SNSの公式アカウントが購買の候補入りをつくる、マーケ担当者は投稿の役割を見直す
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自社の公式SNSでフォロワーは増えているのに、売上につながった手応えがつかめないまま、投稿を続けていないでしょうか。投稿を見た当日の反応を成果の基準にすると、SNSが効いている購買の段階も、次に直すべき投稿の中身も見えません。
この記事では、食品やD2Cブランドの公式SNSが購買にどうつながるのかを、購入の決め手や買う場面との結びつき、販売チャネルへの育て方まで詳しく解説します。自社のSNS運用と販促を担うマーケ担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社Piece to Peace、株式会社TaTap ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.09.14
この記事がまとめた発表
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[1] 【事例紹介】キャリーミーのプロ人材がD2Cサプリメントの売上拡大に貢献! Instagramが新たな販売チャネルに画像:株式会社Piece to Peaceの発表資料より(PR TIMES)
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[2] 企業公式Instagram閲覧者の91.6%が購買意欲向上、57.7%が購入を経験!決め手は「美味しそうなレシピ」と「ビジュアル」画像:発表資料より(PR TIMES)
- [3] 69.6%が「今は要らない」と思った商品を、後日"その場面"が来たときに購入。SNSは需要を先に予約する媒体だった【TaTap SNS調査】
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[4] Instagramは「売れる場所」になっている?SNSのEC集客力を無料で可視化する「SNS力診断」をone moveが提供開始画像:move株式会社の発表資料より(PR TIMES)
公式SNSが食品の購買につながる割合
食品や飲料の公式SNSは、商品を知らせる場であるだけではなく、買うかどうかを決める場としても見られています。投稿のどこが購入の後押しになるのかを、次の3つの観点から整理します。
- 公式Instagram経由の購入は57.7%
- 購入の決め手は写真とレシピ
- フォロー解除につながる投稿の出し方
3つの観点は、投稿を作る前の企画と、投稿後の見直しの両方で使える切り口です。割合の高さを追うのではなく、購入の直前に効いている投稿を見分けると、制作の手間をかける先を絞り込めます。
公式Instagram経由の購入は57.7%
フーディストサービス(運営:アイランド株式会社)は、食品や飲料、キッチン家電、キッチンツールの公式SNSについて、料理インフルエンサーと自社メディアのフォロワー223名から回答を得ました。調査は2026年7月6日から7月21日にかけて行われ、利用率が92.9%と最も高いInstagramに絞って分析しています。[2]
公式Instagramをきっかけに商品を購入した人は57.7%で、閲覧による購買意欲の変化は以下の通りです。
- 購買意欲の向上91.6%
- 次回の候補入りが増加76.2%
- すぐ買うことが増加15.4%
回答の中心は、その場での購入ではなく、次回の買い物での候補入りでした。投稿の目標を当日の売上だけに置くと、候補入りという働きを取りこぼします。
購入の決め手は写真とレシピ
公式SNSに期待する内容として最も多かったのは、商品を使ったレシピで78.0%でした。公式Instagramを見て購入した人が決め手に挙げた情報も、魅力的な写真や動画と美味しそうなレシピに集まっています。[2]
購入の決め手として挙がった情報の内訳は、以下の通りです。
| 決め手 | 回答率 |
|---|---|
| 魅力的な写真・動画 | 71.5% |
| 美味しそうなレシピ | 70.7% |
| インフルエンサー等の紹介 | 12.2% |
| 他ユーザーのレビュー | 11.4% |
インフルエンサーの紹介や他ユーザーのレビューは、上位の2項目を大きく下回りました。外部の紹介を増やす施策より先に、自社投稿の写真とレシピ提案を点検する順番が考えられます。
フォロー解除につながる投稿の出し方
公式アカウントのフォローを外した理由では、投稿内容への興味の薄れが最も多く挙がりました。投稿の頻度や宣伝色の強さも、解除の理由として続いています。[2]
フォロー解除の理由として挙がった上位の項目は、以下の通りです。
- 投稿内容への興味喪失39.9%
- 投稿頻度が多すぎる28.8%
- 宣伝の投稿が多すぎる20.2%
投稿を増やすほど接点が増えるとはかぎらず、頻度と宣伝色の両方が解除につながっています。フーディストサービスは、役立つ内容を週に数回のペースで出す運用が関係づくりにつながると説明しています。
SNSが買う場面と商品を結びつける働き
SNSで見た商品が、その場ですぐ買われるとはかぎらないのが実際のところです。疲れたときやごほうびがほしいときのような買う場面が訪れたときに、何が思い出されるのかを次の3つの観点から見ていきます。
- 後日の購入につながる69.6%
- 場面との結びつきはCMの2.7倍
- 情報が見つからず離れる37.8%
投稿から購入までの間には、思い出す段階と確かめる段階が挟まっています。どちらの段階で取りこぼしているのかが分かると、投稿の作り方と情報の置き場所を分けて考えられるはずです。
後日の購入につながる69.6%
株式会社TaTapは、全国の20〜49歳の男女435名を対象に、買う場面とSNSの関係を尋ねる調査を2026年8月20日に実施しました。SNSで商品情報を見かける336名では、今すぐ必要ないと思った商品を後日その場面が訪れたときに買った経験がある人が69.6%です。[3]
後日の購入を経験した人の回答の内訳は、以下の通りです。
- 何度もある12.5%
- 数回ある36.3%
- 1回はある20.8%
投稿を見た時点で買う気がないことは、施策の失敗とはかぎりません。株式会社TaTapは、SNSで商品の新しい使いどころを知った経験がある人も58.6%いたと説明しています。
場面との結びつきはCMの2.7倍
商品を「この場面ならこれ」と覚えたきっかけを買う場面がある293名に複数回答で尋ねると、単独の項目では店頭とテレビCMが上位でした。ただし、一般ユーザーの口コミやインフルエンサーの投稿、企業アカウントの発信を合わせた延べ選択数では、SNSが最も多く選ばれています。[3]
場面と商品を結びつけたきっかけの内訳は、以下の通りです。
| きっかけ | 延べ選択数 | 単独の回答率 |
|---|---|---|
| SNS3種の合計 | 211件 | 各22.5〜24.9% |
| 店頭 | 79件 | 27.0% |
| テレビCM | 77件 | 26.3% |
首位の店頭やテレビCMとSNS各項目との差は標本誤差の範囲内だと、株式会社TaTapは説明しています。20代に限るとSNSの3項目がいずれもテレビCMを上回り、記憶の作られ方は年代で入れ替わります。
情報が見つからず離れる37.8%
買う場面が訪れたとき、思い浮かんだ商品をそのまま買った人は26.6%にとどまり、半数は思い浮かべたうえで調べていました。SNSで商品情報を見かける336名では、買おうと思っている商品の情報や口コミがSNSで見つからないときに、37.8%が購入を先送りするか別の商品に変えると答えています。[3]
買う場面が訪れたときの行動は、以下の通りです。
- そのまま購入26.6%
- 調べてから判断50.2%
- うち別商品を購入14.0%
先に思い出されていても、確かめる段階で情報が薄ければ別の商品に移られます。投稿の本数ではなく、検索したときに読める口コミや使用例を残しておく運用が欠かせません。
SNSを販売チャネルに育てたD2Cの事例
調査の数字を自社の売上に変えるには、SNSを動かす担当者が要ります。自社商品を消費者へ直接販売するD2Cブランドが取った体制と結果を、次の2つの観点から見ていきます。
- フォロワー1万人目前までの運用
- SNS担当の人材不足を補うプロ人材
フォロワーの伸びだけではなく、伸ばすための人の置き方まで見ると、自社に足りない部分が見えやすくなるはずです。外部の力を借りる選択肢も含めて、運用の担い手を決める判断材料として読めます。
フォロワー1万人目前までの運用
キャリーミーを運営する株式会社Piece to Peaceは、株式会社TANGLEのD2CサプリメントのSNSマーケティングをプロ人材で支援したと、8月25日掲載の発表で説明しています。当初は約7,000人だったInstagramのフォロワーは、1万人目前まで増えました。[1]
支援の前後で変わった点は、以下の通りです。
| 項目 | 当初 | 現在 |
|---|---|---|
| フォロワー数 | 約7,000人 | 1万人目前 |
| 集客と販売の経路 | 広告・LP経由 | Instagramが加わる |
従来の広告経由に加えて、Instagramが集客と販売のチャネルとして機能し始めています。ただし、公表された数字はそれぞれの運用による結果です。
SNS担当の人材不足を補うプロ人材
株式会社TANGLEが抱えていた課題は、D2C事業のSNSを担当するマーケティング人材の不足でした。株式会社Piece to Peaceは、業務委託で働くプロ人材をアサインし、Instagramの企画から運用までを一貫して支援しました。[1]
支援の組み立て方は、以下の通りです。
- SNS担当の人材不足が起点
- 業務委託のプロ人材をアサイン
- 企画から運用までを一貫支援
自社で採用して育てるか、外部の人材に任せるかは、立ち上げの速さと社内に残る知見のどちらを優先するかで変わります。プロデューサーの草野秀勝氏は、依頼したタスクをこなすだけではなく提案もあったと述べました。
InstagramのEC集客力を測るSNS力診断
one move株式会社は、企業のInstagramがEC(ネット通販)への集客につながっているかを無料で確かめられる「SNS力診断」の提供開始を、9月14日掲載の発表で伝えています。同社は、フォロワーは増えているのに売上につながらないという課題が少なくないと説明しています。[4]
診断の内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | one move株式会社 |
| 対象 | 企業のInstagram |
| 設問数 | 全20問 |
| 所要時間 | 約3分 |
| 費用 | 無料 |
| 分かること | EC送客の強みと改善点 |
診断は、自社のInstagram運用を見直す入口として案内されています。回答で分かるのは強みと改善の余地であり、売上の増加が約束されるものではありません。
SNS施策を購買につなげる確認点
自社の運用を見直すときは、投稿の本数よりも、購買のどの段階に効いているかを分けて確かめます。公式Instagramが次回の候補入りをつくり、買う場面が訪れたときの想起と確認を支える流れが、調査から読み取れます。[2][3]
自社のSNS運用を見直すときの確認点は、以下の通りです。
| 確認点 | 見るポイント |
|---|---|
| 投稿の役割 | 次回の候補入りをつくる |
| 投稿の中身 | 写真とレシピの見せ方 |
| 投稿の頻度 | 宣伝の比率と出す回数 |
| 想起後の受け皿 | 口コミと使用例の量 |
| 運用の担い手 | 社内育成か外部委託か |
| 現在地の把握 | 無料診断などで点検 |
体制づくりの参考になるのはD2Cの事例で、現在地の点検には無料の診断が使えます。自社の投稿がどの段階を担っているかを決めてから、改善の順番を組み立ててください。[1][4]
出典
- ^ PR TIMES. 「【事例紹介】キャリーミーのプロ人材がD2Cサプリメントの売上拡大に貢献! Instagramが新たな販売チャネルに」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000027296.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「企業公式Instagram閲覧者の91.6%が購買意欲向上、57.7%が購入を経験!決め手は「美味しそうなレシピ」と「ビジュアル」」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000237.000001653.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「69.6%が「今は要らない」と思った商品を、後日"その場面"が来たときに購入。SNSは需要を先に予約する媒体だった【TaTap SNS調査】」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000181567.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「Instagramは「売れる場所」になっている?SNSのEC集客力を無料で可視化する「SNS力診断」をone moveが提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000108718.html, (参照 26-09-24).









