンテンツを自動生成する機能も備えています。
NotebookLMは個人の学習や調査だけでなく、ビジネスシーンにおける情報共有や資料作成にも活用可能。NotebookLM Plusにアップグレードすると、より多くのソースを扱えるようになり活用の幅が広がります。

NotebookLMの音声概要と著作権に関する注意点
NotebookLMやNotebookLM Plusで提供される「音声概要」などの出力は、ユーザーがアップロードした資料や指示内容をもとに、AIが自動生成するものです。そのため出力結果の著作権は元の資料の権利に依存し、ユーザー自身がその資料の使用権限を持っていることが前提となります。
NotebookLM および NotebookLM Plus の回答と出力結果(音声概要を含む)は、ユーザーが提供するソースと指示に基づいて AI によって生成されたものです。
Google の利用規約(使用禁止に関するポリシーを含む)に違反する可能性があると Google のシステムが判断した場合、NotebookLM によってノートブックと音声概要が削除されることがあります。Google Workspace アカウントまたは Google Workspace for Education アカウントを利用するユーザーには、異なる規約が適用される場合があります。
NotebookLM を医療、法律、財務、その他の専門分野において使用しないようご注意ください。これらのトピックに関するコンテンツは情報提供のみを目的としており、資格を持つ専門家の助言に代わるものではありません。
出典:NotebookLMヘルプ「NotebookLMでデータを保護する仕組み」
Googleの利用規約によればユーザーが提供したコンテンツの知的所有権はユーザーに帰属しますが、Googleはサービス運用のために必要な範囲でそのコンテンツを利用する非独占的・無償のライセンスを受けることになります。[1]
また、ユーザーが第三者の著作物を含む資料を無断でアップロードした場合、それが著作権侵害と判断された場合には、NotebookLMのノートや音声概要が削除される可能性があります。
さらに、Google Workspaceや教育機関のアカウントでNotebookLMを使用している場合は、別の契約条件が適用されることがあります。
これらの規約に反した利用が見つかった際は、アカウントの制限や削除の対象になることもあるため、利用前にアップロード資料の著作権状況や規約への適合性を確認することが重要です。
NotebookLMの音声概要で日本語音声を作る方法
はじめにNotebookLMの公式ページへアクセスします。
NotebookLM:https://notebooklm.google.com/

NotebookLMより
画面右下の「OK」をクリックします。

NotebookLMより
上記画面が表示されるので、「ノートブックを新規作成」をクリックして下さい。

NotebookLMより
するとNotebookLMで編集するデータの入力欄が表示されます。GoogleドキュメントやWebサイト、テキストを張り付ける方法などを用いて、音声化したいデータをアップロードしてください。

NotebookLMより
今回は「コピーしたテキスト」をクリックして直接テキストを張り付ける方法で進めます。内容は下記のニュース記事を採用しました。

最後に「挿入」をクリックします。

NotebookLMより
NotebookMLのワークスペース(編集画面)が表示されます。中央に読み込んだテキスト情報が表示され、下部のチャット欄にプロンプトで指示することによって内容を編集できます。
画面右側の「Studio」が音声概要機能です。読み込んだデータを編集する必要がない場合、「生成」をクリックするだけで音声データを生成できます。
生成された音声

NotebookLMより
生成した音声は右側にある縦の三点リーダーアイコンをクリックし、ダウンロードしたり音声速度を変更したりできます。
NotebookLMの音声概要をプロンプトでカスタマイズする方法
NotebookLMの音声概要は、プロンプトを通してフォーカスする内容やシチュエーションなどをカスタマイズできます。

NotebookLMより
まず、音声概要欄に表示されている「カスタマイズ」をクリックしてください。

NotebookLMより
カスタマイズ内容の入力欄が表示されるので、任意のプロンプトを入力します。今回は以下のプロンプトを活用しました。
読み込んだテキスト情報を、教授が学生にわかりやすく教えているようなシチュエーションにしてください。ホストの声も教授のような声と学生のような声や抑揚を意識してください。 学生が質問、教授が優しく回答。という流れが理想的です。
実際にできた音声は以下の通りです。
このように日本語音声の生成だけでなく、内容をカスタマイズできるのもNotebookLMの魅力です。
References
- ^ Google LLC. 「Google 利用規約」. https://policies.google.com/terms?hl=ja, (参照 2025-05-03).