ストアレコード株式会社は、小売・EC事業者向け経営データ基盤「ストアレコード」において、「MCPサーバー」の提供を開始しました。
ストアレコード MCPサーバーが解決する小売業の資料作成課題
小売・EC企業の現場では、経営判断に必要なデータが基幹システムや各種業務システム、販売システム、Excelなど複数の場所にバラバラに存在しています。ひとつの意思決定のための資料を作るだけでも、各システムからデータを集め、Excelで突合・集計するという手作業に大きなコストがかかってきました。
さらに多くの業務が、「各システムからデータを集めて資料を作成する」→「その資料をもとに人間が判断・意思決定する」→「システムに反映するためのデータをスプレッドシートで作成する」→「CSVでアップロードする」という連鎖を伴います。値下げ設定、発注、店舗間の在庫移動など、日々の業務の一つひとつがこの流れで進んできました。本来もっとも時間をかけるべき「判断・意思決定」以外の工程に多くの時間が費やされてきました。
今回提供を開始したMCPサーバーは、こうした一連の業務フローを含めてAIエージェントが自動化できる状態を目指したものです。MCP(Model Context Protocol)は、AIエージェントが外部のデータやツールと安全に接続するためのオープンな標準規格です。ストアレコードがMCPサーバーを提供することによって、顧客のAIエージェントは統合された経営データを直接取得し、分析・資料作成・案の作成まで活用できるようになります。
ストアレコード MCPサーバーの業務自動化活用例
ストアレコードのMCPサーバーを通じて、AIエージェントは売上や売上総利益、限界利益、値引率、原価率といった売上/収益のデータを取得可能です。在庫数量や在庫日数、消化率、滞留品番といった在庫のデータや仕入・費用に関するデータも、ブランド・カテゴリー・チャネル・品番など必要な切り口で呼び出せます。特定の指標に限定されず、同社が保持するデータを自由に呼び出せる設計です。
代表的な活用例は次の4点です。
- 週次の売上レポートを要因分析付きで自動作成・配信
- 在庫数・発注残・販売数などをもとにしたタイムセール設定案の自動提案
- 毎週火曜日朝9:00に店舗間在庫移動リストを自動作成
- 直近在庫・販売数をもとにした発注推奨SKUと数量案の自動作成
スケジュール機能を組み合わせると、たとえばAIエージェントが毎週月曜日の朝9:00に商品ごとの発注推奨数量の資料を作成し、チャットツールで報告するといった運用も実現できます。「①データ収集」「②AIエージェントによる資料作成」「③案の作成」までが自動化され、経営者や現場担当者は「判断・意思決定」に集中できます。
ストアレコードのコンテキストレイヤー整備と導入支援サービス
AIエージェントに業務を任せるには、単にプロンプトを与えるだけでは不十分です。会社ごとの背景・文脈(コンテキスト)をAIエージェントに伝え、適切に更新し続ける仕組みを整えることが、自動化の成否を分けます。
たとえば「自社の目標在庫日数はどれくらいか」「タイムセールはどの基準で設定しているか」といった判断軸を、AIエージェントが参照できる形で整備する必要があります。ストアレコード株式会社は、AIエージェントを活用した業務自動化支援の経験を活かし、各社ごとのコンテキストレイヤーを整備する導入支援サービスの提供も開始しました。顧客の情報システムの状況をふまえ、AIエージェントへのコンテキストの渡し方の設計から実際の業務自動化までを伴走します。
ストアレコード MCPサーバーの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | ストアレコード株式会社 |
| 代表者 | 代表取締役 樋口 幸太郎氏 |
| 所在地 | 東京都新宿区神楽坂2-13 末よしビル本館4B |
| 創業 | 2022年12月 |
| 対象 | 小売・EC事業者 |
| 対応AIツール | Claude、ChatGPT など |
| 取得可能データ | 売上・売上総利益・限界利益・在庫・仕入・費用(ブランド・カテゴリー・チャネル・品番単位) |
| 主な機能 | 経営データへの直接アクセス Excel・スプレッドシートでの資料自動作成 スケジュール連携による定例レポート配信 |
| サービスHP | https://service.storerecord.jp/ |
trends編集部の一言
「データを見にいく」から「AIがデータを使う」という転換は、小売業にとどまらず業界横断で進む動きです。業界全体としては、複数システムに分散したデータの突合・集計という前工程が、AIエージェント活用の最初の障壁として広く認識されてきました。その解消を経営データ基盤側で担う設計は、同種サービスの中でも注目される方向性と言えます。
今回の発表が興味深いのは、単なるデータ可視化ツールではなく、AIエージェントが「資料作成まで含めた連鎖業務」を担う設計になっている点です。業界全体として、生成AIの活用は「一問一答」から「定例業務の自動化」へと移行しつつあり、こうした経営データとAIエージェントをつなぐ基盤の整備は、マーケティング領域でも注目を集めています。
コンテキストレイヤーの整備を伴走支援するサービスも合わせて提供される点は、現場視点では現実的な設計です。AIに何をどう伝えるかという設計が自動化の成否を分けるという指摘は、マーケティングの文脈でもプロンプト設計や業務フローの言語化が課題になっている状況と重なります。今後の同種サービスにおける標準的なアプローチとして注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「ストアレコード、AIエージェントがストアレコードのデータを取得し各種資料の作成を自動化できるMCPサーバーを提供開始 | ストアレコード株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000139864.html, (参照 26-06-18).
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