正規化とは
プログラミングに関係する専門用語「正規化」とは、データベースにおけるデータの整合性や効率的な管理を目的とした処理手法です。
具体的には、重複したデータの排除や、ひとつのテーブルに複数の情報を混ぜずに分割することでデータの整合性を保ち、検索や更新などの処理を高速かつ正確に行うことができます。
正規化はデータの信頼性やセキュリティを高め、保守や拡張性の面でもメリットがあります。
正規化でできること
正規化でできることは以下の通りです。
データの整合性を保証することができる
正規化はデータベースの設計において、データの冗長性を排除することでデータの整合性を保証することができます。つまり、同じデータが複数の場所に存在することを防ぎ、データの不整合や矛盾を防止できるのです。
検索の高速化が可能
正規化によってデータの冗長性が排除されるため、検索の高速化が可能です。たとえば、あるテーブル内に同じデータが複数存在すると、同じデータを検索する際に複数の場所を探索する必要がありますが、正規化によってデータが統合されることで、検索速度を向上させることができます。
データの更新・削除が容易になる
正規化されたデータベースでは、データの更新や削除が容易になります。特定のデータを一箇所だけ更新することで、データベース全体の整合性が保たれます。
ただし、正規化はデータの整合性を高める一方で、データの取得には関連するテーブルの結合が必要となるため、データの取得性能に影響を与える場合もあります。データベース設計時には、正規化のメリットとパフォーマンスのバランスを考慮する必要があります。
正規化の学習・勉強方法
正規化の学習・勉強方法は以下の通りです。
正規化の基礎を学ぶ
正規化とは、データベースの設計において冗長性を排除し、データの整合性を保つための手法です。正規化について学ぶ場合、基礎的な概念や正規化の目的、メリットを理解することから始めることがおすすめです。
正規化の種類を学ぶ
正規化には第1正規化、第2正規化、第3正規化など、種類があります。それぞれの正規化の特徴や、正規化の段階的な進め方を学ぶことが正規化を理解する上で必要です。
実際に正規化してみる
正規化の基礎を学んだあとは、実際にデータベースを設計して正規化を行ってみることが大切です。自分でデータベースを設計し、正規化を行うことで、正規化の理解を深めることができます。
正規化のメリット
正規化のメリットは以下の通りです。
データの整合性が保たれる
正規化を行うことでデータの重複や矛盾を避け、データの整合性を保つことができます。たとえば、注文情報と顧客情報が混在したテーブルを分割することで、注文履歴の中に存在しない顧客情報が記録されることを防止できます。
データの更新・削除が容易になる
正規化されたデータベースでは、テーブルが小さくなるためデータの更新や削除が容易になるのがメリット。正規化によって関連性のあるデータが適切に分割されるため、データの変更が特定のテーブルに集中できます。
たとえば、注文情報の商品情報を変更する場合、正規化されたテーブルでは商品情報のみを変更すれば良いため、作業効率が向上します。ほかのテーブルや関連するデータに影響を与える必要がないため、変更の範囲が狭まります。
データの柔軟性が高まる
正規化を行うことでデータの柔軟性が高まります。たとえば、商品情報と在庫情報が別々のテーブルに格納されている場合、在庫情報のテーブルを更新せずに新しい商品情報を追加することができます。また、新たな需要に対応するためにテーブルの追加や変更を行うことも容易になります。
正規化のデメリット
正規化のデメリットは以下の通りです。
データの複雑化
正規化はデータの整合性や柔軟性を向上させる一方で、データの取得の複雑化や処理速度の低下というデメリットも存在します。関連するデータが複数のテーブルに分散して格納されているため、必要な情報を取得するためには複数のテーブルを結合することが必要です。これにより、データの取得が煩雑になる可能性があります。データベースの設計においては、正規化の程度を適切に検討し、データの利用方法や要件に応じてバランスを取るようにしましょう。
パフォーマンスの低下
データの冗長性を減らすために正規化しすぎると、データの量が増えてパフォーマンスが低下する可能性があります。また、複数のテーブルを結合する必要があるため、データの読み込みや書き込みに時間がかかることがあります。
正規化の例
正規化の例は以下の通りです。
第一正規化
データベースのテーブル内の各列には、同じ型のデータがひとつだけ含まれるようにすることが第一正規化の目的です。
第二正規化
第二正規化では、テーブル内の列が部分関数従属している場合、それらの列を新しいテーブルとして分割することが必要です。
第三正規化
第三正規化では、テーブル内の列が推移的関数従属している場合、それらの列を新しいテーブルとして分割することが必要です。
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