株式会社アシュアードは、脆弱性管理クラウド「yamory」において、「金融機関向け緊急対応プラン」の提供を開始しました。
フロンティア AIによる脅威変化とyamoryの対応背景
「フロンティア AI」の急速な発展により、金融機関を取り巻くサイバー攻撃の脅威は新たな局面を迎えました。「フロンティア AI」は脆弱性の発見や高度な攻撃コードの生成に優れており、従来は発見が困難だった脆弱性が短期間に大量に発見され得ます。脆弱性の発見から攻撃に至るまでの期間が大幅に短縮され得ることも指摘されてきました。
さらに、「スキルの低い攻撃者がフロンティア AIを悪用することによって、高度なサイバー攻撃が増加する」ことが強く懸念されています。脅威の「量・速度・質の変化」に対し、金融機関には従来の周期的な対応から脱却し、即座に動ける体制の整備が急務です。
yamory「金融機関向け緊急対応プラン」の3つの特徴
「金融機関向け緊急対応プラン」は、金融庁・日本銀行が求める「短期的な対応」を支援するための特別プランです。主な特徴は次の3点です。
- スピードアセスメント環境の即時提供:通常より迅速なアカウント発行と初期スキャンの実行体制で脆弱性対応を可視化
- リスクベース運用のアドバイザリー:「yamory」の専門チームが伴走し、短期間での運用定着を実現
- 経営向けレポート作成の支援:脆弱性検出後に必要となる経営向けレポートの作成を支援
従来のサービス機能に加え、本プランの特別対応により、CISA KEVとの連携やCVSS/EPSSを活用したリスクベース運用など、金融機関が求められる9項目の短期的対応のうち6項目を直接支援します。残る3項目についても、パートナー企業とのアライアンスによる提案が可能です。
「yamory」は政府の「ISMAPクラウドサービスリスト」に登録された国産クラウドサービスです。アプリライブラリやホスト、コンテナ・クラウド・ネットワーク機器の全レイヤー横断でアセットと脆弱性を一元管理します。攻撃コード流通・観測の独自データベースをセキュリティアナリストが日次更新することによって、対応の意思決定を高速化します。
yamory事業部事業部長の山路 昇氏は、「AIによって、短期間に大量の脆弱性が発見され、攻撃までの期間が大幅に短縮される環境下では、人間が手作業で脆弱性情報を精査していては防衛が間に合いません」と述べています。リスクベースのオートトリアージ機能により効率的にリスクを可視化し、限られた人的資源の中で新たな脅威に対応する足場を提供するとしています。
yamory「金融機関向け緊急対応プラン」の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社アシュアード |
| 対象サービス | 脆弱性管理クラウド「yamory」 |
| 対象 | 金融機関 |
| 提供形態 | 金融機関向け特別プラン(詳細は問い合わせ) |
| 主な機能 | スピードアセスメント環境の即時提供 リスクベース運用アドバイザリー 経営向けレポート作成支援 |
| リスクベース運用の機能 | CISA KEV連携・CVSS/EPSS絞り込み・独自リスクスコアリング |
| 登録情報 | ISMAPクラウドサービスリスト登録済み |
trends編集部の一言
金融庁と日本銀行が連名で「フロンティア AI」への短期的対応を金融機関に要請したという事実は、サイバーセキュリティの議論が経営・規制の中枢に入り込んだことを示す出来事でした。「量・速度・質の変化」という表現が示す通り、AIを悪用した攻撃の高度化は金融業界に限らず、業界横断で喫緊の課題として認識されてきた経緯があります。
本プランが「脆弱性の可視化」だけではなく「経営向けレポートの作成支援」まで射程に入れている点は、実務上の大きな特徴です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、現場のリスクデータを経営層が意思決定できる形式に翻訳する工程こそが最も時間のかかる作業であり、そこを丸ごと支援する設計は業界全体の課題への的確な応答と捉えられます。
「yamory」がISMAPクラウドサービスリストに登録済みであり、金融機関での導入実績を持つ国産サービスという点も、規制対応という文脈では選定の後押しになりそうです。セキュリティ規制が強化されるほど、既存の信頼実績が差別化要因として機能する構造は、業界全体の動向としても注目に値します。
References
- ^ PR TIMES. 「脆弱性管理クラウド「yamory」、金融庁・日本銀行の「フロンティア AIによる脅威変化を踏まえた短期的な対応」要請を受け、「金融機関向け緊急対応プラン」の提供開始 | Visionalのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000814.000034075.html, (参照 26-05-27).
