ClipLine株式会社は、サービス業特化型AI「ABILI AI ロープレ」のベータ版提供を開始しました。
ABILI AI ロープレの開発背景とサービス業の現場課題
外食や小売をはじめとするサービス産業では、顧客ニーズの多様化により、マニュアルに縛られない柔軟で高品質な接客・営業スキルが求められています。一方で、働き手の多様化や指導者不足により、教育の難易度は増し、多くの現場が十分なトレーニング環境を整えられずにいるのが実情です。
ClipLine株式会社は、こうした業界全体の課題をAIの力で解決するため、時間や場所、指導者の有無に縛られない自律トレーニング環境として「ABILI AI ロープレ」を開発しました。
ABILI AI ロープレの実証実験をクリスピー・クリーム・ドーナツ4店舗で実施
2026年4月、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社の特定店舗において、現場管理職およびクルーを対象とした機能検証(PoC)を実施しました。対象となったのはクリスピー・クリーム・ドーナツ4店舗で、商品のおすすめなどの接客ロープレへの活用を検証しています。
実証では主に3点の成果が確認されています。詳細は以下の通りです。
- AIによる接客スコアリングに対し、全店舗で違和感がないと評価
- スケジュール調整が不要な「一人で完結でき手軽に学べる」トレーニングの実現
- 高得点を目指す複数回チャレンジへの意欲が確認され、反復練習を促す体験設計
評価の均質なフィードバックにより、指導者による判定のバラつき(属人化)を防げることも、あわせて確認されています。PoC実施後は、本ベータ版の本格導入に向けた運用検証を進めている段階です。
ABILI AI ロープレの主な機能と活用用途
「ABILI AI ロープレ」は、既存の動画クリップやテキストを読み込ませるだけで、AIがシナリオや評価基準などを自動生成します。管理者が行うべき準備の手間を大幅に削減できる設計です。
主な活用用途は次の通りです。
- 新人教育:接客応対の基本練習、応対の確認テストなど
- 応対練習:商品説明、電話応対、クレーム/ご指摘対応など
- 重点施策:営業トークや応酬話法の練習、ベストプラクティスの展開など
- その他:外国人教育、マネジメントスキル教育など
管理画面からはエリアや店舗、スタッフごとの実施回数・実施率を確認できる実施結果レポートも提供されます。
ABILI AI ロープレ ベータ版の利用条件と正式版リリース予定
ベータ版の利用には「ABILI Clip」の導入が必要です。申込は申告制で、利用希望の申し出をもって手続きが開始されます。ベータ版の期間中は、初期費用・基本料金ともに無料での利用が可能です。
正式版は、2026年秋以降の提供開始を予定しています。正式版では「合否判定機能」の実装やアバターの改善が予定されています。さらに「ABILI Clip」のToDo機能との連動によって、インプット(動画視聴)からアウトプット(ロープレ)・評価までの一連のプロセスをシームレスな学習環境として提供する方針です。
ABILI AI ロープレの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | ClipLine株式会社 |
| サービス名 | ABILI AI ロープレ(ベータ版) |
| 対象業種 | サービス業(外食・小売など) |
| 利用条件 | ABILI Clipの導入が必要 |
| 料金(ベータ版) | 初期費用・基本料金ともに無料 |
| 正式版リリース予定 | 2026年秋以降 |
| 主な機能 | 動画・テキストからのシナリオ自動生成 AIアバターとの音声ロープレ 接客スコアリング・フィードバック エリア・店舗・スタッフ別の実施結果レポート |
| 代表取締役社長 | 高橋 勇人氏 |
| 設立 | 2013年7月11日 |
| 所在地 | 東京都千代田区神田紺屋町 15 グランファースト神田紺屋町 5F |
| 資本金 | 4億円(資本準備金含む。2023年8月31日現在) |
| 関連会社 | Chain Consulting株式会社 |
trends編集部の一言
「指導者不足で十分なトレーニング環境を整えられない」という課題は、サービス業に限った話ではありません。マーケティングの現場でも、新しいメンバーへのスキル移転や応対品質の均質化は常に悩みどころです。「指導できる人がいないと練習が進まない」状況は、業種を問わず広く共有されている課題と言えます。
今回のPoCで特に注目されるのは、AIによるスコアリングに対して「全店舗で違和感がない」と評価された点です。評価の納得感は、フィードバックを受け入れる側のモチベーションに直結します。マーケティング業界の文脈に置き換えると、同種サービスでも商談ロープレや顧客対応訓練への展開が進む可能性を秘めており、業界全体の動向としても注目される取り組みです。
2026年秋以降に予定されている正式版では、合否判定機能の実装が盛り込まれる予定です。動画視聴からロープレ・評価までの一連のプロセスをシームレスに連動させる設計も予定されており、「学習の定着をどう測るか」という観点での機能拡張にも引き続き注目していきたいと思います。
References
- ^ PR TIMES. 「サービス業特化型AI「ABILI AI ロープレ」ベータ版を提供開始 動画からシナリオを自動生成&スコアリングし接客や営業力を劇的強化 | ClipLine株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000225.000011390.html, (参照 26-06-26).
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