インクレイブ株式会社は、2026年5月21日(木)、AIがサーバの自動監視や攻撃検知、攻撃遮断を行う「ランサムウェア対策サービス」の提供を開始しました。
「ランサムウェア対策サービス」提供の背景にある被害の深刻化
ランサムウェアとは、企業や組織のシステムやデータを暗号化して使用不能にし、その復旧と引き換えに金銭を要求するサイバー攻撃です。NPO法人日本ネットワークセキュリティ協会のインシデント損害額調査レポート 別紙 2025年版によると、ランサムウェア攻撃の被害報告件数は2022年7月~2024年6月で174件、被害額は平均で6,019万円にのぼります。企業規模を問わず、中小企業から、国内の大手飲料グループ会社、大手通信販売会社まで被害を受けています。
従来のサイバーセキュリティ対策は「いかに脅威の侵入を防ぐか」という観点が中心でした。しかし攻撃の手口が巧妙化するなかで、「脅威の侵入は必ずしも防げない」という前提に立ち、「侵入後にいかに早く検知して被害の拡大を防ぐか」というアプローチも重視されるようになっています。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「SECURITY ACTION」や、2026年度中に運用開始を予定している経済産業省の「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」にも、こうした「侵入を前提とした対策」の考え方が含まれています。
「ランサムウェア対策サービス」の4つの特長
「ランサムウェア対策サービス」の主な特長は次の4点です。
- AIによる24時間365日の常時監視と未知の脅威の即時検知・自動隔離
- 不審プロセスの自動遮断による侵入後の被害拡大防止
- スナップショットによる暗号化ファイルの復元機能
- サーバ・セキュリティ専任チームによる導入から運用・保守までのサポート
AIが検知・分析することによって、刻一刻と進化する未知の攻撃にも早期対処が可能です。人手による監視では難しい常時監視体制をAIで実現し、不審な挙動を即座に検知・自動隔離します。これにより、業務停止の長期化や復旧コストの増大といった二次的なリスクを低減します。専門人材の確保が難しい企業でも、高度なサイバーセキュリティ対策を導入できる体制です。
今後は、レポート機能の提供も予定されており、検知した脅威やサーバの状況をより分かりやすく確認できるようになります。なお、内容や提供時期は変更となる場合があります。提供開始初年度の導入目標は30件に設定されています。
「ランサムウェア対策サービス」の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | インクレイブ株式会社 |
| サービス名 | ランサムウェア対策サービス |
| 提供開始日 | 2026年5月21日(木) |
| 初期費用 | 165,000円(税込) |
| 月額費用 | 16,500円(税込) |
| 導入対象 | 同社クラウドホスティング上の専有サーバおよびユーザーが契約中の専有VPSサーバ |
| 主な機能 | AIによる自動監視や攻撃検知、攻撃遮断 スナップショットによるファイル復元 専任チームによる運用サポート |
| 公認資格 | プライバシーマーク(登録番号:23820036号) |
| 所在地 | 宮城県仙台市青葉区大町2-10-14 TAKAYUパークサイドビル5F |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 取引銀行 | 七十七銀行・三井住友銀行・仙南信用金庫 |
trends編集部の一言
ランサムウェア攻撃の被害報告件数が2022年7月~2024年6月の2年間で174件、被害額が平均で6,019万円という数字は、改めて目を引きます。マーケティングの現場でも顧客データや施策データをクラウド上で管理する機会が増えており、サイバー攻撃は「自分ごと」として、意識せざるを得なくなってきました。
「侵入は防げない」という前提に立つアプローチは、マーケティング業界の文脈に置き換えると、「炎上リスクをゼロにする」より「炎上後の対応速度を高める」という発想の転換に近いと感じます。IPAや経済産業省の制度にもこの考え方が反映されているとなれば、業界全体として「侵入後対策」への関心は今後さらに高まるのではないでしょうか。
初期費用165,000円(税込)・月額16,500円(税込)という価格帯は、専門人材を確保しにくい中小企業にとって具体的な検討材料です。導入初年度の目標を30件に絞った点からは、提供体制の強化を優先する姿勢がうかがえます。
References
- ^ PR TIMES. 「「侵入は防げない」時代の新たなサイバーセキュリティ対策。侵入後の被害拡大をAIが防ぐ「ランサムウェア対策サービス」の提供を開始 | インクレイブ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000079237.html, (参照 26-05-23).
