営業組織がAIに任せる業務を決め、営業責任者が人の役割を設計する
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営業組織にAIを導入する場面では、ツールの機能や料金を比べることに時間をかけすぎていないでしょうか。しかし営業職への調査では、AIと人の役割分担の明確化が、営業プロセスの再設計よりも重要だと挙げられています。
この記事では、営業組織でAIに任せる業務と人が担う領域の分け方を、営業職への調査結果や実際に運用が始まった支援ツールの中身、判断に使える確認点まで詳しく解説します。営業組織のAI活用の進め方を決める営業責任者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表3件
- 発表主体:株式会社ウィルオブ・ワーク、株式会社SHINSEKAI Technologies ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.09.09
この記事がまとめた発表
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[1] 【営業職のAI活用調査】営業組織で問われているのは、任せる範囲と、人が担う領域の設計画像:株式会社ウィルオブ・ワークの発表資料より(PR TIMES)
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[2] シンセカイテクノロジーズ、すべてを自動化するAI駆動経営基盤『BOSSコネクト』提供開始。第1弾は営業組織向け『誰でもトップセールス』を9月1日より画像:株式会社SHINSEKAI Technologiesの発表資料より(PR TIMES)
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[3] FC加盟企業・営業組織の拡大を受け、支援体制を強化AI×KPIを活用した「営業見込み管理ツール」画像:株式会社カイトルの発表資料より(PR TIMES)
営業組織のAI活用調査が示した優先課題
営業職を対象にした調査からは、営業組織がAIをどこまで使い、人に何を残しているかが見えてきます。調査から読み取れる論点は、以下の3つです。
- 役割分担の明確化が上位の調査結果
- AIに任せたい商談前の準備業務
- 営業パーソンが挙げた学習への不安
3つの論点はいずれも、人の役割の明確化と人材育成に関わる内容です。
役割分担の明確化が上位の調査結果
ウィルオブ・ワークの営業支援サービス『セイヤク』は、営業職676名の有効回答をもとに、営業現場のAI活用を調査しました。営業組織として優先すべき点を尋ねた回答は、以下の通りです。[1]
| 回答項目 | 回答率 |
|---|---|
| AIと人の役割分担の明確化 | 18.0% |
| 営業メンバーのAIリテラシー教育 | 17.6% |
| 対人スキルの強化 | 14.8% |
| 効果を検証し改善する仕組み | 10.4% |
| 営業プロセスの再設計 | 8.7% |
上位3項目を合わせると50.4%となり、仕組みづくりや営業プロセスの再設計を上回りました。人の役割を決めることと人材育成が先に挙がった結果です。
AIに任せたい商談前の準備業務
セイヤクの調査では、AIを活用している、または今後活用したい業務も尋ねています。複数回答で得られた上位と下位の業務は、以下の通りです。[1]
| 業務 | 回答率 |
|---|---|
| 商談・打ち合わせ準備 | 25.0% |
| 提案書・見積書の作成 | 23.1% |
| 議事録作成・要約 | 21.4% |
| 顧客フォローアップ | 7.1% |
| アップセル・クロスセル提案 | 5.5% |
AIが担うのは商談前の準備が中心で、顧客との関係づくりに関わる業務は人が行うものと認識されている、とセイヤクは説明しています。
営業パーソンが挙げた学習への不安
AIの普及が進むなかで気になることを尋ねた設問では、自身のスキルに関する回答が上位に並びました。上位に挙がった項目と回答率は、以下の通りです。[1]
- 学習が追いつかない21.0%
- 評価されにくい不安14.6%
- 強みが活きにくい12.6%
上位2項目を合わせると35.6%が、自身のスキルに関する項目でした。AIの普及に対する関心は営業パーソン自身のスキルに向いている、とセイヤクは述べています。
営業組織向けAIエージェントの提供開始
SHINSEKAI Technologiesは、トップセールスの行動を型として設計し、実行までをAIエージェントが支援するソリューションの提供を始めると発表しました。営業組織で確認したい点は、以下の2つです。
- 誰でもトップセールスが担う業務
- SFAとつなぐコンテキストレイヤー
2つの点は、AIに任せる業務の範囲と、AIが読める情報をどう用意するかという土台に対応しています。
誰でもトップセールスが担う業務
SHINSEKAI Technologiesは、営業組織向けの『誰でもトップセールス』を2026年9月1日から提供するとしています。AIエージェントが担う業務として、以下を挙げました。[2]
| 業務 | エージェントの役割 |
|---|---|
| 顧客への接触 | アプローチとアポイント取得 |
| 商談後の連絡 | 送付するメールの文案作成 |
| SFAの記録 | 記録内容の整理と入力 |
| 次の行動 | 設定と実行漏れの検知 |
型にした行動の実行までをAIが受け持つ設計で、同社は営業成績の差を「やることの差」と説明しています。提供開始時点では主要なエージェント群を用意するとしています。
SFAとつなぐコンテキストレイヤー
『誰でもトップセールス』は、AI駆動経営基盤『BOSSコネクト』の上で動く第1弾のソリューションです。基盤が整える土台は、以下の通りです。[2]
- チャットツールやSFAと接続
- 案件や会話を一つの文脈に集約
- 新しいシステムへの入れ替えなし
生成AIで成果が出ない原因はAIの性能ではなく、会社がAIに読める状態になっていないことだ、とSHINSEKAI Technologiesは説明しています。既存の仕組みを残したまま土台を整える点が、導入時の検討材料です。
営業組織のKPIを可視化する見込み管理ツール
カイトルは、見込み顧客の進捗や営業KPI、売上着地見込みを一元的に可視化する営業見込み管理ツールを導入し、2026年9月1日から全社で運用しています。ツールが受け持つ範囲は、以下の2つです。
- ダッシュボードで見る営業KPI
- 見込み情報に返すAIフィードバック
数値の可視化と振り返りの支援を組み合わせ、営業成果の再現性を高めることを目指すとしています。
ダッシュボードで見る営業KPI
営業見込み管理ツールは、2026年7月からの試験運用と約2か月の改善を経て、全社での活用が始まりました。ダッシュボードで確認できる項目は、以下の通りです。[3]
| 項目 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 見込み顧客 | 進捗と状況 |
| リピート | 件数と率 |
| 売上 | 着地見込みと成約率 |
| 自身のKPI | 不足している項目と次の行動 |
管理職も各メンバーの営業状況を確認でき、同じ数字をもとにミーティングや営業指導を行えます。担当者と管理職の双方から改善につなげる形です。
見込み情報に返すAIフィードバック
カイトルは、営業担当者が入力した見込み情報に対して、AIがフィードバックを返す仕組みも取り入れました。フィードバックの設計に使っているのは、以下の内容です。[3]
- 蓄積した営業ノウハウ
- これまでの営業実績
- コンプライアンスの考え方
育成プロセスを複数のフェーズに分け、習熟度に応じた振り返りと次の行動を提示するとしています。先輩社員が個別に行っていたフィードバックの一部をAIが担う形です。
営業組織でAIに任せる範囲の判断軸
営業組織のAI活用では、組織として導入している層と未使用の層が併存しています。セイヤクの調査では組織で導入しているのが33.9%、469名が回答した予算感の設問では「わからない」が43.6%で最多でした。[1]
自社の営業でAIに任せる範囲を決めるときの確認点は、以下の通りです。[2][3]
| 確認点 | 見るところ |
|---|---|
| 任せる業務 | 商談前の準備か顧客対応か |
| データの土台 | SFAやチャットとの接続 |
| 振り返りの担い手 | AIと管理職の受け持ち |
| 育成の段階 | 習熟度ごとの到達点 |
| 予算の想定 | 1人あたり月額の見立て |
セイヤクは、ツールの選定と並行して人の役割と育成のあり方を整理することが求められる、と述べています。営業責任者は、育成の段階と予算の想定まで含めて判断を進められます。
出典
- ^ PR TIMES. 「【営業職のAI活用調査】営業組織で問われているのは、任せる範囲と、人が担う領域の設計」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000426.000034777.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「シンセカイテクノロジーズ、すべてを自動化するAI駆動経営基盤『BOSSコネクト』提供開始。第1弾は営業組織向け『誰でもトップセールス』を9月1日より」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000115234.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「FC加盟企業・営業組織の拡大を受け、支援体制を強化AI×KPIを活用した「営業見込み管理ツール」」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000174104.html, (参照 26-09-24).






