IT人材の不足やDX人材の育成につながる施策として注目されている「リスキリング」。経済産業省によって提示された「2025年の崖」が迫っているなかでどれだけ企業に浸透しているのでしょうか?
株式会社リンクアカデミーの調査によると、リスキリングによってプログラミングやノーコード、RPAなどのスキルを高めたい人が多いことがわかりました。また、DX推進の課題を解決するための手段に関しては、経営者や管理職のような上層部のIT研修が求められているようです。
この記事では、リスキリングとDX推進に関する意識調査から見えた、今求められているスキルとDX推進の課題解決に必要なことについて解説します。
2022年度と2023年度のリスキリング DX推進に関する意識調査
全国でキャリアスクールを運営する株式会社リンクアカデミーは、企業のリスキリング施策導入者層(経営者 人事担当者) とリスキリング対象者層(経営者 人事担当者以外の従業員)を対象に、「リスキリング対象者層のITスキル教育」に関する調査を実施しました。
リスキリングの取り組みに関する調査
参考:株式会社リンクアカデミー「リスキリング対象者層のITスキル教育」(以下同)
リスキリングの取り組みに関する調査では、リスキリング施策導入者とリスキリング対象者共に去年と比べて取り組んでいる人が大幅に増加したことがわかりました。
リスキリングに前向きなリスキリング対象者は、具体的にどのようなスキルを身につけたいと考えているのでしょうか。また、スキルを身につけるにあたって、会社側にどのような機会を求めているのか見てみましょう。
参考:株式会社リンクアカデミー「リスキリング対象者層のITスキル教育」
会社側に求める機会に関する調査では、2022 2023年共に「ITスキルに関する研修の提供」が最も多いという結果でした。また、2023年の調査では「OJTの場の提供」(40.0%)を求める声も多く、ITスキルを身につける機会や社員同士でスキルを高めあう環境が求められているようです。
リスキリングで高めたいスキルに関する調査結果では、プログラミングやマーケティングに関するスキルは2022年と2023年の双方で人気ということがわかりました。その反面、2022年一番人気だった「ExcelやPowerPointなどの基礎スキル」は今年の調査で大きく票を落とす結果になりました。
そんな中、2023年に需要が急増したのが「ノーコードやRPAなどの中程度のスキル」で、2022年に比べて17.5%増加しています。ノーコードやRPAによる迅速なシステム開発や業務効率化は、DXを推進するための手段としても有効なので、今後も需要が高まるスキルだと考えられます。
DX推進における課題
参考:株式会社リンクアカデミー「リスキリング対象者層のITスキル教育」
リスキリング施策導入者を対象にしたDX推進における課題に関する調査によると、2022年度調査では「そもそもDX戦略を描けていない」(30.0%)が最も多く、「特に課題はない」(28.0%)、「プロジェクトを推進するコア人材が不足している」(24.1%)という結果でした。
2023年度調査では、「DX推進のための投資判断ができない」(35.3%)が最多となり、「レガシーシステムが残ってしまっている」(34.0%)、「プロジェクトを推進するコア人材が不足している」(32.8%)と続きました。
2022年度の調査では、DXに関して関心の低い回答が目立ちましたが、2023年度はDX推進の必要性を感じた上で、浮き彫りになった課題が上位を占める結果になりました。
特に、レガシーシステムが残ってしまっていることに関する課題は、システム管理者の世代交代がうまく行かなかった場合、ブラックボックス化して管理コストが高くなるので迅速な対応が求められるでしょう。
従業員に高めてほしいITスキル
参考:株式会社リンクアカデミー「リスキリング対象者層のITスキル教育」
既存社員に求めるITスキルに関する調査では、2022年度が「ExcelやPowerPointなどの基本的スキル(23.3%)」、「プログラミングなどの高度なスキル(20.3%)」、「マーケティングなどの知識(18.0%)」と続きました。
2023年度では「ノーコードやRPAなどの中程度のスキル(27.8%)」、「ExcelやPowerPointなどの基本的スキル(25.0%)」、「プログラミングなどの高度なスキル(23.6%)」という結果でした。
ノーコードやRPA プログラミングスキルに関しては、2023年度のリスキリング対象者が高めたいスキルでも人気があるため、双方の希望がマッチしていることがわかります。
DX推進を阻む課題の解決方法とは
参考:株式会社リンクアカデミー「リスキリング対象者層のITスキル教育」
DX推進を阻む課題の解決方法に関する調査では、「中堅層の(IT研修など会社主導での)育成」(31.3%)が最も多く、「管理職の(IT研修など会社主導での)育成」(30.3%)、「若手の(IT研修など会社主導での)育成」(25.9%)という結果でした。
若手よりも、既存の中堅社員や管理職のような上位層に向けたIT研修が、DX推進に必要だと考えている人が多いようです。その具体的な理由は下記の通りです。
50代/男性/会社員(人事部門)/埼玉県
まずはトップからの研修が最適だと感じるからです
30代/男性/経営者/東京都
管理職の意識が変わらないと会社全体が変わらないと思うから
20代/女性/会社員(人事部門)/東京都
上が変わらないと社員がついてこない
管理職がIT研修などに積極的でないと、会社全体が変わらず社員もついてこないことから、上層部こそDX推進に必要なIT知識を身につけるべきだと考えていることがわかります。
DX推進の課題解決に必要なのは上層部のリスキリング
今回の調査結果では、DXを推進するためにも管理職や経営者層のIT研修が求められていることがわかりました。企業の中でも権限のある人がIT研修を受けることで、DX化やITスキルに関する研修の提供をスムーズに進められることが期待できます。
また、リスキリング対象者の多くは、ノーコードやRPA、プログラミングなどDX化に求められるスキルの習得に興味があるということがわかりました。
IT研修でDX化やIT化の知識を身につけた管理職と、ITスキルを持つ社員を揃えることがDX推進に必要であり、レガシーシステムの問題を含めた課題の解決につながると考えられます。
CodeCampが提供する企業向けDX研修では、IT全般知識 データサイエンス AIに関する基礎知識から、DXを支える技術や活用事例まで幅広い専門知識を身につけられます。ほかにも、本調査で人気が高かった「ノーコードやRPAなどの中程度のスキル」も身につけられるのも魅力です。
企業向けのプログラミング研修も実施しているので、経営者層向けのIT研修や社員向けのプログラミング研修の導入を考えている管理職の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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