株式会社ベリサーブは、ソフトウェアサプライチェーン管理パッケージ「SBOM.JP」に「AIエージェント機能」を2026年7月31日に搭載すると発表しました。
SBOM.JPのAIエージェント機能が解決する脆弱性管理の課題
製造業のソフトウェア製品やサプライチェーンを狙ったサイバー攻撃は後を絶たず、製造業におけるソフトウェアサプライチェーンの安全性確保はますます求められる状況にあります。OSS(Open Source Software)の利用拡大とソフトウェアの複雑化によって、膨大な脆弱性情報の中から自社製品への影響を迅速に判断することが不可欠になりました。
従来、脆弱性の影響調査は人手による情報収集が中心で、負荷が高く属人化しやすい作業でした。「SBOM.JP」ではすでに、脆弱性情報と自社が運用するSBOM(Software Bill Of Materials)とのマッチングを自動で行っています。今回搭載するAIエージェント機能によって、影響調査そのものも自動化します。
SBOM.JPのAIエージェント機能の仕組みと3つの特長
AIエージェント機能の主な特長は次の3点です。
- 脆弱性発見時の影響範囲に関する情報を自動で収集・要約
- 製品のソースコードを分析し検査方針とその根拠を提示
- 現在利用中のLLMやSBOM運用の設計に組み合わせて利用可能
LLM(Large Language Model)が膨大な脆弱性情報を収集・要約し、自社のSBOMと突き合わせます。マッチした場合には影響範囲と対応方針を提示し、人手での調査工数を約70%削減できるとしています。
検査方針とその根拠を明示する仕組みにより、検査結果の透明性が高まり、第三者への説明に必要な根拠を示しやすくなりました。現在利用中のLLMや既存の運用設計と組み合わせて利用できるとしています。
SBOM.JPの今後の機能拡張と法規対応の計画
「SBOM.JP」では、2026年9月11日から報告義務が発生する欧州サイバーレジリエンス法(EU CRA)への対応を念頭に、法規対応をより容易かつ効率的に実施するための機能拡張を予定しています。欧州サイバーレジリエンス法(EU CRA)は2027年12月11日に全面適用となる規則で、デジタル要素を含む製品のサイバーセキュリティ確保をサプライチェーンに関わる事業者に義務付ける内容です。
株式会社ベリサーブは、今後も生成AIを活用した効率化を推進し、脆弱性対応の迅速化と品質向上を支援するとしています。SBOM活用の高度化を通じて、ソフトウェアサプライチェーン全体の安全性確保への貢献を目指すとしています。
なお、2026年7月1日~3日に東京ビッグサイトで開催される「製造業サイバーセキュリティ展」にも出展し、AIエージェント機能を搭載した最新の「SBOM.JP」のデモンストレーションを実施する予定です。
SBOM.JPとベリサーブの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | SBOM.JP |
| カテゴリ | ソフトウェアサプライチェーン管理パッケージ |
| 新機能 | AIエージェント機能 |
| 搭載日 | 2026年7月31日 |
| 工数削減効果 | 約70%(同社調べ) |
| 提供企業 | 株式会社ベリサーブ |
| 代表取締役社長 | 鴫原 忠大氏 |
| 本社 | 東京都千代田区神田三崎町3-1-16 神保町北東急ビル |
| 設立 | 2001年7月24日 |
| URL | https://www.veriserve.co.jp/ |
trends編集部の一言
人手での脆弱性影響調査と比較し工数を約70%削減できるという数値は、製造業のセキュリティ担当者にとってインパクトの大きい発表です。セキュリティ運用業界全体としては、膨大な脆弱性情報への対応を属人的なプロセスに依存している組織が多く、自動化と標準化への需要は業種を問わず高まってきた背景があります。この課題は業種を問わず共通しているのではないでしょうか。
LLMが根拠まで明示する設計は、単なる自動化にとどまらない点が印象に残ります。「AIが判断した結果を誰が責任を持って説明するのか」という問いは、マーケティング業界でも生成AIの活用場面で繰り返し議論になるテーマです。検査方針の根拠を第三者に示せる仕組みを組み込んだ点は、同種サービスでも設計指針として参照される動きにつながる取り組みと言えます。
2026年9月11日から段階適用が始まる欧州サイバーレジリエンス法(EU CRA)への対応も視野に入れた機能拡張が予定されており、規制対応という現実的な需要を背景に持つサービスとして、今後の展開に注目しておく価値がありそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「自社開発のソフトウェアサプライチェーン管理パッケージ「SBOM.JP」、新たに「AIエージェント機能」搭載 | 株式会社ベリサーブのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000106.000048768.html, (参照 26-06-26).
