契約書管理AIが法務担当者の契約台帳を自動作成、探す時間や更新漏れの削減をめざす
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社内の契約書が紙と電子に分かれて保管されたまま、必要な条文を探すのに担当者の時間が取られていないでしょうか。契約書管理をAIで進めるサービスは、契約台帳の自動作成や条文の横断検索、更新期限の通知といった機能を備えており、自社の契約書の量と用途に合わせて選べます。
この記事では、契約書管理でAIが担う契約台帳の自動作成や条文の横断検索に加えて、更新期限の通知の使い方や自社に合うサービスの選び方まで詳しく解説します。契約書管理の方法を見直したい法務担当者や総務・購買の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表5件
- 発表主体:高浜酸素株式会社、株式会社LayerX
- 出典の最終掲載:2026.09.09
この記事がまとめた発表
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[1] アリオを展開する商業ディベロッパーのクリエイトリンクが契約AXサービス「Contract One」を導入画像:発表資料より(PR TIMES)
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[2] クラウドサインシリーズ、「クラウドサイン 書類管理」を提供開始画像:発表資料より(PR TIMES)
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[3] Hacobu、契約・運賃管理サービス「MOVO Contract」を提供開始。賃上げや燃料費の上昇で増える運賃改定・取引適正化をAIで支援画像:発表資料より(PR TIMES)
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[4] 【Hubble mini活用事例】契約書や周知文書の検索時間を1/5に!ガス事業の許認可証や免許証の更新漏れも未然に回避した高浜酸素株式会社の「Hubble mini」活用事例を公開画像:高浜酸素株式会社の発表資料より(PR TIMES)
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[5] LayerX、AIエージェントが契約前後の業務を自動化する「バクラク契約管理」を正式リリース画像:株式会社LayerXの発表資料より(PR TIMES)
紙と電子が分かれる契約書管理の課題
契約書の管理でつまずく場面は、書類の置き場所と探し方に表れます。契約書が紙と電子に分かれていたり拠点ごとに保管されていたりすると、必要な条文にたどり着くまでの手間が増える状態です。
- 専用システムを使わない契約書の手動管理
- 施設ごとのフォルダーに分かれる契約書
- 拠点をまたいで分散する契約書と許認可証
いずれも契約書そのものではなく、置き場所と探し方に原因があります。自社の契約書がどの状態に近いかを見極めておくことが、AIに任せる範囲を判断する手がかりです。
専用システムを使わない契約書の手動管理
弁護士ドットコムは、契約管理で専用システムを使わず手作業に頼る企業が多いと説明しています。同社がクラウドサイン有償プラン利用企業の契約管理担当者に行った調査の結果は、以下の通りです。[2]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | 書類管理に関するアンケート調査 |
| 対象 | クラウドサイン有償プラン利用企業 |
| 対象の人数 | 契約管理担当者2,976名 |
| 手動管理の割合 | 72% |
| 主な管理手段 | Excelやオンラインストレージ、紙 |
手作業での管理が続くと、取引先ごとに異なる受領形式への対応や台帳への転記が担当者の負担として残ります。弁護士ドットコムは、紙と電子の二重管理を企業に共通する課題として挙げました。
施設ごとのフォルダーに分かれる契約書
クリエイトリンクは、アリオやグランツリーなどの商業施設の開発とテナントリーシングを手がけ、7万件を超える契約書を保有しています。導入前は施設やテナントごとに情報を集約するフォルダー管理の形式で、横断的な検索が難しい状態でした。[1]
フォルダー管理のもとで生じていた手間は、以下の通りです。
- 複数施設のフォルダーを全確認
- 条文は担当者が目視で確認
- 契約台帳へ締結のたび転記
条文のデータ検索の機能がないと、同じテナントの契約内容を比べるだけでも確認の範囲が広がります。Sansanの発表によると、クリエイトリンクでは契約書の参照に多大な工数がかかっていました。
拠点をまたいで分散する契約書と許認可証
高浜酸素は、産業高圧ガスや医療ガスの製造と販売を軸に、LPガスの供給や福祉用具の販売まで手がける企業です。ガス事業には高圧ガス保安法や液化石油ガス法、薬機法などの関連法令が関わるため、許認可証や免許の更新漏れが事業上のリスクにつながります。[4]
高浜酸素が文書管理で抱えていた課題は、以下の通りです。
- 必要な文書を探す作業に時間
- 更新期限の管理が属人化
- 拠点間を移動して文書を入手
秘匿性の高い文書を管理して共有する方法がなかったことも、高浜酸素が挙げた課題でした。対象は契約書にとどまらず、周知文書や許認可証、登記簿、納税証明書にまで及びます。
契約書をAIが読み取る契約台帳の自動作成
契約書の置き場所を整えた後に効いてくるのが、契約台帳の作り方です。AIが契約書から管理項目を読み取れば、締結や条件変更のたびに担当者が転記する手間を減らせます。
- 契約書のアップロードだけで作る契約台帳
- 稟議や支払と契約情報をつなぐ契約台帳
- 請求書や発注書も含めた取引文書の管理
自動で作る範囲は、契約書だけを扱うものから請求書や発注書まで含むものまでさまざまです。台帳で管理したい項目を先に決めておくと、必要な範囲を絞り込めます。
契約書のアップロードだけで作る契約台帳
Hubbleが提供するHubble miniは、締結済みの契約書のPDFをアップロードすると、AIが契約内容を解析して契約台帳を構築するクラウドサービスです。主要9項目に加えて企業ごとの管理項目も設定できる、カスタム項目AI自動入力の機能を備えています。[4]
Hubble miniが備える主な機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 契約台帳 | PDFをAIが解析して自動作成 |
| 管理項目 | 主要9項目と独自項目に対応 |
| 期限管理 | 更新期限を自動で通知 |
| 検索 | 紙と電子を横断して検索 |
| 法対応 | 改正電子帳簿保存法に対応 |
Hubbleは活用事例で、高浜酸素の導入後の効果として検索にかかる時間の5分の1への削減と、過去の文書のデータ化業務に係る2人月分の費用の削減を挙げています。許認可証や免許の期限は自動で通知されるため、更新漏れのリスクを未然に防止するとしています。
稟議や支払と契約情報をつなぐ契約台帳
LayerXは、契約前後の業務をAIエージェントが支援するバクラク契約管理の正式提供を開始しました。AIが契約書の内容を読み取って契約台帳に必要な項目を自動入力し、同じ取引先に紐づく契約書や覚書の関係性も示します。[5]
バクラク契約管理でつながる情報は、以下の通りです。
- 契約書と稟議情報の紐づけ
- 押印申請や購買申請との連携
- 支払根拠となる契約の確認
AIは契約ステータスや更新期限、解約通知期限の情報整理も支援します。ただしLayerXは、契約書の作成とレビューを支援する機能について、2026年冬以降の実装を予定しているとしています。
請求書や発注書も含めた取引文書の管理
弁護士ドットコムのクラウドサインは、取引で必要な書類を一元管理するクラウドサイン書類管理の提供を開始しました。契約書を中心に、請求書や発注書、納品書をアップロードするとAIが解析してデータ化し、保管と管理を行います。[2]
クラウドサイン書類管理で見込まれる効果は、以下の通りです。
| 項目 | 効果 |
|---|---|
| 手作業の削減 | 受領形式ごとの転記を削減 |
| 台帳の更新 | 契約台帳を自動で更新 |
| 期限の管理 | 更新漏れの防止に貢献 |
| 保管の統合 | 紙と電子の分散保管を解消 |
弁護士ドットコムは、クラウドサインの累計契約締結件数が2026年8月13日時点で5,000万件を超えたと説明しています。電子契約が広がっても、取引先ごとに異なる受領形式への対応や手作業での転記は残ります。
契約条件をAIで探す横断検索の機能
契約書がデータになると、次に効いてくるのが探し方です。条文やテナント名で絞り込む検索から質問の文章で探すAIエージェントまで、サービスによって入り口はさまざまです。
- 条文やテナント名で契約書を探す横断検索
- 自然言語で契約情報を探す調査エージェント
- 覚書や見積書の運賃条件を探すAIチャット
検索の対象は、契約書の全文から運賃などの取引条件まで広がります。社内で誰がどの目的で契約書を参照するかを整理しておくと、必要な検索の形が見えてきます。
条文やテナント名で契約書を探す横断検索
Sansanが提供するContract Oneは、紙と電子の形式を問わず契約書を一元管理する契約AXサービスです。クリエイトリンクは7万件を超える契約書をデータとして登録し、テナント名や施設名、条文から検索できる環境を整えました。[1]
クリエイトリンクで契約書を参照する部門と目的は、以下の通りです。
| 部門 | 参照の目的 |
|---|---|
| リーシング部門 | 新規契約の締結や内容の比較 |
| 営業部門 | 問い合わせ対応や催事の運営 |
| 管理部門 | 契約期限の管理と社内連絡 |
Sansanは期待する効果として、Contract Oneのアラート機能で担当者へ自動通知を送り、期日管理にかかる業務負荷を軽減するとしています。推進担当者は、アカウントごとに閲覧権限を設定できるため、セキュリティー面でのガバナンス強化も実現できたと述べました。
自然言語で契約情報を探す調査エージェント
バクラク契約管理には、自然言語の依頼に応じて契約情報を探す調査エージェントが備わっています。LayerXは、契約書に含まれるさまざまな情報をAIエージェントが調査して抽出すると説明しています。[5]
調査エージェントに依頼できる内容の例は、以下の通りです。
- 競業避止義務を含む契約書の抽出
- NDA未締結の取引先の抽出
- 新リース会計基準の確認項目の抽出
新リース会計基準への対応では、必要な契約情報の判定や確認項目の抽出をAIが自動で行います。ただしLayerXは、紹介した特長にリリース予定の機能も含まれると注記しています。
覚書や見積書の運賃条件を探すAIチャット
Hacobuは、契約書や覚書、見積書をAIが読み取って契約と運賃の条件をデータ化するMOVO Contractの提供を開始しました。各拠点に散らばる契約書類を読み取り、AIチャットを通じて必要な情報を横断的に確認できるサービスです。[3]
MOVO Contractがデータとして蓄積する項目は、以下の通りです。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 取引先 | 契約先や対象のルート |
| 輸送条件 | 車種や付帯条件 |
| 金額 | 運賃と改定履歴 |
運賃を見直す機会が増えている背景として、Hacobuは日本銀行の企業向けサービス価格指数の2026年5月速報を引用し、道路貨物輸送の価格指数が前年同月比で3.8%上昇したと示しました。さらに2028年6月からは、国が定める適正原価を下回る運賃や料金の設定が禁止される予定だとしています。
データ化した契約と運賃の条件は、適正原価との比較や是正のアクションを検討する土台としても使えると、Hacobuは説明しています。担当者の経験や記憶に頼らない運賃管理を支えるサービスです。
自社に合う契約書管理AIを選ぶ確認点
自社に合う契約書管理の方法は、契約書の件数や参照する部門、扱う文書の種類によって変わります。判断に使える観点を、以下にまとめました。[1][2][3][4][5]
| 観点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 契約書の件数 | 数万件の規模まで扱えるか |
| 文書の範囲 | 請求書や発注書も含めるか |
| 参照する部門 | 法務以外の部門も検索するか |
| 検索の入り口 | 条文検索か自然言語か |
| 期限の対象 | 契約更新か許認可証も含むか |
| 業種の条件 | 運賃やルートを扱うか |
| 業務の連携 | 稟議や支払とつなぐか |
契約書の件数が多く、部門をまたいで参照する企業では、条文まで含めた横断検索があるかが分かれ目です。扱う文書を請求書や発注書まで広げたい場合は、取引文書をまとめて解析できるサービスが候補です。
運賃やルートのように業種ごとの条件を管理したい場合は、業種固有の項目をAIが読み取れるかを確かめておくと選びやすくなります。稟議や支払と契約情報をつなぎたい企業では、既存の申請との連携の範囲も確認の対象です。
出典
- ^ PR TIMES. 「アリオを展開する商業ディベロッパーのクリエイトリンクが契約AXサービス「Contract One」を導入」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000877.000049627.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「クラウドサインシリーズ、「クラウドサイン 書類管理」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000595.000044347.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「Hacobu、契約・運賃管理サービス「MOVO Contract」を提供開始。賃上げや燃料費の上昇で増える運賃改定・取引適正化をAIで支援」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000417.000018703.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「【Hubble mini活用事例】契約書や周知文書の検索時間を1/5に!ガス事業の許認可証や免許証の更新漏れも未然に回避した高浜酸素株式会社の「Hubble mini」活用事例を公開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000374.000027155.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「LayerX、AIエージェントが契約前後の業務を自動化する「バクラク契約管理」を正式リリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000624.000036528.html, (参照 26-09-24).






