Kinstaは、AIクローラーや自動化トラフィックの急増に対応する「ボット対策」機能の提供を開始しました。
Kinstaのボット対策機能が対応するAIクローラー急増の課題
Kinstaが公開したレポート『AI・ボット時代におけるトラフィックの実態』では、多くのサイトでアクセスの過半数をボットが占めていることが明らかになりました。AIクローラーによるアクセスはこの1年間で300%以上増加しており、その割合は2025年初頭には約200回に1回だったものが、年末には31回に1回にまで上昇しています。
自動化トラフィックの急増は、サーバーリソースの消費やパフォーマンス低下にとどまりません。アクセス解析データのゆがみ、予期しないインフラコストの増加を引き起こす可能性があります。一方で、検索エンジンのクローラーや正規サービスとの連携に利用される有用なボットも存在するため、サイト運営者には一律に遮断するのではなく、適切に見極めて管理することが求められました。
Kinstaの「ボット対策」機能の詳細
ボット対策機能は、専用コントロールパネル「MyKinsta」から環境単位で設定できます。主な機能は以下の通りです。
- 4段階のボット対策レベルによる柔軟な制御
- AIクローラーのブロック
- WordPress自動処理の許可
- IPアドレス・ユーザーエージェント・パス単位での例外設定
- ボットトラフィックの可視化・分析
- 複数サイトへの一括適用
4段階の対策レベルでは、アクセスを「許可」「検証」「ブロック」に分類して処理します。ボット対策の効果を確認しながら、運用に適した設定を柔軟に適用できる設計です。
本機能の運用上の特長は、サイト運営者自身が「MyKinsta」から設定を完結できる点にあります。サポートへの問い合わせや追加ツールを必要とせず、悪意のあるトラフィックの遮断と有用なボットの許可を、サイトごとの要件に応じて使い分けられます。パフォーマンスの保護、分析データの信頼性向上、そして運用負荷の軽減を同時に支援する設計です。
Kinsta「ボット対策」機能の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Kinsta |
| 対象サービス | WordPress向けマネージドサーバーサービス |
| 対象ユーザー | すべてのお客様(ユーザー) |
| 提供形態 | ベータ版として提供 |
| 管理パネル | MyKinsta(環境単位で設定可能) |
| 対策レベル | 4段階(許可・検証・ブロックに分類) |
| 主な機能 | AIクローラーブロック/WordPress自動処理の許可/例外設定/トラフィック可視化・分析/複数サイト一括適用 |
trends編集部の一言
AIクローラーによるアクセスがこの1年間で300%以上増加し、年末には31回に1回の割合に達しているという数字は、想像以上のペースで拡大しています。マーケティング業界の文脈に置き換えると、アクセス解析データの精度は施策判断の根拠となるため、ボットによるデータのゆがみは業界全体が向き合うべき構造的な課題と言えるでしょう。
業界全体としては、「ボットを一律にブロックする」という発想から「種別ごとに管理する」フェーズへの移行が進んでいます。検索エンジンのクローラーやエージェント型AIとの連携を活用したいサイト運営者にとって、有用なボットと悪意のあるトラフィックを切り分ける仕組みは、今後の標準的な運用要件になるのではないでしょうか。
「MyKinsta」から追加ツールなしで設定が完結する点も、運用負荷の観点から業界内で注目を集める設計です。自動化トラフィックへの対応はこれまで専門知識が必要とされてきた領域だけに、管理画面から完結できるアプローチは、今後の業界における標準的な選択肢になっていく傾向が強まっています。
References
- ^ PR TIMES. 「Kinsta、AIボット時代に対応する「ボット対策」機能を全プランで提供開始 | Kinsta Inc.のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000109536.html, (参照 26-06-17).
