株式会社PR TIMESは2026年6月2日(火)、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」のプレスリリースエディターに、株式会社朝日新聞社の文章校正AI「Typoless(タイポレス)」と連携した新たな校正機能を実装し、提供を開始しました。
プレスリリースエディターにTypolessとの連携校正機能を実装
「PR TIMES」は利用企業数が12万4000社を超え、国内上場企業の65%超に利用されているプレスリリース配信サービスです。月間約9000万PVのサイトアクセス数を持ち、月間4万6000件超のプレスリリースが発信されています。
株式会社PR TIMESは、経験や知識の有無に関係なく誰もが価値ある行動をプレスリリースで発表できる状態を目指し、プレスリリースエディターの機能とUIを継続的に強化してきました。今回は、2026年2月時点での蓄積データをもとに、さらなる機能強化が図られました。
プレスリリースは、企業による公式の文書として発表されるため、入稿時に気がつけなかった不適切な表現や炎上の可能性のある表現が公開後に発見されることがあります。取り下げや訂正に至るケースは依然として、一定数発生しており、メディアの情報源ともなるプレスリリースに不適切な表現が含まれると、機会損失や企業への信頼を損なう可能性につながります。
こうした背景を踏まえ、今回の校正機能アップデートが実施されました。
Typolessの言葉の知見をプレスリリースの現場へ
Typolessは、株式会社朝日新聞社のメディア研究開発センターが開発した文章校正AIです。朝日新聞の膨大な記事校正履歴データを学習したAIに、約21万個の校正ルール辞書を搭載しました。誤字脱字や表記揺れに加え、炎上リスクや差別表現・ステレオタイプを助長しかねない表現も指摘できることが特長で、2025年度グッドデザイン賞を受賞しています。
株式会社PR TIMESは、TypolessのAPIを活用し、プレスリリースエディター上で校正提案が表示される機能を実装しています。新聞社が長年培ってきた言葉の知見を、企業が情報発信をおこなうプレスリリースの現場へと落とし込むことで、書き手が一人で判断するには難しい配慮すべき表現にも、第三者の視点で気づきを促せる設計です。
今回のアップデートで強化された主なポイントは次の3点です。
- 校正ルール辞書の拡充(約21万個の辞書を活用し、より細やかな指摘に対応)
- 炎上リスク・差別/ステレオタイプを助長しかねない表現の検知を追加
- 同音異義語の使い分け支援(文脈に応じた指摘機能を搭載)
校正ルール辞書の拡充では、助詞や同一接続詞の連続使用、副詞の漢字表記の指摘(「更に」→「さらに」など)といった、文章を読みやすくするための提案が加わりました。
炎上リスク・ステレオタイプの検知では、「男まさり」(性別間の優劣)や「キーマン」(特定の性別への偏り)といった表現も対象に含まれます。同音異義語の使い分けでは、「初めて」「始めて」や「異議」「意義」のような判断に迷いやすい語について、文脈に応じた指摘をおこないます。
プレスリリースエディターが持つ書き手の表現意図を尊重した設計思想
本機能は、誤りや配慮すべき表現に「気づく」ことに重きを置いた設計です。最終的に直すかどうかの判断は書き手に委ねられており、提案を受け入れるかどうかは書き手自身が確認したうえで選択できる柔らかな表示としました。
株式会社PR TIMESは、「機械的に間違いを指摘する」だけでは十分ではないという認識を示しています。書き手の表現意図を尊重しながら、より安心して公開できる状態へ近づけることを目指した設計です。
また、PR TIMES上で公開されている約500万件の発表データをもとに分析したところ、情報を端的に伝えることを重視するプレスリリースでは短めのテキストが頻出する傾向が確認されました。この傾向を踏まえ、株式会社朝日新聞社と協議しながらプレスリリースに即した指摘ルールの選定・調整を進め、今後も継続的なチューニングをおこなう方針です。
朝日新聞社 ビジネスソリューション部 部長の福原裕人氏は、次のようにコメントしています。「Typolessは、誤字脱字の指摘に留まらず、社会的な文脈における炎上リスクや無意識の偏見を検知する機能を備えています。『書き手の表現意図を尊重し、気づきを促す』というPR TIMES様の設計思想は、私たちが言葉と向き合う姿勢そのものです。」
株式会社PR TIMESのプロダクトグループ長、山田和広氏は、今回のアップデートの背景について、次のように述べています。「書き手の皆様は、入稿ボタンを押す瞬間に、誤字脱字だけではなく『この表現で誰かを傷つけないか』『炎上のリスクはないか』といった、より繊細な不安と向き合っています。今回、約21万個の校正ルール辞書、炎上リスクやステレオタイプを助長しかねない表現の検知など、これまで以上に深く書き手の表現を支援できる仕組みが整いました。」
PR TIMESプレスリリースエディター校正機能アップデート概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社PR TIMES(東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ8F) |
| 代表取締役 | 山口 拓己 |
| 提供開始日 | 2026年6月2日(火) |
| 対象サービス | プレスリリースエディター(「PR TIMES」上) |
| 連携技術 | 株式会社朝日新聞社の文章校正AI「Typoless(タイポレス)」 |
| 校正ルール辞書 | 約21万個 |
| 主な追加機能 | 炎上リスク・ステレオタイプを助長しかねない表現の検知、同音異義語の使い分け支援 |
| データ保護 | 朝日新聞社側へのプレスリリース原稿の保存なし、AI学習データへの利用なし、通信はTLS暗号化 |
| 設立 | 2005年12月 |
| 利用企業数 | 12万4000社超(国内上場企業の65%超) |
| サービスURL | https://prtimes.co.jp/ |
trends編集部の一言
約21万個の校正ルール辞書という規模感は、マーケティング領域においても、注目に値します。マーケティングの現場でもコンテンツ公開前のチェックには多くの時間が割かれており、「炎上リスクや無意識のステレオタイプ」を事前に検知できる仕組みへの需要は業界横断で高まっています。業界全体としては、AIによる校正支援が「誤字脱字の検出」から「社会的文脈への配慮」へと領域を広げつつある流れです。
注目されるのは、提案を受け入れるかどうかの判断を書き手に委ねる設計です。「修正を強制しない気づき型」の校正アプローチは、ブランドトーンを守りながら炎上リスクを下げたいという広報・マーケティング領域における新たな選択肢と言えます。国内最大級のプレスリリース配信基盤に標準搭載されることで、業界全体の広報実務の底上げにつながる動きとして注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「朝日新聞社の文章校正AIをPR TIMESに搭載。炎上リスクを防ぎ、伝わる文章へ導くアップデート | 株式会社PR TIMESのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001671.000000112.html, (参照 26-06-05).
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