Snowflakeは、コーディングエージェント「Snowflake CoCo」の主要な新機能を発表しました。
Snowflake CoCoによるエージェント型エンタープライズの推進
Snowflake CoCoは、Snowflakeのガバナンスの効いたデータプラットフォームと深く統合されています。エンタープライズデータ、ワークフロー、ガバナンス、ビジネスコンテキストを事前設定なしで理解できるAIエージェントを提供する点が、他と一線を画している点です。
今回の発表では、開発者が普段作業している環境でCoCoを活用できるよう、複数のインターフェースへの対応が拡充されました。ネイティブデスクトップアプリのCoCo Desktopが新たに提供開始されるほか、CoCo Mobile AppやCoCo SlackbotによってSlackからもアクセスが可能です。加えて、VS Code Extension、Microsoft Excel Extension、CoCo plugin for Claude Codeなど主要な開発者ツールとの連携も拡大しています。
自律実行の面でも機能が強化されました。Automationsにより、継続的な監視や検証、運用プロセスを支えるイベント駆動型の反復ワークフローが実現します。
新たなCloud Agentsを活用すると、ローカル環境でプロセスを稼働させ続ける必要なく、クラウド上で安全にタスクを実行できます。CoCo Agent SDKによって、この機能を既存のワークフローに直接組み込むことも可能です。
チーム間でのナレッジ共有も強化されています。データの取り込みや変換、オーケストレーションなどに対応したCoCoスキルが事前構築された形で提供され、新たなスキルカタログによってチーム間での実証済みワークフローの発見や共有、再利用を容易にする設計です。さらに、VercelによってシンプルなプロンプトからSnowflake App RuntimeへのアプリデプロイがSnowflakeアカウントに直接できるようになり、RetoolやSuperblocksとの連携も新たに加わりました。
Snowflake Datastreamによるリアルタイムデータ統合
Snowflakeは同時に、Apache Kafka®向けのフルマネージド型ストリーミングサービスであるSnowflake Datastreamを発表しました。ストリーミングデータおよびリアルタイムAI分野で見込まれる1280億ドルの市場機会を切り拓くサービスです。
Datastreamは、Snowflake上でネイティブ構築されており、Kafkaと完全な互換性があります。既存のApache Kafka®アプリやストリーミングシステムからSnowflakeへ直接データをストリーミングできるため、別途ブローカーやコネクタ、専用のストリーミング基盤を管理する必要がありません。ストリーミングデータは、Snowflakeプラットフォームの他のデータと同じガバナンスやアクセス制御、マスキング、リネージュを自動的に継承します。
CoCoとDatastreamを組み合わせることで、リアルタイムAIの構築と運用を簡素化します。Datastreamがリアルタイムエンジンとして継続的に新鮮なデータを供給し、CoCoがその上に構築するAIコーディングエージェントとして、動作する設計です。
構築者は、シンプルなプロンプトでリアルタイムのパイプラインを作成・運用し、Snowflake内でライブストリーミングデータ上のAIアプリを直接構築できます。
大規模展開で実証されているSnowflake CoCoの活用例
Fanatics、Thomson Reuters、WHOOPがすでにSnowflake CoCoを活用しています。Fanaticsデータ担当バイスプレジデントのMaddy Want氏は、「これまでパイプラインの問題への対処やデータのモデリングに何日も費やしていたエンジニアが、今では数時間で問題を解決できるようになった」と述べました。
Thomson Reutersデータおよびアナリティクス責任者のCaitlin Halferty氏は、37,500以上のガバナンスの効いたテーブル、350のデータソースにわたる情報基盤をSnowflake上に構築した上で、「レガシーシステムの刷新やAIパイプラインの拡張、インサイトの提供を数週間から数日に短縮した」と語りました。
WHOOPアナリティクス担当バイスプレジデントのMatt Luizzi氏は、「これまで複数のシステムや手動での調整が必要だったことを、ガバナンスの効いた1つの環境で行えるようになった」と評価しています。
Snowflake CoCoの主な機能と対応環境
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Snowflake(ニューヨーク証券取引所:SNOW) |
| サービス名 | Snowflake CoCo(旧称:Cortex Code) |
| カテゴリ | コーディングエージェント |
| 対応インターフェース | CoCo Desktop、CoCo Mobile App、CoCo Slackbot(Slack)、VS Code Extension、Microsoft Excel Extension、CoCo plugin for Claude Code |
| 主な新機能 | Automations(イベント駆動型ワークフロー) Cloud Agents(クラウド上での自律実行) CoCo Agent SDK スキルカタログ Vercel・Retool・Superblocks連携 |
| 関連サービス | Snowflake Datastream(Apache Kafka®対応フルマネージド型ストリーミング) |
| 活用企業(例) | Fanatics、Thomson Reuters、WHOOP |
| 顧客数 | 13,900社以上 |
trends編集部の一言
Thomson Reutersが37,500以上のテーブルと350のデータソースにわたる情報基盤をSnowflakeで管理しているという規模感は、エンタープライズデータ統合の現在地を端的に示すものです。これほどの規模でのデータ統合が「数週間から数日」に短縮されたという事実は、エンタープライズAI市場全体として、データパイプラインの構築・運用コストの大幅な削減が加速していることを示しています。
マーケティングの現場でも、データソースが分散していてリアルタイムに集約できないという課題は日常的に見られます。キャンペーンの反応データをすぐに次のアクションに結びつけたくても、ストリーミング基盤の整備にエンジニアリングリソースが取られてしまうという状況は、業界横断で語られてきた課題です。
業界全体としては、既存のKafka環境との互換性を重視しながらガバナンスを維持したまま統合できる設計への需要が高まりつつあり、Datastreamはその流れに沿った動きと言えます。
一方で、CoCoが複数の開発者ツールと連携し、アナリストやデータに詳しいビジネスユーザーにもパイプライン構築の扉を開くという方向性は、注目しておく価値があるでしょう。データエンジニアだけではなく、分析寄りのメンバーが自律的に構築・自動化に参加できるようになれば、組織全体のAI活用の裾野が広がると言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「Snowflake CoCo、エンタープライズAI開発を加速 ー 迅速・簡単・強力なコーディングエージェントを提供開始 | Snowflake合同会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000116784.html, (参照 26-06-05).
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