プルーフポイントは、同社のプラットフォームが「Claude Compliance API」と連携したことを発表しました。
プルーフポイントが対応するAIエージェント時代のセキュリティ統合管理
AIエージェントは現在、組織のワークフロー内で稼働し、従来は人のみに限定されていた機密データ、コラボレーションツール、システムにアクセスするようになっています。プルーフポイントの「2026 AI and Human Risk Landscape Report」によると、世界の組織の約9割がAIアシスタントを試験導入段階から本格運用へ移行しました。
一方で、42%が、疑わしい、または確認済みのAI関連インシデントをすでに経験しました。人の活動を前提に構築されたセキュリティプログラムは、AIの活動も対象に含めるよう進化・拡張する必要があります。
組織がClaudeを大規模に導入するにつれ、AIエージェントはファイルの読み取り、コミュニケーションの下書き作成、意思決定への関与といった役割を担うようになりました。自動化されたワークフローの起動も含め、こうした活動は、既存のセキュリティおよびコンプライアンスのフレームワークの中で可視化・統制され、説明責任が果たせる形で管理される必要があります。
情報保護、クラウドセキュリティおよびコンプライアンス製品グループ エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのマヤンク・チョウダリー氏は次のように述べています。「人とAIで別々のガバナンスモデルを運用していては、組織は成功できません。人とAIエージェントは同じワークフローで稼働し、同じ機密データにアクセスし、同じビジネス上の意思決定に関与します。そのために必要なのは単一の制御レイヤーです」
Claude Compliance APIとの2つの連携領域
今回の連携は2つの機能領域に分かれます。主な内容は次の通りです。
- Claude Enterpriseのプロンプト・レスポンス・ファイルへのDLPポリシー適用
- Claude Platformのアクティビティログの統合監視
- 人とAIの活動全体にわたる異常行動の検知
- AI支援コミュニケーションへの監督や保持、電子情報開示ワークフローの適用
第一の連携では、Claude Enterpriseの会話コンテンツとClaude Platformのアクティビティログを、プルーフポイントのデータセキュリティおよび内部脅威対策ソリューションに取り込みます。エンドポイント、クラウド、メール環境を保護している検知ロジックと同じ仕組みで、AIとのやり取りを評価できます。
個別のAIセキュリティスタックを追加することなく、既存のリスクフレームワーク内で一貫したデータ制御が適用される設計です。
第二の連携では、デジタルコミュニケーションガバナンス(DCG)をClaude Enterpriseに拡張します。規制当局による監督や調査においては、単に会話記録を取得するだけでは不十分です。Claudeでの会話をプルーフポイントのソリューションに取り込むことで、AIがアシストするコミュニケーションに対して、監督や保持、電子情報開示・調査ワークフローを適用できます。
コミュニケーションパターンの分析により、人とAIの両方によって、生成されたやり取りから、生のコンテンツだけでは分からない意味を抽出できました。これにより、監査可能なレビューと意思決定プロセスの再構成が可能です。
プルーフポイントのClaude Compliance API連携概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | プルーフポイント |
| 連携対象 | Claude Compliance API |
| 対象製品 | Claude Enterprise、Claude Platform |
| 対象ユーザー | Anthropicが提供する環境でClaude EnterpriseおよびClaude Platformを導入している、すべてのプルーフポイントおよびAnthropicのお客様 |
| 主な機能 | データセキュリティ・DLP・内部脅威対策のClaude拡張 デジタルコミュニケーションガバナンス(DCG)のClaude Enterprise拡張 |
| 実績 | フォーチュン100企業のうち80社以上、10,000社を超える大企業、数百万の中小企業に信頼されるパートナーとしての実績 |
trends編集部の一言
世界の組織の約9割がAIアシスタントを本格運用へ移行している一方で、42%がすでにAI関連インシデントを経験しているという数値は、AIの浸透速度とセキュリティ対応の間に生じているギャップを端的に示す結果でした。業界全体として、AIツールの導入速度にガバナンス整備が追いついていないという構造的な課題が浮き彫りになっています。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、AIツールの試験導入が進む中で「どこまでをAIに任せ、どこから人が管理するか」という線引きは業界横断で語られてきたテーマです。既存のセキュリティフレームワークをそのままAIの活動にも拡張するという設計思想は、業界全体としてガバナンス整備のハードルを下げる方向性への関心が高まっている流れとも合致します。
「人とAIで別々のガバナンスモデルを運用していては、組織は成功できない」というマヤンク・チョウダリー氏の言葉は、単一制御レイヤーの必要性を簡潔に表現しています。AIと人が同じワークフロー上で協働する時代に向けて、こうした統合管理の考え方は業種を問わず注目しておく価値があるのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「プルーフポイント、Claude Compliance APIと連携し、Claude向けデータセキュリティとガバナンスを拡張 | 日本プルーフポイント株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000073972.html, (参照 26-05-23).
