ノックス株式会社は、米国のサイバーセキュリティ企業が開発するクラウドネイティブ環境向けセキュリティプラットフォーム「Upwind Security」の国内独占販売を2026年5月1日より開始したと発表しました。
Upwind Securityが採用するInside-OutアプローチとOutside-Inモデルの違い
従来のセキュリティは外部から観測する「Outside-Inモデル」が主流でした。Upwind Securityはこれに対し、内部の実行状態(Runtime)から環境全体を捉える「Inside-Outアプローチ」を採用しています。
このアプローチにより、「存在する脆弱性」ではなく「実際に悪用可能な脆弱性」を優先的に特定できる仕組みです。攻撃成立までの流れをグラフで表示し、優先度の高いリスクから対応できる設計となっています。
Upwind Securityの主な機能
Upwind Securityが提供する主な機能は次の通りです。
- 攻撃経路(Attack Path)の可視化と対策優先度の明確化
- AWS・Azure・Google Cloudに加え、AIサービスや外部通信まで含めた依存関係のグラフ化
- OpenAI・LangChainなどAI技術の利用状況とリスク分析
- CIS・NISTに基づくクラウド設定評価とスコアリング
- SBOMと脆弱性の統合管理・影響範囲の可視化
- 大量イベントから本質的な攻撃を抽出する脅威検知とインシデントのストーリー化
- Kubernetesに対応した侵入経路・権限昇格・外部通信の詳細追跡
プラットフォームは、クラウドセキュリティ(CSPM)、ワークロード保護(CWPP)、脆弱性管理(VM)、APIセキュリティ、AIセキュリティを統合的にカバーします。従来は、複数ツールで管理されていたセキュリティ対策を単一プラットフォームで実現可能としています。
Upwind Securityとノックス株式会社の企業・販売概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 国内販売元 | ノックス株式会社 |
| 所在地 | 東京都目黒区八雲2-23-13 |
| 事業内容 | ストレージ製品・ネットワーク製品の販売、インテグレーション・マーケティング、テクニカルサポート、コンサルテーション、運用・技術支援サービス |
| 販売形態 | 国内独占販売 |
| 開発元 | Upwind Security, Inc.(米国カリフォルニア州サンフランシスコ) |
| 設立 | 2022年(Amiram Shachar氏らによる創業) |
| 調達総額 | 総額4.3億ドル(約650億円)超(Bessemer Venture Partners・Salesforce Ventures 等) |
| 企業価値 | 16億ドル(約2,400億円) |
| 対象領域 | クラウドネイティブ企業・SaaS企業・大規模エンタープライズ |
trends編集部の一言
総額4.3億ドル(約650億円)超を調達し、企業価値16億ドル(約2,400億円)に達するユニコーン企業が日本市場に本格参入したという事実は、国内のクラウドセキュリティ市場にとってインパクトのある動きです。業界全体としては、生成AIの業務利用拡大とマルチクラウド環境の常態化が重なり、「静的スキャンで十分か」という問いが共通の課題として、浮上してきた段階にあります。
業界全体としても、SaaSツール利用数の増加に伴い「どのツールがどのデータにアクセスしているか」の把握が難しくなる課題は、多くの現場で共通する論点です。実行環境のデータを起点とするアプローチは、セキュリティ専任リソースが限られる組織における運用効率化の新たな選択肢として、今後の市場浸透が注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「AI・クラウド時代の新標準へ、「次世代CNAPP 2.0」のリーダー「Upwind Security」国内提供開始 | ノックス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000182618.html, (参照 26-06-05).
