NVIDIAは、NVIDIA Vera Rubin プラットフォームが量産体制に突入し、世界中のエージェント型 AI ファクトリーを支えていることを発表しました。
NVIDIA Vera Rubin プラットフォームの概要と特徴
NVIDIA Vera Rubin プラットフォームは、エージェント型ワークロード向けに設計された5 つの専用ラックが、1 つの大規模な AI スーパーコンピューターとして完全に統合されたシステムを構築する設計です。
プラットフォームを構成するラックは次の4種類です。
- NVIDIA Vera Rubin NVL72 システム
- NVIDIA Vera CPU
- NVIDIA Vera BlueField-4 STX ストレージ
- NVIDIA Spectrum-6 SPX Ethernet ラック
これら4種のラックを一元化することによって、完全に統合されたシステムを構築します。
NVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン フアン氏は、「エージェント型 AI は、新しい種類のワークロードです。1 つのプロンプトがリーズニング、検索、ツールの使用、応答生成という1,000 ステップのプロセスを引き起こすことがあります」と述べています。
同氏は、Vera Rubin について、次の産業革命を推進するために必要な性能、効率、セキュリティを兼ね備えたAI ファクトリーのエンジンに位置づける方針です。
Vera Rubin は、NVIDIA MGX ラックスケール システムの第 3 世代にあたります。実績のあるオープンソースのMGX 設計を採用しました。Dell Technologies、HPE、Lenovo、Supermicroをはじめとする主要 OEM パートナー各社が、対応システムを提供しています。
この設計により、大規模なエコシステムでの迅速な展開が可能になりました。
さらに、数百の主要パートナーが大規模な量産を開始しました。参加パートナーには次の企業が含まれます。
- AIC、Aivres、ASRock Rack、ASUS
- Cloudian、Compal、DDN、Everpure、Foxconn、GIGABYTE
- Hitachi Vantara、Hyve Solutions、IBM、Inventec
- MinIO、MiTAC Computing、MSI、NetApp、Nutanix
- Pegatron、Quanta Cloud Technology (QCT)、VAST Data、WEKA、Wistron、Wiwynn
GPU 100 万基規模向けのSpectrum-X Ethernet Photonics
Vera Rubin プラットフォームは、NVIDIA Spectrum-X Ethernet Photonics を採用しています。200Gb/s SerDes を備えた世界初のコパッケージド オプティクス(CPO)ベースのスイッチで、現在量産中です。
Spectrum-X Ethernet Photonics は、従来のトランシーバーを使用するネットワークと比較して、以下の性能向上を実現します。
- 電力効率:5 倍の向上
- AI 稼働時間:5 倍の向上
- 展開速度:1.3 倍迅速化
このコパッケージド オプティクス ネットワーキングにより、GPU 100 万基規模のAI ファクトリーの基盤となるファブリックが提供される設計です。
最初のエコシステム パートナーおよび導入企業として、CoreWeave、Lambda、Oracle Cloud Infrastructureが名を連ねています。
これらのパートナーが、AI ファクトリーのスケールアウトおよびスケールアクロス展開を支えます。
NVIDIA Vera Rubin プラットフォームのフルスタックセキュリティと運用基盤
Vera Rubin プラットフォームは、フルスタックのNVIDIA Confidential Computing で設計されました。
Vera Rubin NVL72 は、Vera CPU、Rubin GPU、NVIDIA NVLink ネットワーキングおよびセキュリティ機能を一つの統合プラットフォームに集約した構成です。
高速インターコネクト間でデータを暗号化し、ハードウェア レベルの構成証明によってシステムが改ざん不能であることを保証します。
NVIDIA DOCA ソフトウェア プラットフォームは、Vera Rubin プラットフォームのすべてのラックとAI ファクトリーの各レイヤー全体に高度なセキュリティを提供します。
BlueField-4 シリコンで直接実行される機能を通じて、データ、エージェント、コンテキスト メモリ、AI 推論を保護する設計です。
マルチテナント ネットワークの分離、ゼロトラスト ポリシーの施行、ランタイム脅威の検出、エンドツーエンドの暗号化という4 つの機能が備わっています。これらの機能は、最大 800Gb/s の速度で実現されます。
企業は、AI ファクトリーを自信を持って拡張できる体制です。NVIDIA Vera Rubin プラットフォームは、NVIDIA BlueField-4 DPU を統合しており、最大 800Gb/s の速度でのソフトウェア デファインド ネットワークと組み込みのマルチテナント分離が特徴です。
次のクラウドプロバイダーが、NVIDIA Confidential Computing を採用しました。
- CoreWeave、Firmus、GMI Cloud、IBM Cloud、IREN
- Lambda、Microsoft Azure、Nebius、Nscale、SpaceXAI、Vultr
NVIDIA Vera Rubin プラットフォーム概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| プラットフォーム名 | NVIDIA Vera Rubin プラットフォーム |
| カテゴリ | エージェント型 AI ファクトリー向けプラットフォーム |
| 発表場所 | NVIDIA GTC Taipei(台湾・台北) |
| スループット向上 | 前世代比10 倍(大規模環境でのエージェント処理) |
| ネットワーク速度(SDN・暗号化処理時) | 最大 800Gb/s |
| 展開速度向上 | 従来比1.3 倍 |
| 電力効率向上 | 従来比5 倍 |
| エコシステム規模 | 350 以上の工場・30 か国・数百社(台湾150 社) |
| 出荷開始予定 | 秋 |
| 代表者 | ジェンスン フアン(創業者/CEO) |
| 証券コード | NASDAQ: NVDA |
trends編集部の一言
前世代比10 倍のエージェント スループットという数値は、AIインフラの世代交代を示す具体的な指標です。ジェンスン フアン氏が示した「1 つのプロンプトが1,000 ステップのプロセスを引き起こす」という説明は、AIが「検索して回答する」フェーズから「推論やツール利用を伴うフェーズ」へ移行しつつある変化を端的に示しています。
業界全体としては、こうしたエージェント型ワークロードへの対応が、インフラ選定の新たな基準になりつつあると言えるでしょう。マーケティング業界の文脈に置き換えると、AIエージェントを複数組み合わせて調査や分析、レポート生成を自動化しようとする動きが広がっており、処理速度とセキュリティの両立がエンタープライズ向けインフラ選定における業界横断のテーマになっています。GPU 100 万基規模のファブリックとPOD 規模での保護機能という組み合わせは、その方向性を具体化した動きとして、業界全体で注目されています。
References
- ^ PR TIMES. 「NVIDIA Vera Rubin の量産が開始、世界中のエージェント型 AI ファクトリーを支える | NVIDIAのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000618.000012662.html, (参照 26-06-03).
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