GMO ReTech株式会社は、不動産管理会社向けアプリ『GMO賃貸DX 入居者アプリ』に「AIチャット自動返信機能」の開発を開始しました。
GMO賃貸DX 入居者アプリで進むAI活用による問い合わせ自動化
帝国データバンクの調査(「人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)」)によると、多くの業種で人材不足が続いています。不動産業界も例外ではなく、電話やメール中心の対応では効率化に限界があり、生成AIを活用した自動化ニーズが高まってきました。
従来の「よくある質問」機能だけでは、入居者が必要な情報にたどり着けず、結果的に問い合わせに至るケースも一定数みられました。例えば「ゴミ出しのルール」を知りたい利用者が、カテゴリ選択やキーワード検索で該当情報を見つけられず、電話で問い合わせるといったケースが発生していたのです。「情報を探す」仕組みから「質問すれば回答が得られる」仕組みへの転換が、問い合わせ対応業務の効率化につながる方向性として位置付けられています。
GMO賃貸DX 入居者アプリのAIチャット機能はRAGを基盤に設計
「AIチャット自動返信機能」は、RAG(Retrieval-Augmented Generation)を基盤に開発されています。不動産管理会社ごとに管理画面で登録・運用している「よくある質問」のデータを参照し、入居者からの質問に自動回答する仕組みです。既存の「よくある質問」データをそのまま活用できるため、新たなデータ登録なしに利用開始できる点が特長となっています。
一般的なチャットボットが学習データをもとに、回答を生成するのに対し、本機能は回答範囲を業務データに限定することによって、実務に即した内容を提供し、誤回答リスクを抑える設計です。利用状況や蓄積データをもとに継続的な改善を行い、導入企業全体で運用の標準化を図るSaaSとして提供されます。
今後は、「よくある質問」に加え、アプリ上の「お知らせ」「掲示板」、過去の問い合わせ対応データも参照対象として追加し、回答精度の向上が予定されています。中長期的には業務マニュアルや各種ファイルの活用、多言語対応など機能拡張も計画されており、対応可能な問い合わせの範囲を段階的に拡張していく方針です。
GMO賃貸DX 入居者アプリの主な機能とGMO ReTech株式会社の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | GMO賃貸DX 入居者アプリ |
| 新機能 | AIチャット自動返信機能 |
| 提供開始予定 | 2026年8月 |
| 主な機能 | よくある質問・チャット機能・掲示板機能・入居時チェック機能 |
| 技術基盤 | RAG(Retrieval-Augmented Generation) |
| 開発元 | GMO ReTech株式会社 |
| 代表取締役社長 | 鈴木 明人氏 |
| 所在地 | 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー |
| 資本金 | 1億円 |
| 公式サイト | https://gmoretech.com/ |
trends編集部の一言
「よくある質問」ページを整備しても問い合わせが減らないという状況は、不動産業界に限らず、多くの業種で繰り返し聞かれる課題です。業界全体としては、コンテンツを充実させてもユーザーが情報にたどり着けずサポートコストが下がらないという構造的なボトルネックが、BtoCサービスを持つ事業者に広く共通する問題として認識されてきました。「情報を探す」仕組みから「質問すれば回答が得られる」仕組みへの転換は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、問い合わせ導線そのものをAIで代替する動きとして読み取れます。
既存の「よくある質問」データをそのまま活用できる点は、導入ハードルを下げる設計として注目されます。業界全体としても、新たなデータ整備コストを抑えながら段階的にAI精度を高めていくアプローチは、初期投資を抑えたAI導入の一つの類型として広がっていく可能性があるでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「入居者の問い合わせに生成AIが自動回答『GMO賃貸DX 入居者アプリ』に「AIチャット自動返信機能」を搭載【GMO ReTECH】 | GMOインターネットグループのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005373.000000136.html, (参照 26-05-23).
