PCの画面がフリーズしてマウス操作を受け付けない場合や、リモートで別のPCを操作している場合など、通常のスタートメニューから再起動できない状況は少なくありません。そのような場面では、コマンドを使った再起動が有効な手段です。
Windowsには、コマンドプロンプトで使用するshutdownコマンドや、PowerShellで使用するRestart-Computerコマンドレットなど、再起動に使えるコマンドが複数用意されています。それぞれのコマンドには即時再起動や時間指定、リモート再起動といった異なる特徴があります。
この記事では、PCをコマンドで再起動する方法について、基本的なコマンドの使い方からトラブル時の対処法まで詳しく解説していきます。
目次
- PCを再起動するコマンド一覧
- コマンドプロンプトでPCを再起動する方法
- 即座に再起動する
- 時間を指定して再起動する
- 強制的に再起動する
- PowerShellでPCを再起動するコマンド
- Restart-Computerで再起動する
- リモートPCを再起動する
- PCの再起動コマンドが効かない場合の対処法
- 強制再起動オプションを使用する
- 権限不足のエラーを解決する
- PCの再起動コマンドに関するよくある質問
- シャットダウンと再起動の違いは何ですか?
- 再起動コマンドをキャンセルする方法はありますか?
- コマンドプロンプトとPowerShellはどちらを使うべきですか?
- 再起動のショートカットキーはありますか?
PCを再起動するコマンド一覧
Windowsでは、shutdownコマンドとRestart-Computerコマンドレットの2種類が、PC再起動の代表的な手段として利用されています。以下の表に、用途別の再起動コマンドをまとめました。
| コマンド | 用途 | 主な実行環境 |
|---|---|---|
| shutdown /r /t 0 | 即座に再起動する | コマンドプロンプト |
| shutdown /r /t 秒数 | 指定秒数後に再起動する | コマンドプロンプト |
| shutdown /r /f /t 0 | アプリを強制終了して再起動する | コマンドプロンプト |
| shutdown /a | 予約したシャットダウン・再起動を中止する | コマンドプロンプト |
| Restart-Computer | ローカルPCを再起動する | PowerShell |
| Restart-Computer -ComputerName PC名 | リモートPCを再起動する | PowerShell |
shutdownコマンドはコマンドプロンプトで使うのが一般的ですが、PowerShellから実行することもできます。Restart-Computerはローカルだけではなく、ネットワーク上の別のPCの再起動にも対応しています。
それぞれのコマンドの詳しい使い方について、次のセクションから解説していきます。
コマンドプロンプトでPCを再起動する方法
コマンドプロンプトでは、shutdownコマンドを使用してPCを再起動できます。shutdownコマンドとは、Windowsに標準搭載されているシステム終了・再起動用のコマンドで、オプションを指定することで再起動のタイミングや動作を制御できます。
コマンドプロンプトを起動するには、Windowsキー+Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「cmd」と入力してEnterキーを押します。再起動する方法として、以下の3つがあります。
- 即座に再起動する
- 時間を指定して再起動する
- 強制的に再起動する
それぞれの方法は利用場面が異なるため、状況に応じて使い分けることが重要です。
即座に再起動する
PCを即座に再起動するには、コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
shutdown /r /t 0
このコマンドは、/rオプションで再起動を指定し、/t 0で待機時間を0秒に設定しています。各オプションの意味は、以下の通りです。
| オプション | 意味 |
|---|---|
| /r | シャットダウン後にコンピューターを再起動する |
| /t 秒数 | シャットダウン前のタイムアウト期間を秒数で設定する(有効範囲: 0〜315360000) |
/r: シャット ダウンの後にコンピューターを再起動します。
出典:Microsoft Learn - シャットダウン
/t 0で即時再起動を実行すると、未保存データのあるアプリがあっても警告が十分に表示されないまま再起動が進む場合があります。未保存のデータは、コマンド実行前に必ず保存してください。
時間を指定して再起動する
一定時間後にPCを再起動したい場合は、/tオプションに秒数を指定します。たとえば、60秒後に再起動したい場合は以下のコマンドを入力してください。
shutdown /r /t 60
このコマンドを実行すると、画面に「サインアウトしようとしています」という通知が表示されます。指定した秒数が経過した時点で再起動が実行されます。
時間指定の活用例は、以下の通りです。
| 秒数 | 用途 |
|---|---|
| 60 | 作業を保存する時間を確保する |
| 300 | 5分後のメンテナンス再起動 |
| 3600 | 1時間後の定時再起動 |
ただし、/tに0より大きい値を指定した場合、仕様上/fオプションが暗黙的に有効になる点には注意が必要です。つまり、指定時間の経過後にはアプリが強制終了される扱いとなり、保存ダイアログを出す猶予がないアプリでは未保存データが失われる可能性があります。
/t <xxx>: シャットダウン前のタイムアウト期間を xxx 秒に設定します。有効な範囲は 0 から 315360000 (10 年間) で、既定値は 30 です。タイムアウト期間が 0 より大きい場合は、/f パラメーターが暗黙的です。
出典:Microsoft Learn - シャットダウン
指定した秒数の経過を待つ間は作業を再開できるため、保存・作業終了の猶予時間として活用できます。ただし、未保存データがないかコマンド実行前に確認しておくと安全です。
予約した再起動をキャンセルする方法については、記事末尾のFAQで解説します。
強制的に再起動する
アプリケーションが応答しない状態でPCを再起動するには、/fオプションを追加して強制的に再起動を実行します。以下のコマンドを入力してください。
shutdown /r /f /t 0
/fオプションは、実行中のアプリに対して事前の警告を行わず、強制終了させて再起動するためのものです。
/f: 警告せずに閉じるにはアプリケーションの実行を強制します。注意:/f オプションを使用すると、保存されていないデータが失われる可能性があります。
出典:Microsoft Learn - シャットダウン
/fオプションの有無による挙動の違いは、以下の通りです。
| コマンド | 動作 |
|---|---|
| shutdown /r /t 0 | アプリへの警告を経て再起動(アプリによっては保存確認が表示される) |
| shutdown /r /f /t 0 | アプリに警告せず強制終了して即座に再起動 |
/fオプションを使用すると未保存のデータは失われるため、通常の再起動が効かない場合の最終手段として使用してください。アプリケーションがフリーズして保存ダイアログが表示できない状況で特に有効です。
PowerShellでPCを再起動するコマンド
PowerShellとは、Windowsに標準搭載されているコマンドラインツールで、スクリプトによる自動化やリモート管理など、高度な操作に強みがあります。PowerShellでは、Restart-Computerというコマンドレットを使用してPCを再起動できます。
PowerShellを起動するには、Windowsキーを押してスタートメニューを開き、「powershell」と入力して表示された「Windows PowerShell」をクリックします。再起動するコマンドとして、以下の2つがあります。
- Restart-Computerで再起動する
- リモートPCを再起動する
それぞれローカルPCとリモートPCの再起動に対応しており、用途に応じて使い分けられます。
Restart-Computerで再起動する
ローカルPCを再起動するには、PowerShellで以下のコマンドレットを入力してEnterキーを押します。コマンドレットとは、PowerShellで使用する命令文のことです。
Restart-Computer
このコマンドレットを実行するとPCが再起動されます。shutdownコマンドとの主な違いは、以下の通りです。
| 項目 | shutdownコマンド | Restart-Computer |
|---|---|---|
| 主な実行環境 | コマンドプロンプト | PowerShell |
| 秒数指定の予約 | /t オプションで秒単位指定 | 直接の秒数指定オプションはない(-Delay や -Timeout は -Wait と組み合わせる待機制御用で、再起動予約には使用できない) |
| リモート操作 | /m \\PC名 の指定が必要(前提条件あり) | -ComputerName で指定可能 |
| 強制再起動 | /f オプション | -Force オプション |
再起動を強制したい場合は、Restart-Computer -Forceと入力することによって、即時再起動を実行できます。Microsoft Learnでは-Forceの動作を次のように説明しています。
-Force: Forces an immediate restart of the computer.
出典:Microsoft Learn - Restart-Computer
即時再起動を強制する性質上、実行中の処理や未保存データに影響が及ぶ可能性があります。重要な作業を行っている場合は、事前に保存しておくことをおすすめします。
リモートPCを再起動する
ネットワーク上にある別のPCを再起動するには、-ComputerNameオプションに対象PCのコンピューター名またはIPアドレスを指定します。以下のコマンドレットを入力してください。
Restart-Computer -ComputerName "PC名またはIPアドレス"
Restart-Computerの-ComputerNameパラメーターは、PowerShell Remoting(WinRM)に依存せず動作するのが特徴です。
This parameter doesn't rely on PowerShell remoting. You can use the ComputerName parameter even if your computer isn't configured to run remote commands.
出典:Microsoft Learn - Restart-Computer
したがって、Enable-PSRemotingによるPowerShell Remotingの有効化は必須ではありません。ただし、リモート再起動を成功させるには、環境に応じていくつかの前提条件を満たす必要があります。
必要な条件は組織のポリシーやネットワーク構成によって異なりますが、一般的には以下の点を確認しておくと安全です。
- 対象PC上で「リモートからの強制シャットダウン」権限を持つアカウントで認証できる
- 対象PCとの間で管理通信(WMIなど)がネットワーク上で通る
- ファイアウォールで必要な通信が許可されている
- ワークグループ環境の場合は、認証・名前解決に関する追加設定が必要な場合がある
認証情報を明示的に指定したい場合は、-Credentialオプションを併用します。たとえば、Restart-Computer -ComputerName "PC1" -Credential (Get-Credential)のように実行すると、資格情報の入力を求められます。
複数のPCを同時に再起動したい場合は、コンピューター名をカンマで区切って指定します。たとえば、Restart-Computer -ComputerName "PC1","PC2","PC3"のように入力すると、3台のPCを一括で再起動できます。
ただし、一括再起動を行う際は、すべての対象PCで前述の前提条件が満たされている必要があります。事前に各PCの設定状況を確認しておきましょう。
PCの再起動コマンドが効かない場合の対処法
shutdownコマンドやRestart-Computerを実行しても再起動が実行されない場合、いくつかの原因が考えられます。対処法として、以下の2つがあります。
- 強制再起動オプションを使用する
- 権限不足のエラーを解決する
それぞれの対処法を確認し、再起動が正常に実行できるか試してみてください。
強制再起動オプションを使用する
通常の再起動コマンドを実行しても画面が変わらない場合、応答しないアプリケーションが再起動を妨げている可能性があります。その場合は、前述の強制再起動オプション(コマンドプロンプトの/f、PowerShellの-Force)を使用することで、応答しないアプリを無視して再起動を実行できます。
| 環境 | コマンド |
|---|---|
| コマンドプロンプト | shutdown /r /f /t 0 |
| PowerShell | Restart-Computer -Force |
なお、画面が完全にフリーズしてコマンド入力自体ができない場合、これらのコマンドでは解決できません。その際は、電源ボタンの長押しによる強制シャットダウンを検討する必要があります。
権限不足のエラーを解決する
再起動コマンドを実行した際に「アクセスが拒否されました」というエラーが表示される場合は、権限の設定を確認する必要があります。ローカルPCの再起動については、Windowsの構成や組織のグループポリシーによって必要な権限が異なるため、環境に応じた対処が必要です。
エラーの発生場面ごとの主な原因と、まず試したい対処法は、以下の通りです。
| 場面 | 主な原因 | まず試したい対処法 |
|---|---|---|
| ローカルPCの再起動 | グループポリシーやローカルポリシーで「システムのシャットダウン」権限が制限されている | 管理者としてコマンドプロンプト/PowerShellを起動して再実行する |
| リモートPCの再起動 | 対象PC側で「リモートからの強制シャットダウン」権限が不足している | 対象PC上の管理者アカウントの資格情報を-Credentialで指定する |
管理者権限でコマンドプロンプトを起動する手順は、以下の通りです。
- Windowsキーを押してスタートメニューを開く
- 「cmd」と入力する
- 表示された「コマンドプロンプト」を右クリックする
- 「管理者として実行」を選択する
管理者として起動すると、タイトルバーに「管理者: コマンドプロンプト」と表示されます。PowerShellの場合も同様に、スタートメニューで「powershell」と入力し、「管理者として実行」を選択して起動してください。
なお、現在ログインしているアカウントが標準ユーザーの場合は、「管理者として実行」を選択するとUAC(ユーザーアカウント制御)のプロンプトが表示され、管理者アカウントのパスワード入力が求められます。入力画面が出ても慌てず、管理者権限を持つアカウントの資格情報を入力してください。
PCの再起動コマンドに関するよくある質問
シャットダウンと再起動の違いは何ですか?
シャットダウンはPCを終了して電源を切る操作、再起動はシステムを終了した直後に自動的に起動し直す操作です。shutdownコマンドでは、シャットダウンに/sオプション、再起動に/rオプションを使用します。
| 操作 | コマンド | 動作 |
|---|---|---|
| シャットダウン | shutdown /s /t 0 | PCを終了して電源を切る |
| 再起動 | shutdown /r /t 0 | 終了後に自動で起動する |
なお、Windows 8以降の既定設定では「高速スタートアップ」が有効になっており、shutdown /sによるシャットダウンでもカーネル状態の一部が保存される挙動になります。完全な停止を前提とする場合は、この仕様を踏まえて操作する必要があります。
再起動コマンドをキャンセルする方法はありますか?
shutdown /r /t 60のように時間を指定して再起動を予約した場合、タイムアウト期間中に新しいコマンドプロンプトを開き、shutdown /aを実行すると予約をキャンセルできます。/aは「abort(中止)」の意味で、シャットダウンと再起動のどちらの予約にも使用できます。
/a: システム停止を中止する。これはタイムアウト期間中(例: shutdown /a)に新しいコマンドプロンプトウィンドウで別のコマンドとして実行しなければなりません。
出典:Microsoft Learn - シャットダウン
ただし、/t 0で即時再起動を実行した場合は、キャンセルする時間的猶予がないため取り消しできません。
- キャンセル可能: /t 1以上で予約した再起動
- キャンセル不可: /t 0で即時実行した再起動
コマンドプロンプトとPowerShellはどちらを使うべきですか?
単発でローカルPCを再起動したい場合や、秒数を指定して予約再起動したい場合は、shutdownコマンドのほうがシンプルです。一方で、スクリプトによる自動化、リモートPCの再起動、資格情報を指定した実行など、より高度な用途にはPowerShellのRestart-Computerが適しています。
| 用途 | おすすめ |
|---|---|
| 即時再起動・予約再起動 | shutdownコマンド(コマンドプロンプト) |
| リモート再起動・スクリプトによる自動化 | Restart-Computer(PowerShell) |
再起動のショートカットキーはありますか?
コマンドを使わずにキーボード操作だけでPCを再起動する方法もあります。代表的なショートカットキーは、以下の通りです。
| ショートカット | 操作手順 |
|---|---|
| Alt+F4 | デスクトップで押すと「Windowsのシャットダウン」ダイアログが表示されるので、プルダウンから「再起動」を選んでOKをクリックする |
| Ctrl+Alt+Del | セキュリティ画面の電源アイコンから再起動を選択する |
| Win+X → U → R | クイックリンクメニューから再起動を実行する |
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