セーフィー株式会社とセーフィーセキュリティ株式会社は、クラウドカメラ映像とAIによるクマの自動検知「AI-App(アイアップ) クマ検知」に、遠隔みまもりによる目視確認を組み合わせた「クマ対策ソリューション」の提供開始を発表しました。
クマ対策ソリューション提供の背景にある深刻化するクマ被害と行政の対策強化
近年、クマの出没は増加傾向にあり、人的被害も深刻化しています。環境省の発表によると、令和7年度のクマによる人身被害者数は238名に達し、死者数・人身被害者数は直近5年で過去最多を記録しました。
人や音に慣れてしまい従来の追い払い対策が効きにくい「アーバンベア」の出現は、人命にとどまらず、地域経済にも影響をもたらしているのが実情です。
政府は「クマ被害対策施策パッケージ」を策定しました。クマを「指定管理鳥獣」に指定し、ICTやドローンなど最新技術を活用した出没情報の収集・提供等に対する交付金を拡充するなど、対策を強化しています。セーフィーの映像AI技術とセーフィーセキュリティの遠隔みまもりを融合した本ソリューションは、こうした社会的ニーズに応えるため、提供に至ったとしています。
クマ対策ソリューションの4つの特徴
本ソリューションの主な特徴は次の4点です。
- 交付金対象となる「ICTを活用した出没情報の収集・提供支援」をレンタルで導入可能
- 「Safie AI Studio(セーフィー エーアイ スタジオ)」を活用したAIによるクマ自動検知
- AI検知後に目視確認を実施し、誤報を防いで確度の高い情報を提供
- 山間部から河川・市街地に至る侵入エリアを24時間みまもり
カメラは、レンタル形式で提供されるため、自治体や事業者が手軽に導入できます。
政府が、指定管理鳥獣対策事業交付金の対象経費として認めている「ICTを活用した出没情報の収集・提供等への支援」費用として活用できる可能性があります。
AI検知後は、セーフィーセキュリティが即座に映像を目視確認する仕組みです。動画情報のファクトとともにクマが出没した「確度の高い情報」を契約者へ連絡するため、人手不足に悩む地域の経済活動を遠隔から的確にサポートします。
クマ対策ソリューションに応用されたNEDO採択事業の映像AI技術
本ソリューションのAI検知機能は、セーフィーが提供する開発者向けプラットフォーム「Safie AI Studio(セーフィー エーアイ スタジオ)」上で実現した動物検知AI技術を活用しています。
セーフィーは2025年1月より約1年にわたり、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/データ・生成AIの利活用に係る先進事例に関する調査」に採択された「AIソリューションプラットフォーム」事業等を通じ、さまざまな現場で映像AIソリューションの開発に取り組んできました。本サービスでは、これらの取り組みで創出された動物検知AI技術を活用しています。
今後は、本ソリューションをベースに、各地域をクラウドで管理してクマや鳥獣害出没のエリアマップを構築し、地方経済の活性化に貢献することも検討中です。
クマ以外にも、イノシシやニホンジカ、ニホンザル等による農作物の鳥獣害対策にも活用できました。さらに、2022年4月1日のクマの「指定管理鳥獣」指定以降、被害が全国規模の社会課題へと拡大していることが、本ソリューション開発の出発点となったとしています。
クマ対策ソリューションの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | セーフィー株式会社 / セーフィーセキュリティ株式会社 |
| サービス名 | クマ対策ソリューション |
| 対象 | 全国の地方自治体・野生動物の侵入リスクを抱える事業者 |
| 提供形態 | レンタルプラン(短期レンタルプランあり) |
| 主な機能 | AIによるクマ自動検知(AI-App(アイアップ) クマ検知) 目視による二次確認・出没情報の連絡 24時間みまもり体制の構築 |
| 活用技術 | Safie AI Studio(セーフィー エーアイ スタジオ)(動物検知AI) |
| セーフィー株式会社 設立 | 2014年10月 |
| セーフィーセキュリティ株式会社 設立 | 2025年1月 |
| コーポレートサイト(セーフィー) | https://safie.co.jp/ |
| コーポレートサイト(セーフィーセキュリティ) | https://safie.co.jp/security-inc/ |
trends編集部の一言
令和7年度の人身被害者数が238名に達し、直近5年で過去最多となった数字は、クマ被害が特定地域の問題にとどまらず、全国規模の社会課題へと拡大していることを示しています。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、リアルタイムの現場情報をAIで一次処理し、人が判断責任を担う二段構えの設計は、BtoB領域のAI活用議論で繰り返し語られてきたテーマです。精度への信頼が問われる実務現場では、今後ますます標準化されていくアプローチと捉えられます。
AIによる自動検知だけで終わらせず、目視確認を挟んで「確度の高い情報」を届ける構造は、「AIに任せる範囲」と「人が責任を持つ範囲」を明示的に区分する設計思想として業界横断で注目される取り組みです。交付金対象費用としての活用可能性は、自治体向け鳥獣害対策ソリューションにおける導入条件の一つとして、同種サービスの普及動向にも影響を与えるポイントとして注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「クラウドカメラを活用したクマ検知AI&みまもり目視サービス提供開始 | セーフィー株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000360.000017641.html, (参照 26-07-03).
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