社員のITスキル向上を目指す企業にとって、IT研修は欠かせない施策のひとつです。しかし研修の種類や形式によって費用は大きく異なり、適切な予算設定が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではIT研修の費用相場やコストを決定する要素、費用を抑えるための方法について紹介します。失敗しない研修選びのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
IT研修の費用相場
IT研修の費用は受講対象、研修形式、内容によって異なります。一般的な料金の相場を解説します。
研修カテゴリ | 費用相場(1人当たり) | 期間 |
---|---|---|
IT研修 | 6万1000円~72万円 | 2日~要相談 |
エンジニア研修 | 11万円~92万円 | 1日~数ヶ月 |
プログラミング研修 | 1.75万円~79.2万円 | 1日~約2ヶ月 |
資格試験 | 無料~1.2万円 | 試験時間のみ |
IT研修の費用は研修の種類や期間、内容によって異なります。短期間の研修であれば比較的低コストで受講可能ですが、専門性の高い研修や長期間にわたる研修ではそれに応じた費用がかかる傾向にあります。
IT研修の費用相場を算出した研修名と研修費用は下記の通りです。
企業名 | 研修名 | 費用 | 期間 |
---|---|---|---|
インソース | IT入門研修 | 6万1,000円/1名 | 2日 |
株式会社IPイノベーションズ | IT新人育成研修 | 45万円~/1名 | 要相談 |
株式会社TOASU | プロジェクトマネジメント研修(要件定義技法編) | 35万~50万円/1日 | 1日 |
株式会社TOASU | システム運用提案力強化研修 | 35万~50万円/1日 | 1日 |
JTP株式会社 | ITエンジニアコアスキル e-Learning | 1.75万円/1名(90日間) | 90日間 |
株式会社TOASU | ITエンジニア向け新入社員研修 | 79.2万円/1名 | 36日間 |
Pythonエンジニア 育成推進協会 |
Python 3 エンジニア認定実践試験 | 1.2万円/1名 | 試験時間のみ |
Pythonエンジニア 育成推進協会 |
Python 3 エンジニア認定データ分析試験 | 1万円/1名 | 試験時間のみ |
Pythonエンジニア 育成推進協会 |
Python 3 エンジニア認定基礎試験 | 1万円/1名 | 試験時間のみ |
研修の目的や受講者のスキルレベルを考慮し、最適な研修を選択することが重要です。
IT研修の費用を決定する要素と算出方法
IT研修の費用を決定する要素について、以下の内容を詳しく解説します。
- 研修プログラムの内容・難易度・専門性
- 受講形態とコストの違い
- 受講人数・企業規模による費用変動
- 企業の研修費用算出方法と見積もりの基準
研修プログラムの内容・難易度・専門性
IT研修の費用は研修プログラムの内容や難易度、専門性によって大きく異なります。たとえば初心者向けのITリテラシー研修であれば、比較的低コストで提供されます。一方でAIやクラウド、セキュリティといった高度な技術を扱う研修は、それに伴う専門的な講師の確保や教材開発のコストがかかるため高額になりがちです。
また、プログラムの内容によっては、実践演習が含まれるかどうかもコストに影響します。プログラミング研修では実際にコードを書いて学ぶ形式の場合、より高度な指導が必要になりコストが上がる要因となります。
受講形態とコストの違い
IT研修の受講形態には通学型、オンライン型、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)型などがあり、それぞれの形式によって費用が変わります。
通学型研修 | 研修会場のレンタル費用や教材の印刷費などが発生するため、比較的高額になることがあります。 |
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オンライン研修 | 受講者が自由な場所から学習できるため、施設費や移動費が不要になり、コストを抑えやすいです。 |
OJT研修 | 企業の現場で実施するため、外部講師を呼ぶ場合は講師派遣費が発生しますが、社内のリソースを活用すれば費用を削減できます。 |
どの形態を選ぶかは企業のニーズや受講者の利便性、コスト面のバランスを考慮することが重要です。
受講人数・企業規模による費用変動
IT研修の費用は受講人数や、企業の規模によっても大きく変わります。一般的に少人数向けのカスタマイズ研修は1人あたりの費用が高くなり、大人数向けの集合研修は1人あたりのコストを抑えやすいのが特徴です。
たとえば企業が50人の社員向けにオンライン研修を契約する場合、1人あたりの費用が割安になるパッケージ料金が適用されることがあります。一方で研修の内容や専門性によっては少人数での手厚い指導が求められることもあり、その場合は講師の指導時間が増えるため費用が高くなります。
企業の規模によっても研修の選択肢が変わるため、自社の規模に適した研修かどうかをチェックすることがおすすめです。
企業の研修費用算出方法と見積もりの基準
IT研修の費用を算出する際、1人あたりの受講料や研修時間、教材費、講師費用、設備費などを配慮することが求められます。
たとえば1日あたりの受講料が2万円で3日間の研修を10人が受講する場合、単純計算で60万円の費用が発生します。ただしカスタマイズ研修の場合は、プログラムの開発費用や事前のヒアリング・調整費用が追加されるため最終的な金額は変動する点に注意してください。
企業は研修の目的や予算に応じて、どの要素にコストをかけるかを慎重に検討することが重要です。また、複数の研修会社の見積もりを比較し、費用対効果の高いプランを選定することが推奨されます。
IT研修費用を抑える方法とコスト削減のポイント
企業がIT研修のコストを削減する方法として、下記の内容を具体的に解説します。
- 助成金・補助金制度の活用
- オンライン研修を活用したコスト削減
- オーダーメイド研修で無駄なコストをカット
助成金・補助金制度の活用
IT研修の費用を抑えるためには、国や自治体が提供する助成金・補助金制度を活用することが最適です。具体的にはキャリア形成助成金やDX推進助成金、人材開発支援助成金などが挙げられます。
これらの制度を利用することで研修費用の一部を補助でき、企業の負担を大幅に軽減できるのが魅力です。申請には研修計画書の作成や受講者の報告が必要になる場合があるため、事前に要件を確認して計画的に準備を進めることが求められます。
助成金の適用対象や金額は制度によって異なるため、専門機関に相談するのもひとつの方法です。

オンライン研修を活用したコスト削減
オンライン研修は企業がIT研修費用を削減するのに効果的な方法です。オンライン研修を活用することで会場費や講師の交通費などの経費を削減でき、従業員の移動も必要ないので業務効率の向上にもつながります。
また、eラーニングやライブ配信型の研修では録画コンテンツを繰り返し利用できるため、研修のコストパフォーマンスを向上させることが可能。特に全国に拠点を持つ企業やリモートワークを推進している企業にとって、オンライン研修は柔軟な学習環境を提供するのがメリットです。
パッケージ研修で無駄なコストをカット
企業の研修費用を最適化するには、適切なパッケージ研修を選ぶことが重要です。一般的なパッケージ研修は多くの企業に共通する内容が含まれているため、オーダーメイド研修に比べてコストを抑えやすいのが特徴です。
しかし研修内容が自社の業務と合わない場合、不要な講義に時間や費用をかけることになり結果的に無駄が生じることもあります。そのため、自社にとって必要なスキルを効率よく学べる研修パッケージを選ぶことが重要です。
CodeCampのパッケージ型IT研修のご紹介
IT研修のコストを抑えながら実践的なスキルを習得したい企業には、CodeCampの「IT人材育成パッケージ研修」がおすすめです。
CodeCampが提供するパッケージ型のIT研修は、企業の業務内容や課題に応じて複数のカリキュラムを組み合わせることが可能です。オンライン完結型のため移動コストや施設費用を削減でき、従業員の負担を最小限にしながら効果的なスキルアップを実現できます。
CodeCamp「IT人材育成パッケージ研修」のメリット
- オンライン完結で低コスト:会場費や移動費が不要で、どこからでも受講可能
- 実践的な学習内容:プログラミングやクラウド技術など、業務に直結するスキルを習得
- カリキュラムの組み合わせが可能:企業の業務内容や受講者のスキルレベルに応じた研修設計ができる
特にITリテラシーを向上させたい企業や社員全体のITスキルを底上げしたい企業にとって、基礎からしっかり学べる研修を用意しているのが魅力です。
IT研修で使える助成金の種類と申請方法
企業が活用できる助成金・補助金制度の種類と申請方法を解説します。
研修費用を補助する助成金の種類
IT研修に活用できる助成金にはキャリアアップ助成金、DXリスキリング助成金、人材開発支援助成金などがあります。
キャリアアップ助成金 | 非正規雇用労働者のキャリアアップを支援するための助成金。正社員化や処遇改善、スキルアップ研修などを行う企業に対して支給されます。 |
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DXリスキリング助成金 | デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のための人材育成を支援する助成金。従業員のITスキル向上やデジタル技術習得を目的とした研修費用を補助します。 |
人材開発支援助成金 | 企業が従業員に対して職業訓練や、スキルアップ研修を行う際に活用できる助成金。教育訓練費や賃金助成が含まれ、労働者の能力向上を目的としています。 |
これらの助成金を活用することで、研修費用の負担を軽減しながら従業員のスキル向上を図ることが可能です。
助成金申請の流れと必要書類
助成金を申請する際の主な手順は下記の通りです。
- まず企業が対象となる助成金の要件を確認し、適用可能な研修プログラムを選定。
- 次に助成金申請のための計画書を作成し、必要な書類(事業計画書、受講者リスト、研修カリキュラムなど)を準備。
- 申請後は審査期間を経て承認され、研修実施後に費用の一部が補助されます。
申請の流れは助成金の種類によって異なりますが、一般的には「申請→承認→研修実施→報告→助成金受給」というプロセスをたどります。書類の不備や報告の遅れがあると助成金が支給されない場合があるため、計画的に準備を進めることが重要です。
失敗しないIT研修会社の選び方と比較ポイント
研修会社を選ぶ際に重要なポイントや比較のコツについて、以下の内容を詳しく解説します。
- 研修カリキュラムの充実度と企業ニーズの対応力
- 講師の経験・受講者の満足度を重視
- 研修費用とサービス内容のバランスを考慮する
- 他社比較と見積もりの取り方
研修カリキュラムの充実度と企業ニーズの対応力
IT研修会社を選ぶ際には、企業のニーズに適したカリキュラムが提供されているかを確認することが重要です。研修内容が自社の業務課題に対応できるかどうかを見極めるため、事前に研修プログラムの詳細をチェックしましょう。
たとえばプログラミング研修であれば、実際の業務で使われる言語(Python、Javaなど)に対応しているか確認します。また、ITインフラ研修なら最新のクラウド技術やセキュリティ対策を含んでいるかが判断基準のひとつです。
企業の成長戦略に合わせて、最適な研修プログラムを提供できる研修会社を選ぶことが成功のカギとなります。
講師の経験・受講者の満足度を重視
研修の質は講師の経験や実績によって大きく左右されます。過去にどのような企業向け研修を実施してきたのか、受講者の満足度が高いかどうかを事前に確認することが重要です。
たとえば研修会社のWebサイトには過去の導入事例や受講者の口コミが掲載されていることが多く、これらをチェックすることで講師の指導力や研修の効果を判断できます。
また、企業向けの研修では業界特有の知識を持つ講師がいるかどうかも重要なポイントです。実績が豊富な研修会社を選ぶことで、より実践的なスキルを習得しやすくなります。
研修費用とサービス内容のバランスを考慮する
IT研修の費用は提供されるサービス内容によって異なります。安価な研修プログラムでも、内容が不十分であれば効果が薄くなってしまいます。一方で高額な研修が必ずしも最適とは限りません。
企業は自社の研修目的と予算を考慮し、コストパフォーマンスの高い研修を選ぶことが求められます。たとえば同じプログラミング研修でも実習の有無や講師の対応レベル、研修後のフォローアップなどの違いがあるため、価格だけでなくサービスの充実度も比較することが大切です。
他社比較と見積もりの取り方
研修会社を選ぶ際には複数社の見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。同じ研修内容でも提供する会社によって価格やカリキュラムの構成が異なるため、費用対効果を考慮した選択が求められます。
また、研修の無料トライアルや体験セミナーを提供している会社もあるため、事前に試してみるのも有効な手段です。見積もりを取る際には研修の目的や受講者数、研修期間などの条件を明確に伝え、最適なプランを提案してもらうことがポイントです。