株式会社WHI Holdingsは、「COMPANY Talent Management」シリーズの「タレントアナリティクス」製品に、「AIインサイト」機能を追加し、提供を開始しました。
「AIインサイト」機能の開発背景
2023年より上場企業などを対象に「人的資本」の情報開示が義務化されました。2026年3月公表の「人的資本可視化指針(改訂版)」では、単なる数値の開示にとどまらない対応が求められています。
内閣官房が示した指針では、自社の状況に即して数値を解釈し、具体的な施策へとつなげる「ストーリー」の重要性が明示されました。
人的資本に関するデータの種類は多岐にわたり、それぞれが複雑に関係します。データの集計・可視化は行ったものの、「注目すべき変化はどこか」「どの数字をどう解釈し、どんな成長ストーリーを打ち出すか」といった「分析・考察のプロセス」に課題を抱える企業も少なくありません。こうした背景を踏まえ、株式会社WHI Holdingsは生成AIを活用した「AIインサイト」機能を開発しました。
「AIインサイト」機能の特長
「AIインサイト」機能の主な特長は次の3点です。
- 500種類以上の人事指標を横断分析し、組織課題を特定する
- 公的機関データと社内ドキュメントを組み合わせ、根拠のある示唆を提示する
- 個人特定を排除する厳格なガードレールで高度な安全性を確保する
1点目の横断分析では、「COMPANY 人事・給与」「COMPANY 就労・プロジェクト管理」に蓄積された給与や勤怠、異動、研修などのデータを元に500種類以上の指標を集計しました。これらの指標を、ダッシュボード上で生成AIが読み解きます。
女性管理職比率や男女間賃金差異、昇給率、所定外労働時間、一人あたり研修時間などの指標から分析対象を自由に選択できるため、多面的な人事データ分析が手間なく実現します。
2点目の示唆提示では、厚生労働省をはじめとした公的機関の公表データをWeb上で参照しながら、客観的な根拠に基づいた分析が可能です。さらに、自社固有の人事制度に関するドキュメントを読み込ませることによって、自社制度に基づいた回答も可能です(6月末アップデート予定)。
一般的な正論にとどまらない、自社の状況に根ざした改善ストーリーの構築をサポートします。
3点目の安全性については、開発元グループ会社である株式会社Works Human Intelligenceの「責任あるAIのための開発ガイドライン」に則って開発されています。「この指標悪化の原因はAさんです」といった個人を特定・評価するような出力を排除する厳格なガードレールを実装しており、安心して生成AIを利用できる設計です。
「COMPANY Talent Management」シリーズと会社概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社WHI Holdings |
| 本社所在地 | 東京都港区 |
| 代表者 | 安斎富太郎氏(代表取締役最高経営責任者(CEO)) |
| 新機能名 | 「AIインサイト」機能 |
| 対象製品 | COMPANY Talent Managementシリーズ「タレントアナリティクス」 |
| シリーズ呼称 | CTM2.0 |
| 主な機能 | 500種類以上の人事指標横断分析 公的・社内データ連携による示唆提示 個人特定排除のガードレール実装 |
| 導入実績 | 従業員数3,000人以上の国内大手法人の3社に1社が利用(株式会社Works Human Intelligence調べ) |
| 関連構想 | HCM Full Suite(2020年より推進) |
trends編集部の一言
国内大手法人の3社に1社が利用するシステムにAI分析機能が加わった点は、規模感として注目に値する動きです。人事テック業界全体としては、開示義務化を機に「数値を出す」段階から「数値を解釈してストーリーを構築する」段階へのシフトが加速しているのではないでしょうか。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、施策データやチャネル別の指標が複雑に絡み合う中で「次に手を打つべきはどこか」を特定する作業は、人事部門の課題と構造が似ているのは確かです。AIが、指標間の相関を読み解いて優先課題を示す仕組みは、業種を横断した実務転換の動きと言えるでしょう。
個人の特定・評価を排除するガードレールの実装についても、生成AIに人材情報を扱わせる際の「AIに任せる範囲」の設計は、今後あらゆる業界で議論になるテーマです。「責任あるAIのための開発ガイドライン」に則った開発姿勢は、同種の機能を検討する際の比較材料として注目しておく価値があります。
References
- ^ PR TIMES. 「WHI HD、AIが組織課題を紐解く新機能をリリース | 株式会社WHI Holdingsのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000198.000049399.html, (参照 26-06-11).
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