10GBASE-LRとは
10GBASE-LRとは、IEEE 802.3aeで標準化された10ギガビットイーサネットの物理層規格の一つであり、シングルモード光ファイバーを使用して最大10kmの長距離伝送を実現する技術です。LRはLong Reachの略称であり、データセンター間接続や企業ネットワークのバックボーン構築において広く採用されています。
この規格は1310nmの波長帯域を使用し、10Gbpsの全二重通信を提供することで、大容量データの高速転送を可能にします。光トランシーバーモジュールとしてはSFP+またはXFPの形式で実装され、既存のイーサネットインフラとの互換性を保ちながら高速化を実現できます。
10GBASE-LRの伝送仕様と光ファイバー要件
10GBASE-LRは、シングルモード光ファイバー(SMF)のOS2規格に対応しており、コア径9ミクロンの光ファイバーケーブルを使用します。最小伝送距離は2メートルから開始し、標準的な構成では10キロメートルまでの安定した信号伝送が保証されています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 波長 | 1310nm帯 |
| ファイバー種類 | シングルモードOS2 |
| 最大伝送距離 | 10km |
| 伝送速度 | 10Gbps全二重 |
| 光出力 | -8.2dBm~0.5dBm |
光トランシーバーの送信部にはレーザーダイオードが使用され、受信部にはPINフォトダイオードまたはAPDが実装されます。光損失バジェットは最大7.3dBまで許容されるため、複数の接続点やパッチパネルを経由する実装環境でも十分な信号品質を維持できます。
10GBASE-LRと他の10ギガビット規格の比較
10GBASE-LRは10GBASE-SRやその他の10ギガビット規格と比較して、伝送距離と使用する光ファイバータイプにおいて明確な差異があります。10GBASE-SRはマルチモードファイバーで最大300メートル、10GBASE-ERはシングルモードで最大40キロメートルの伝送が可能です。
| 規格名 | ファイバー種類 | 波長 | 最大距離 |
|---|---|---|---|
| 10GBASE-SR | マルチモードOM3 | 850nm | 300m |
| 10GBASE-LR | シングルモードOS2 | 1310nm | 10km |
| 10GBASE-ER | シングルモードOS2 | 1550nm | 40km |
| 10GBASE-LRM | マルチモードOM1/OM2 | 1310nm | 220m |
コスト面では10GBASE-SRのトランシーバーが最も安価ですが、長距離接続が必要な場合は10GBASE-LRが最適な選択肢となります。さらに長距離が必要なキャリアグレードの環境では10GBASE-ERが選択され、波長1550nmの特性を活かした超長距離伝送が実現されます。
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