エンバカデロ・テクノロジーズは、2026年6月10日よりRAD Studio(Delphi/C++Builder)向けのAIエージェントプラグイン『Kai』の国内提供を開始すると発表しました。
AIエージェント『Kai』の機能詳細
KaiはRAD Studio(Delphi/C++Builder)に統合されたAIエージェントです。ドッキング可能なエージェントチャットウィンドウからの指示を元に、コーディングやUI生成、コンパイル・エラー修正・ファイル操作・MCP(Model Context Protocol)による外部ツール統合、バージョン管理・PRワークフローのサポートを提供します。
汎用のAIチャットのように回答を提示するだけではなく、プロジェクトの文脈を理解してIDEを直接操作します。RAD StudioのプロジェクトからLLMに必要な情報を渡し、生成した結果をソースコードやプロジェクトファイル、DFMファイルなど適切なターゲットへ反映し、ビルドなどのコマンドまで実行しました。
主な機能と特徴は以下の通りです。
- コンテキストを理解したコード提案(Ghost Text・Suggestions対応)
- IDEに完全統合されたエージェントチャット(@シンボルでファイル直接参照)
- プロンプトからのアプリ/UI生成
- コンパイルエラー発生時の自動修正・再コンパイル
- 既存コード/UIのモダナイズ支援とMCPによる外部ツール統合
コード補完では、記述中のコードのコンテキストを理解した上でコードスニペットの候補を提示します。エディタ上にインライン表示されるGhost TextはTabキーで確定でき、複数のコード候補を比較できる専用パネルのSuggestionsも利用可能です。
コンパイルエラーを検出した場合は、Kaiがコードを自動修正してそのまま再コンパイルのフローへ移行します。「コンパイル→エラー確認→修正→再コンパイル」の繰り返し作業を削減する設計です。
Kaiのモダナイズ支援と複数AIモデルへの対応
既存のDelphi/C++コードやUIを対象に、コードの説明やリファクタリング提案、UIパターンのアップデート・モダナイゼーション作業の支援・マイグレーション作業のサポートが可能です。RAD Studio 13.1 Florenceと組み合わせることで、Windows 11 VCLスタイル・Windows on Armサポート・Android API 36.1・iOS 26サポートなどを進めることができ、WebStencilsを用いたWebシステムへの拡張にも対応しています。
KaiはBYOK(Bring Your Own Key)方式を採用し、クラウドモデルとローカルモデルの両方を選択できます。クラウド対応モデルは、OpenAI・Google Gemini・Anthropic Claude・GitHub Copilotです。
ローカル対応モデルはOllama・LM Studioで、選択したAIバックエンドへの通信はエンバカデロのサーバーを経由せず、直接行われるため、コードや資産を外部のプロキシ層に渡しません。オフライン環境や知的財産の保護が必要な環境にも使用できます。
Kaiの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | エンバカデロ・テクノロジーズ |
| サービス名 | Kai(RAD Studio向けAIエージェントプラグイン) |
| 対象製品 | Delphi/C++Builder/RAD Studio Pro以上(有効なアップデートサブスクリプションが必要)※Community Editionは対象外 |
| 動作環境 | RAD Studio 12.x以降でインストール可能。RAD Studio 13.1 Florenceで正式サポート |
| 価格 | 39,000円(消費税別途)/年間サブスクリプション |
| 提供形態 | アップデートサブスクリプションへのアドオン |
| 無料トライアル | 30日間 |
| 対応AIモデル | OpenAI / Google Gemini / Anthropic Claude / GitHub Copilot(クラウド) Ollama / LM Studio(ローカル) |
| 購入先 | EMBARCADERO DIRECT(https://embarcadero.stores.jp/) |
| 日本法人代表 | クリストフ・エスコバール氏 |
| カントリーマネージャ | 藤井等氏 |
| 所在地 | 東京都千代田区内神田1-14-8 KANDA SQUARE GATE 5F |
| コーポレートサイト | https://www.embarcadero.com/jp/ |
trends編集部の一言
Fortune 100のうち90以上の企業と300万以上のユーザーが採用しているという実績は、エンバカデロのツール群が業務の根幹を担う開発環境として、広範な現場で定着していることを示すものです。業界全体としては、コーディングを伴うツール開発の内製化需要が高まる傾向があり、IDE内でAIエージェントが自律的にエラー修正からビルドまで完結する仕組みは、開発リソースの限られたチームでも関心を集める可能性があります。
「AIバックエンドへの通信がエンバカデロのサーバーを経由しない」という設計は、コードという知的財産を扱う開発現場の要件に正面から応えた判断です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、生成AIに渡す情報の範囲をどこまで許容するかは判断が分かれるテーマであり、BYOK方式でクラウド/ローカルを選択できる構成は、セキュリティポリシーが厳しい組織においても導入を可能にする設計として注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「RAD Studio 向け AI エージェント『Kai』を国内提供開始 | エンバカデロ・テクノロジーズ合同会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000122274.html, (参照 26-06-09).
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