株式会社グラファーは、AIを活用した食品規格書作成システム「Graffer Databridge」を、国分西日本株式会社へ提供開始しました。
Graffer Databridgeの導入背景にある食品業界の課題
食品業界では、メーカー・卸・小売の間で、食品規格書や商品仕様書、見積書、商品登録情報など、多様な商品情報が日々やり取りされています。これらの情報は、ExcelやPDF、画像付き帳票、取引先指定フォーマットなど、企業ごとに異なる形式で管理・提出されるのが現状です。現場では確認や転記、修正、差し戻し対応に多くの工数が発生してきました。
特に食品卸売業では、複数のメーカーから受領した商品情報を確認し、小売や取引先が求める様式に合わせて再整理する業務が生じます。商品名やJANコード、規格、内容量、原材料、アレルゲン、栄養成分、賞味期限、保存温度帯など、正確性が求められる項目が多岐にわたる業務です。単純な転記作業であってもミスや確認漏れが業務リスクにつながりました。
株式会社グラファーは、国分グループ本社株式会社および国分西日本株式会社との機能検証を通じて、食品業界の実務に即したデータ変換のあり方を検証してきました。2025年より両社とともに、食品規格書や商品仕様書などの非構造データをAIで読み取り、業務に必要な形式へ変換する機能検証を実施した実績です。国分グループ本社株式会社は、2021年10月にJ-Startup2021に採択された株式会社グラファーとの連携を深め、2024年には企業向け生成AI活用プラットフォーム「Graffer AI Studio」を導入して全社員4,500人での利用を開始しました。
Graffer Databridgeの主な機能と提供価値
「Graffer Databridge」は、各社ごとに異なる様式や項目名、入力ルールを吸収し、提出先の指定フォーマットや基幹システム連携用CSVなどへの出力を支援します。メーカー・卸・小売の間で発生する商品情報連携において、AIが読み取り、必要な項目を抽出・構造化したうえで変換を支援する仕組みです。
導入によって担当者は、転記や形式変換にかかる作業時間の削減が見込めます。内容確認や例外対応、取引先との調整といった判断を伴う業務に集中できるようになる点が、主な特徴の一つです。
今後は、食品成分表などのより複雑な帳票に対する高精度な変換、事前設定の簡略化など、変換対象の拡充および利用体験の向上を目指すとしています。
Graffer Databridgeおよび提供・導入企業の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社グラファー |
| 所在地 | 東京都渋谷区千駄ケ谷1-5−8 |
| 代表者 | 代表取締役 石井大地氏 |
| 設立 | 2017年7月18日 |
| サービス名 | Graffer Databridge |
| カテゴリ | 食品規格書作成システム |
| 主な機能 | 非構造データのAI読み取り・抽出・構造化・形式変換 基幹システム連携用CSV出力 取引先指定フォーマットへの出力 |
| 導入先 | 国分西日本株式会社 |
| 国分グループ本社設立 | 1947年11月21日 |
| 国分西日本設立 | 1951年10月8日 |
trends編集部の一言
全社員4,500人規模での生成AI活用から、食品卸売業の具体的な実務プロセスへと連携が発展した点は、業界を問わず注目に値する動きです。業界全体としては、AIによる帳票変換の取り組みはRPA的な自動化の延長として語られることが多かったものの、非構造データ(PDFや画像付き帳票)まで対象に含める設計は一歩踏み込んでいます。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、複数の取引先・代理店ごとに異なるフォーマットの資料を再整理するという業務構造は、業界横断で共通する課題です。「転記・形式変換はAIに任せ、判断を伴う業務に集中する」という役割分担の考え方は、コンテンツ制作や入稿作業の領域においても同種の構造変化の兆候と読み取れます。また、転記ミスによるリスクを70%以上削減するといった実証的な効果が示されることで、導入判断の根拠が具体化されるという点でも、業界全体の動向としても示唆を含む取り組みと言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「グラファー、国分西日本株式会社へAIを活用した食品規格書作成システム「Graffer Databridge」を提供開始 | 株式会社グラファーのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000132.000038525.html, (参照 26-06-03).
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