Ambiral株式会社は、消費者の音声データを活用した「AI生活者プラットフォーム」のベータ版を企業向けに提供開始しました。
AI生活者プラットフォームが解決する従来調査の課題
企業が迅速な意思決定を行うには、生活者のリアルな声が不可欠です。しかし、従来の消費者調査には構造的な限界がありました。
テキスト回答では、消費者が入力時に無意識に考えを整理・修正してしまい、直感的な感情や本音が削ぎ落とされてしまいます。企画から実査や集計、分析までに「数週間〜数ヶ月」と多額の費用が発生する点も課題です。また、汎用的な生成AIを活用して、一般的な回答しか得られず、特定のターゲット層のリアルな価値観を反映できません。
Ambiral株式会社は、自社運営の「ポイトーク」を通じて、音声で日々の記録や意見を集める仕組みを構築しました。テキスト化される前の音声データをAIに学習させることで、消費者調査の課題を解決するソリューションを開発しています。
AI生活者プラットフォームの5つの特長
本プラットフォームが備える主な特長は、次の5つです。
- 音声データによる消費者の「デジタルツイン」高精度再現
- 圧倒的スピードと低コストによるインタビュー調査の代替
- 仮説構築から実在ユーザーへの本調査配信までシームレスに連携
- 認知から購買までマーケティングファネル全階層へ対応
- 調査パネルバイアスのない生活者の本音の可視化と意思決定加速
最大の特長は音声データの活用です。声のトーンやためらい、熱量といった「テキストには表れない感情の機微」までをAIに学習させています。この学習により、ターゲット顧客の思考や価値観を再現した「デジタルツイン」との対話・調査が可能になりました。
コストと時間の面でも大きな変化をもたらします。従来は「数週間と数十万〜数百万円」のコストがかかっていたデプスインタビューやアンケート調査を、AI上のデジタルツインに対して即座に実行できます。新商品のコンセプト受容性や潜在的なインサイト発掘を、コストを気にせず、何度でも実施できる点が特徴です。
また、AIシミュレーションと実調査の連携も実現しています。プラットフォーム上からそのまま実在の生活者(アプリユーザー)に対して本調査を直接配信できるため、仮説構築から実証までをシームレスに移行できます。企業が保有する過去のアンケートデータを取り込んで学習させることも可能です。
AI生活者プラットフォームの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Ambiral株式会社 |
| 代表取締役 | 牛久凌太朗氏 |
| サービス名 | AI生活者プラットフォーム |
| カテゴリ | 消費者調査プラットフォーム |
| 提供形態 | ベータ版(テスト企業募集中) |
| 対象企業 | 消費財メーカー、小売業、サービス業などのマーケティング・商品開発・リサーチ部門 |
| 主な機能 | 音声データによるデジタルツイン構築 AIによるアンケート・インタビュー代替 マーケティングファネル全階層シミュレーション 実在ユーザーへの本調査直接配信 |
| 自社データ活用 | 過去のアンケートデータ等の取り込み・学習に対応 |
| 今後の展望 | 年内の正式版リリース予定・グローバル展開 |
| 公式サイト | https://ambiral.com/ |
trends編集部の一言
従来は「数週間〜数ヶ月」かかっていた消費者調査が、AIデジタルツインによって、即日実行できるという変化は、マーケティング部門にとってインパクトのある発表です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、調査の企画から結果取得までのリードタイムが意思決定速度を左右する場面は多く、業界全体として「調査コストと意思決定スピードのトレードオフ」への関心は高まり続けています。
特に注目されるのは、音声データを起点にした設計です。テキスト入力の段階で感情が整理・修正されてしまうという指摘は、アンケート設計の現場でも長年語られてきた課題であり、業界全体としての共通認識と言えます。汎用AIが「一般論しか返さない」という限界に対して、特定ユーザーの音声から育てたデジタルツインで応答する設計は、消費者インサイトの取得方法として、検討する価値がある取り組みです。
References
- ^ PR TIMES. 「消費者の“生の音声”で顧客のデジタルツインを構築!アンケート調査を瞬時に代替する「AI生活者プラットフォーム」ベータ版を提供開始 | Ambiral株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000184854.html, (参照 26-07-02).
