株式会社ゼンリンは2026年6月9日(火)、株式会社CBCテレビと連携し、在住外国人向けWebハザードマップの公開及び運用実証を開始しました。
ゼンリンとCBCテレビが連携した背景と在住外国人の防災情報課題
愛知県をはじめ東海地方には、世界的な企業で働く多くの外国人の方々が暮らしています。近年、防災・減災情報へのニーズが高まっている一方で、在住外国人が必要な情報を母国語で得ることが難しいという課題がありました。
この状況を受け、全国の詳細な地図情報を保有するゼンリンと、多言語情報サイト「Explore Nagoya」を運営するCBCテレビが多言語Webハザードマップの実証運用を開始しました。両社のアセットを組み合わせることによって、在住外国人に実効性の高い防災情報を母国語で提供します。
ゼンリンの時空間データベースとAPIを活用した動的翻訳の仕組み
ハザードマップ上の各種情報を、ゼンリンの時空間データベースからAPIを介して取得します。取得した情報は生成AIを用いてユーザーが選択した言語へ動的に翻訳された上で、地図上に表示される仕組みです。
この方式によって、従来のように多言語データベースを予め用意する必要がなくなりました。あらゆる言語に、迅速かつ柔軟に対応可能になりました。
なお、ゼンリンの時空間データベースは、道路や建物・信号機といった目に見えるものを収録しています。行政界・地名といった目に見えないものまで、実世界に存在するすべてのものに名前(種別)を与えて表現したゼンリン独自のデータベースです。
Explore NagoyaのWebハザードマップの主な提供コンテンツと機能
公開されたWebハザードマップが提供するコンテンツと機能は、以下の通りです。
- ハザード情報(洪水、津波、高潮、土砂災害)
- 避難所(指定緊急避難所、指定避難所)
- 多言語対応病院(病院、診療所、歯科診療所)
- 住所検索・施設検索・ルート検索機能
- 上記コンテンツの重畳機能
実証期間中は、ハザード情報や有事の際の情報に対する在住外国人のニーズや利用実態の確認と、生成AIを活用した地図情報の翻訳精度およびユーザビリティの確認を検証します。今後は、本取り組みをモデルケースとして、得られた知見をもとに機能拡張やサービス範囲の拡大を進め、他地域・他団体への展開も視野に入れて取り組みを推進していく方針です。
Explore NagoyaにおけるWebハザードマップ実証の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供サイト | Explore Nagoya(https://explore-nagoya.jp/) |
| 公開日 | 2026年6月9日(火) |
| 対応言語 | 英語、中国語(繁体)、韓国語、ポルトガル語(4言語) |
| 実証期間 | 2026年6月9日~2027年3月31日迄 |
| 開発・運用 | 株式会社ゼンリン(生成AI自動翻訳機能を活用したWebハザードマップ) |
| サイト運営 | 株式会社CBCテレビ(Explore Nagoyaの企画運営) |
| 翻訳方式 | 生成AIによる動的翻訳(時空間データベース・API連携) |
| 本社所在地 | 福岡県北九州市 |
| 代表取締役社長 | 竹川道郎氏 |
trends編集部の一言
「多言語データベースを予め用意する必要がなくなる」という点は、規模を問わずインフラ整備コストに直結するインパクトです。従来の多言語対応は言語ごとにデータを整備・更新し続ける運用負荷が課題でしたが、生成AIによる動的翻訳はその構造そのものを変えようとしています。多言語対応領域では運用負荷の削減が業界横断の共通課題となっており、業界全体としても入力内容に応じてリアルタイムで翻訳を生成する仕組みへの注目が高まってきました。
防災情報という「いざというときに命に関わる情報」をターゲットにした点も注目ポイントです。平時から「Explore Nagoya」に触れている外国人住民が、同じサイト上で防災情報にもアクセスできるシームレスな設計は、情報リーチの観点から見ても理にかなっています。実証期間が2027年3月31日迄と設定されており、蓄積されるニーズデータや翻訳精度の検証結果は、他地域への展開を検討する際の判断材料としても業界から注目される検証事例となりそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「在住外国人向けWebハザードマップの実証を開始~生成AI自動翻訳を活用した多言語地図を公開、ニーズや利便性を検証~ | 株式会社ゼンリンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000306.000067172.html, (参照 26-06-11).
