株式会社設備保全総合研究所は、設備保全AIエージェント『EMLink Intelligence』を大幅にアップデートしました。
EMLink Intelligenceの自律実行エージェントへの進化と主要アップデート内容
従来の保全分野での生成AI活用は、手元のExcelやCSVを読み込ませ、1つの質問に1つの回答を返す「問い合わせ型」が中心でした。保全の現場業務は、データの正規化や検索、集計、グラフ化、分析、レポート化といった複数ステップの積み重ねで成り立っています。通常のAI活用では人が手順を細かく指示し続ける必要がありました。
今回のアップデートで『EMLink Intelligence』が対応した主な機能は次の4点です。
- 目標を伝えるだけで検索から集計、グラフ化、分析、レポート作成まで自律実行するAIエージェント機能
- 棒グラフやマトリックス図など多彩な形式による分析結果のグラフィカル表示
- Excel(複数シート)やPDF(A4レポート)形式でのレポーティング出力
- 標準マニュアルや保全要領、用語集などを取り込むだけで自社専用RAGを1分~で構築できる機能(搭載予定)
AIエージェント機能では、実行の進捗や各ステップの結果を画面で確認できます。担当者は、最終的な判断業務に集中できる設計です。
EMLink Intelligenceの自社専用RAGによる「固有解」の導出
自社の標準マニュアルや保全要領、用語集などをPPT、WORD、PDF、TXTの形式で取り込むだけで、自社専用のRAGを1分~で構築できます。自律エージェントと組み合わせることで、一般論ではなく自社の現場・基準に即した回答、いわゆる「固有解」を導き出しました。
汎用的なAIと比較した場合、自社専用RAGを搭載した『EMLink Intelligence』は次の点で差別化されています。
- 自社マニュアル・基準に基づく回答で一般論にとどまらない
- 用語集による略語・設備の通称・型式の正確な解釈
- 出典(どの文書のどこか)を明示し、監査・教育への活用が可能
たとえば「遠心ポンプの振動基準を自社の保全要領から引用しつつ、過去1年の検査結果で危ない兆候がないか確認して」という指示に対して、該当箇所を引用しながら、根拠付きで回答します。
EMLink Intelligenceで任せられる業務の具体例と作業時間の削減効果
『EMLink Intelligence』が自律実行できる業務の代表例は次の通りです。
- RBI(リスクベースドインスペクション)の観点でCoF×PoFからリスクを算出しリスクマトリックスでグラフ化
- NPV・IRRによるDefender–Challenger分析で更新優先度TOP5を提示
- 過去の不具合・点検履歴から故障モードを整理し重点点検対象設備を抽出
- 直近数年の保全費を機器タイプ別に集計し外れ値・異常コストを特定
これらの分析・レポート作成は、従来は担当者が検索や絞込、集計、グラフ化、考察と手順を踏んで行っていました。当社検証では、一連の作業を自律実行することで作業時間を最大95%削減できます。担当者は「作る」から「判断する」業務に集中できる設計です。
EMLink Intelligence および EMLink の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社設備保全総合研究所 |
| 代表取締役CEO | 相原章吾氏 |
| 本社 | 東京都目黒区目黒本町3丁目18-16 |
| 設立 | 2022年9月 |
| 対象サービス | EMLink Intelligence(設備保全AIエージェント) |
| アップデート種別 | 大幅アップデート |
| 主な新機能 | 自律AIエージェント・グラフィカル表示・Excel/PDFレポート出力・自社専用RAG構築(搭載予定) |
| RAG構築時間 | 1分~(搭載予定) |
| 作業時間削減効果 | 最大95%(当社検証) |
| RAG取り込み文書例 | PPT、WORD、PDF、TXT |
| レポート出力形式 | Excel、PDF |
| EMLink料金 | 月額12万円(50ユーザー)から |
| EMLink導入実績(会社発表) | 100社以上 |
| Website | https://em-labo.co.jp/ |
trends編集部の一言
作業時間を最大95%削減するという検証結果は、数字としてのインパクトが大きいです。設備保全DX領域では、生成AIを単発の問い合わせ応答から業務実行へと拡張する流れが強まっており、「検索から考察まで自律実行」というコンセプトは、その流れを体現する動きとして業界全体から注目されています。
特に注目したのは、自社専用RAGを1分~で構築できるという点です。一般論ではなく「自社基準に即した固有解」を引き出す設計は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、社内のガイドラインや過去の施策事例をAIに学習させて判断根拠を明示させる運用に近く、業界横断で語られてきた「AIの出力根拠をどう担保するか」という課題へのひとつの回答と捉えられます。
回答に出典を明示し「どの文書のどこか」を示す設計は、監査や社内教育への活用まで見据えたものとして位置付けられています。AIを単なる効率化ツールにとどめない設計思想として、今後の市場においても注目される傾向にあるのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「設備保全AIエージェント『EMLink Intelligence』を大幅アップデート — 複雑なタスクの自律実行に加え、自社のナレッジで「専用RAG」を最短1分で構築できる機能を搭載 | 株式会社設備保全総合研究所のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000115057.html, (参照 26-06-13).
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