株式会社エスクロー・エージェント・ジャパンの完全子会社である株式会社サムポローニアは、2026年4月16日、福島県郡山市と共同で実施した相続人特定システム「AI相続ミツローくん」の実証事業完了と、本格導入決定を発表しました。
AI相続ミツローくんが郡山市の固定資産税業務で示した成果
超高齢社会の進展に伴い、地方公共団体での相続関連業務は年々件数が増加しています。不動産登記上の所有者が死亡した場合には、法定相続人の調査・特定が必要となりますが、戸籍の解読や専門的な民法知識を要するため、「担当職員への業務負担増大」と「業務の属人化」が課題となっていました。
サムポローニアは郡山市と連携協定を締結し、2025年9月より実証事業を開始しています。所有者不明土地の解消に向けた対策が進む中、適切な課税や地域インフラの維持管理において、相続確認業務の迅速化・効率化は不可欠な要素です。行政サービスの持続可能性を高める取り組みとして、位置づけられています。
特許技術による相続DXの実用化
近年は金融機関等でも、戸籍のAI-OCRによる「開発・検証」への取り組みが発表されるなど、相続DXへの注目が高まっています。しかし単に古い戸籍の文字をデータ化するだけでは、複雑な相続実務の課題解決には不十分とされています。
- 法的根拠に基づく相続関係説明図の自動生成
- 法定相続人の自動判定
- 持分割合の自動計算
- 複数の独自特許技術による処理ロジック
AI相続ミツローくんは、横書き・一部縦書き戸籍のAI-OCR読み取りをすでに実用化しており、上記の機能をワンストップで実行できる点が特長です。すでに富士通株式会社の金融機関向け相続支援サービス「FinSnaviCloud」への搭載や、他事業会社の相続BPO業務での採用実績があります。
検証段階にとどまらず、現場ですぐに使える「実用品」として展開されている点が、他のAI-OCRサービスとの違いです。
AI相続ミツローくんの実証結果と導入概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | 株式会社サムポローニア |
| 導入先 | 福島県郡山市 |
| 対象業務 | 固定資産税賦課業務 |
| 実証期間 | 2025年9月より実施 |
| 作業時間削減 | 平均60分→平均10分(約83%削減) |
| 定性的効果 | 属人化の解消、人的ミス低減 |
| 正式導入 | 2026年度(令和8年度) |
| LGWAN対応 | 行政専用閉域ネットワーク対応済み |
trends編集部の一言
自治体の相続関連業務で、作業時間が平均60分から10分に短縮されるという数字は、日常的にノーコードツールで業務改善を試みている立場からしても、大きなインパクトがあります。AI-OCRで文字を読み取る段階にとどまらず、法定相続人の判定や持分計算まで自動化している点は、「データ化した後の工程」にこそボトルネックがあるという課題を的確に捉えた設計です。
自治体向けの閉域ネットワーク(LGWAN)への対応や、石川県輪島市での復興支援への展開など、セキュリティ要件が厳しい行政領域で実績を積んでいる点も注目に値します。固定資産税以外の行政手続きや、金融機関の相続窓口業務など、横展開の可能性が広い分野であり、業務効率化に課題を抱える担当者にとって具体的な検討材料になるはずです。
References
- ^ PR TIMES. 「【全国初】 作業時間を83%削減!特許技術で「真の相続DX」を実現する「AI相続ミツローくん」、福島県郡山市で本格導入が決定 | 株式会社エスクロー・エージェント・ジャパンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000040495.html, (参照 26-04-17).
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