SBI生命保険がコールセンターの後処理業務を完全自動化、年間約5,000時間削減を見込む「後処理ゼロ化」を実現
公開:
SBI生命保険株式会社は、2026年6月25日にコールセンターにおける後処理業務(ACW:After Call Work)を完全自動化するシステムを本格導入しました。
SBI生命保険株式会社が後処理業務の完全自動化に至った背景と狙い
近年の労働力人口の減少や顧客ニーズの多様化は、コールセンター運営における共通課題となっていました。特に、通話後の履歴入力や要約といった後処理業務(ACW)は、オペレーターにとって大きな負担です。応対品質のばらつきや応対待ち時間の長期化を招く要因ともなっており、根本的な解決が求められる状況でした。
SBI生命保険株式会社は、最新の生成AI技術を組み込んだシステムを約5カ月という短期間で内製開発しました。従来の「人が対応し、人が記録する」前提から脱却し、「AIが処理し、人は顧客価値創出に集中する」次世代型のコールセンターへの転換を進めます。
同システムがもたらす業務変革のポイント
本システムは、Anthropic社が提供する大規模言語モデル「Claude Sonnet 4.6(Amazon Bedrock上)」を活用し、通話内容の解析や要約、記録作成・入力処理までを一気通貫で自動化します。システム基盤にはAmazon Web Services (AWS)を採用し、高い拡張性とセキュリティを実現しました。
AIトランスフォーメーション(AX)による主な変革のポイントは、以下の通りです。
- ACWの完全自動化による「後処理ゼロ」の実現
- 年間5,000時間の業務削減による生産性の飛躍的向上
- AI前提で業務プロセスを再設計(AIネイティブな業務モデル)
- 内製開発による約5カ月での迅速な実装
この取り組みは単なる業務削減にとどまらず、オペレーターの役割を「入力作業」から「高付加価値な顧客対応」へシフトさせる変革です。応対品質の標準化と高度化を同時に実現し、コールセンター運営のスケーラビリティ向上、人材活用の最適化、働き方改革の推進も見込んでいます。
後処理業務自動化システムの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 導入企業 | SBI生命保険株式会社 |
| 本格導入日 | 2026年6月25日 |
| 対象業務 | 後処理業務(ACW:After Call Work) |
| 従来の所要時間 | 1通話あたり平均約3.5分 |
| 削減効果 | 年間約5,000時間 |
| 開発期間 | 約5カ月(内製開発) |
| 活用AI | Claude Sonnet 4.6(Amazon Bedrock上) |
| システム基盤 | Amazon Web Services (AWS) |
| 所在地 | 東京都港区 |
| 代表者 | 篠原 秀典氏 |
trends編集部の一言
1通話あたり平均約3.5分の後処理業務を年間積算すると約5,000時間に達するという数値は、コールセンター運営の実態を改めて可視化するものです。業界全体としては、AI導入の議論が「どう使うか」から「どこまで任せるか」という段階に移りつつあり、今回のような「完全自動化・ゼロ化」という設計思想は、その象徴的な事例と言えるでしょう。
マーケティングの現場でも、顧客対応後の記録入力や要約作業は担当者の時間を静かに奪い続けています。約5カ月という短期間での内製開発という点は、外部ベンダー依存から脱却しようとする企業の自律的なAX推進モデルとして、業界における一つの注目事例と位置付けられます。
References
- ^ PR TIMES. 「SBI生命、AIトランスフォーメーション(AX)を加速 コールセンターの「後処理ゼロ化」を実現 | SBIインシュアランスグループ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000549.000098438.html, (参照 26-06-26).










