レバレジーズ株式会社は、障がい者就労支援サービス「ワークリア」を通じて、会社員として勤務する障がい者443名を対象とした「業務におけるAI利用に関する実態調査」の結果を発表しました。
ワークリア調査で障がい者の約半数が業務でAIを活用し約9割が効果を実感
調査によると、会社員として勤務する障がい者の50.6%が業務でAIを「活用している」と回答しました。活用場面としては「文章・メール作成」と「報告書・資料作成」がともに58.0%で同率1位となり、定型業務やオフィスワークを中心にAIが取り入れられている実態が浮かび上がりました。
AI活用が業務に与えた影響については、「ポジティブな影響があった(33.5%)」と「ややポジティブな影響があった(53.6%)」を合わせると約9割に達しています。具体的には「作業時間が大幅に短縮された(52.3%)」が最多であり、「自分の業務の成果に自信が持てるようになった(11.8%)」や「以前よりも前向きに、新しい業務に挑戦したいと思うようになった(11.8%)」といった声も確認されました。
業務効率の向上にとどまらず、自己肯定感の向上や挑戦意欲の醸成にもつながっていることがわかります。心理的負担の変化についても、「自分のペースで納得いくまで確認ができるようになった(55.8%)」や「ミスを事前にAIでチェックできるため、提出時の不安が減った(50.4%)」が上位に挙げられました。「特に変化はない」と回答した割合は8.5%にとどまり、AIが精神的な安定にも寄与していることが明らかになりました。
約5割が業務代替への不安を抱えながらも8割以上がAI活用に意欲
AIの進化については、「非常に不安に感じる(9.8%)」と「やや不安に感じる(40.2%)」を合わせると約2人に1人が不安を感じています。その理由として、「必要なスキル水準が急速に高まると感じるから(51.8%)」と「自分の担当業務が将来なくなる可能性を感じるから(42.9%)」が上位に挙がりました。
担当業務がAIに代替されると回答した割合は、約97%にのぼります。「全く代替されないと思う」と回答したのは2.7%にとどまり、代替されると想定する業務としては「一般事務・OA事務(32.6%)」が最多となりました。
不安を抱える一方で、今後AIを使いこなしたいと「強く思う(38.4%)」と「やや思う(43.3%)」を合わせると8割以上が前向きな意欲を示しました。「AIを活用することでこれまでは困難だと感じていた職種や業務に挑戦したいか」という問いには、「非常にそう思う(26.3%)」と「どちらかというとそう思う(50.9%)」が合計で約77%を占めます。
挑戦したい業務としては「データ分析・資料作成(56.1%)」と「企画立案・アイデア創出(37.0%)」が挙げられ、AIへの不安と期待を同時に抱える当事者の意識が見てとれます。
ワークリア事業部責任者・津留有希子氏のコメントと調査概要
ワークリア事業部責任者の津留有希子氏は、今回の調査結果について、次のように述べています。「AI活用が障がい者の業務効率化にとどまらず、心理的負担の軽減や自己肯定感の向上にも大きく寄与していることが明らかになりました。実際に当社が実施した障がいのある社員向けAI活用研修では、単なる業務効率の向上にとどまらず、『新たな業務に挑戦したい』といった自律的なモチベーションの向上が確認されました」
津留有希子氏はさらに、AIの進化に伴うスキル水準の高度化や定型業務の代替可能性への不安は、障がい者に限らず多くの働く人々に共通する課題であると指摘しました。企業には当事者の意向を尊重しながら、AIを効率化ツールとしてのみ捉えるのではなく、誰もが能力を最大限に発揮できる環境を支える鍵として活用することが求められると述べています。
調査の概要は以下の通りです。
- 調査対象:会社員として勤務する障がい者
- 調査年月:2026年4月6日~10日
- 調査方法:インターネット調査(実査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社)
- 回答者数:443名
調査の実施主体はレバレジーズ株式会社です。
ワークリアとレバレジーズ株式会社の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | ワークリア |
| サービス種別 | 就労支援サービス |
| 提供業務数 | 150種類以上 |
| 組織拡大率(直近3年) | 約270% |
| 定着率 | 業界平均の約1.5倍 |
| 障がい者雇用率 | 2.73%(2026年3月時点) |
| 運営会社 | レバレジーズ株式会社 |
| 代表取締役 | 岩槻 知秀 |
| 所在地 | 東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア24階 /25階 |
| 設立 | 2005年4月 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 2024年度年商 | 1428億円突破 |
trends編集部の一言
障がい者の約2人に1人が業務でAIを活用し、約9割がポジティブな影響を実感しているという数値は、想像以上に高い普及度です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、AI活用の浸透度には個人差が大きいことが業界横断で指摘されてきたテーマです。
「ツールの存在を知っている社員」と「業務フローに組み込んで使いこなしている社員」との間には実態として大きな開きがあります。今回の調査が示す障がい者のAI活用実態は、その差がどのように生まれるかを示す一つの構造的な事例と読み取れます。
約5割が不安を抱えながらも8割以上が「AIを使いこなしたい」と回答した点は、業界を超えて注目に値します。マーケティング領域でも、AI導入時には効率化への期待と役割変化への不安が併存するケースが広く見られてきました。企業がAIを導入する際に当事者の不安に向き合いながら継続的な学習機会を提供する視点は、障がい者雇用に限らず、あらゆる職場環境の設計においても業界全体として共通して議論されている重要なテーマです。
References
- ^ PR TIMES. 「障がい者の半数以上がAI活用によって業務効率化を実感、一方で業務代替への不安も顕在化 | レバレジーズ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000932.000010591.html, (参照 26-05-21).
