株式会社TOKIUMは、AIエージェントと専任オペレーターが企業の業務を代行する新事業「AI agentic BPO」の提供を開始しました。
TOKIUMのAI agentic BPOが目指す新しいBPOモデル
国内のBPO市場は約5兆円規模に達し、うち経理や人事、購買、総務等を含む非IT系BPOが約2兆円を占めます(2024年度、矢野経済研究所)。一方で、BPO事業の構造は処理量に比例して人件費が膨らむ仕組みを長く抱えており、人手不足と賃金上昇が事業継続上の課題となってきました。
TOKIUMは創業以来、3,000社以上の企業に経費精算や請求書処理、契約管理等のSaaSとそれに付随するBPOを提供してきました。SaaS基盤による業務の標準化、自社オペレーションを通じて蓄積してきたBPOデリバリーの実務知見、近年急速に進化したAIエージェント技術。この3つを掛け合わせ、「人を送り込む」のではなく「AIエージェントが顧客のシステムを直接操作し、業務の成果を納品する」という新しいBPOの形を確立します。
AI agentic BPOのAXデプロイメントとAXデリバリー
「AI agentic BPO」は、初期コンサルティング「AX(AI Transformation)デプロイメント」と、自律運用フェーズ「AXデリバリー」の2段階で構成します。主な特長は次の3点です。
- 業務フローをAIネイティブに再設計し「考える」と「やりきる」を一気通貫で提供
- 既存システムはそのままにAIエージェントが自律的にデータ入力・照合・処理を実行
- Claude Codeエンジニアを含む専門チームが運用開始後も顧客に伴走し継続改善を推進
AXデプロイメントでは、長年の増築で複雑化した業務フローや担当者ごとの暗黙ルール、複数システムをまたぐ手作業の連鎖を可視化・構造化します。AIが効率よく処理できる形に再設計することによって、「人間がシステムの支援を受けて作業する」という過去のプロセスからの脱却を実現しました。その結果、「AIエージェントが人間の補助を受けて作業し、人間は例外対応のみ行う」AIネイティブな業務プロセスへの移行を支援します。
AXデリバリーでは、再設計された業務フローをAIエージェントと専任オペレーターが日々遂行します。定型ルール処理にとどまらず、状況に応じた判断、例外検知、継続学習までをAIが自ら担う設計です。AIが判断できない例外ケースについては、TOKIUMの専任オペレーターが対応します。先行導入企業の中には、月2,000件超の請求書照合の99.4%をAIが自動処理し、業務コストを従来型BPOの1/2〜1/3の水準まで圧縮することを見込む例もあります。なお、TOKIUMは創業来の累計調達額に1億円を追加するなど、本事業への投資を継続しています。
AI agentic BPOを推進する専任チームのメンバー
本事業を推進するため、取締役・執行役員を含む経営直下の専任チームを新設しました。主要メンバーは、いずれもTOKIUMの主力プロダクトを立ち上げた実績を持ち、SaaS事業で培った業務知見と顧客基盤を本事業に投入します。
取締役 AI agentic BPO事業責任者の松原 亮氏は、TOKIUMインボイスの立ち上げから取締役ビジネス本部長を経て現職に就きました。金融機関出身の経営視点で、大手企業の経営課題に直結するサービス設計と事業開発を推進します。東京大学アメリカンフットボール部出身で、一般社団法人東大ウォリアーズクラブ理事も務めています。
執行役員 AI agentic BPO デリバリー責任者の吉田 亨氏は、伊藤忠商事やAIベンチャーを経てITコンサルタントとしてプロジェクト推進や企画に従事した後、TOKIUM電子帳簿保存の立ち上げから執行役員コンサルティング本部長を経て現職に就きました。業務コンサルティングの専門性を活かし、AXデプロイメントとAXデリバリーの品質と顧客成功を担保します。
AI agentic BPO 技術責任者の初谷 怜慈氏は、AIベンチャーでCTOを務めた経験を持ち、AIエージェント基盤の設計・開発をリードします。AI納品明細の立ち上げを主導した実績も持ちます。
Account Executiveの藤縄 大樹氏は、三菱UFJ銀行、ドイツ銀行グループ、クレディスイスを経てTOKIUMに参画しました。金融業界での豊富な経験を活かしてエンタープライズ営業をリードし、社会人アメリカンフットボールチーム オリエンタルバイオ・シルバースターのGMも務めています。
AI agentic BPOについて
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社TOKIUM |
| 代表取締役 | 黒﨑 賢一 |
| 所在地 | 東京都中央区銀座6丁目18-2 野村不動産銀座ビル12階 |
| 設立 | 2012年6月26日 |
| サービス名 | AI agentic BPO |
| 構成フェーズ | AX(AI Transformation)デプロイメント(初期再設計) AXデリバリー(自律運用) |
| 対象市場規模 | 約5兆円規模(国内BPO市場全体) 約2兆円(非IT系BPO) |
| 先行導入実績 | 月2,000件超の請求書照合の99.4%をAI自動処理 業務コストを従来型BPOの1/2〜1/3の水準まで圧縮見込み |
| 採用強化 | アカウントエグゼクティブ・Claude Codeエンジニア |
| URL | https://www.keihi.com/ai-agentic-bpo/ |
trends編集部の一言
月2,000件超の請求書照合の99.4%をAIが自動処理し、業務コストを従来型BPOの1/2〜1/3の水準まで圧縮するという数値は、業種を問わずインパクトがあります。マーケティング業界の文脈に置き換えると、ベンダーへの発注管理や請求書確認といった「地味に重い定型業務」が人手を介さず処理される構造は、バックオフィス全体の人員配置を見直す動きと連動しており、業界全体としても注目すべき変化です。
「AIを導入する」ではなく「業務フロー自体をAIネイティブな形に再設計してから運用を引き取る」という設計思想は、マーケティング業界でも同様の課題構造が見られます。ツールの導入だけ進めても現場に定着しないという事例は業界全体として珍しくなく、再設計と運用を一気通貫で担う構造は、そうした課題への一つの応答と言えるでしょう。
経営直下の専任チームを新設し、金融やコンサルティング、AIベンチャー出身のメンバーを揃えた体制にも本気度がうかがえます。Claude Codeエンジニアを採用強化するという点からも、AIエージェントの技術的な深さを継続的に追求していく姿勢が読み取れました。大企業のバックオフィス領域では、こうした一気通貫型のAI運用モデルへの注目が高まりつつあります。
References
- ^ PR TIMES. 「TOKIUM、AIで業務を代行する新事業「AI agentic BPO」を開始 | 株式会社TOKIUMのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000472.000009888.html, (参照 26-05-27).
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