Excelのデータをプログラミング言語「Python」で操作できる「Python in Excel」機能が2023年8月にプレリリースされました。
この新機能によってユーザーはExcel作できるようになります。
従来、Excelユーザーはデータ分析や処理のために外部のツールやを使用する必要がありましたが、「Python in Excel」の登場によりそれらの作業が大幅に簡素化されます。
今回は、画期的な機能である「Python in Excel」の特徴やできること、実際に使って感じたことについて解説します。
Python in Excelとは
Python in Excelとは名前のとおり、Excel内でPythonの処理を実行できる機能を指します。2023年8月22日に、一般公開より先にアクセスできるパブリックプレビューをリリースしました。
Python in Excelを使うと、Pythonので実現できるデータの可視化や、モデルの利用をExcel内で実装できるのが特徴。Excelでまとめた調査データをその場で可視化したり分析したりできます。
Python in Excelには、Pythonのライブラリ・パッケージがまとめられているプラットフォームである「Anaconda(アナコンダ)」が使われています。そのため、よく利用されているライブラリであればインストールせずすぐに利用できるのが魅力です。
Python in Excelでできること
Python in Excelでできることは下記のとおりです。
- グラフの作成
- データクリーニング
- 機械学習
上記の作業は全てPythonのライブラリを使って実行できます。
たとえば、Pythonライブラリの一種である「matplotlib(マットプロットリブ)」を使ってグラスを作成したり、「scikit-learn(サイキットラーン)」を使って機械学習モデルをトレーニングしたりできます。
グラフの作成やデータクリーニングは従来のExcelでも可能ですが、機械学習モデルの使用はPython in Excelならではの機能です。
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Python in Excelを使うための条件
Python in Excelは現在パブリックプレビュー版なので、利用するには下記の条件を満たす必要があります。
- バージョン2309(Build 16818.20000)以降
- Microsoft 365 insiderに参加
バージョンの確認方法と、Microsoft 365 insiderに参加する方法を解説します。
Excelのバージョンを確認する方法
Excelのバージョンは下記の手順で確認できます。
- Excelファイルを開く
- メニューバーの「ファイル」をクリック
- 「その他」にカーソルを当てて、表示メニュー内の「アカウント」をクリック
Excelより
上記の手順で進めると、アカウント情報の詳細が表示されます。
Excelより
アカウント情報の詳細に、ExcelのバージョンとMicrosoft 365 Insiderの利用状況が記載されています。
Excelより
バージョンの内容が「2309(Build 16818.20000)」より古い場合、「Microsoft 365とOfficeの更新プログラム」の左側にある「更新オプション」から「今すぐ更新」をクリックすることで最新バージョンへ更新できます。
Microsoft 365 insiderに参加する方法
Excelより
アカウント詳細画面にある「Microsoft 365 Insider」を選択し、「Channelを変更します」をクリックしてください。
Excelより
「チャネルを選択してください」という部分のドロップダウンボックスをクリックし、「ベータチャネル」を選択しましょう。「最新チャネル(プレビュー版)」を選択すると、Python in Excelを利用できません。
上記画像のようにほかのチェックボックスもクリックし、画面下にある「OK」をクリックしてください。
Excelより
「Microsoft 365 Insider」の部分に「ベータチャネルにサインアップしています。」と記載されていれば完了です。
Python in Excelを利用できる環境が整った状態でExcelを起動すると、下記の画面が現れます。
Excelより
Python in Excelの使い方
Python in ExcelでPythonを挿入するには、セルの中に「=py(」と入力する方法と、 「数式」から「Pythonの挿入」をクリックする方法の2通りあります。
セルの中に「=py(」と入力する方法
セルの左に「PY」という緑のボックスが表示されます。この表示がPythonコードを利用できるというサインです。
「数式」から「Pythonの挿入」をクリックする方法
実際にExcelでPythonを使っていきましょう。Excelのと同じく、セルを選択すると値を取得できます。また、「xl()」という関数を使ってセルの場所を指定することも可能です。
Excelより
Excelより
セル内でEnterキーを押すと改行されるので、その下にを書くことができます。
Excelより
「apple」と「banana」という変数に価格の値を代入したので、これらを合計した値を出してみます。
Excelより
従来のプログラム通り一番下のコードが実行されるので、「apple + banana」と記載して「Ctrl +Enter」で実行しましょう。
Excelより
上記のように計算した結果が出力されます。このように、Excelのセル内でPythonのプログラムを実行できます。
Pythonの関数も利用できる
Excelのセル内にPythonの関数を入れてオブジェクトとして保存し、任意の場所で呼び出すことが可能です。実際の操作画面を用いて使い方を解説します。
Excelより
まず、上記のようにセル内へPythonの関数を入力します。今回は、引数の値を足した合計を出力する関数を作成します。
コードの最後に関数名を記載して「Ctrl + Enter」で実行しましょう。
Excelより
関数がオブジェクトとして保存されている場合「function」と記載されます。次に、保存した関数を別のセルで呼び出してみましょう。
Excelより
別のセルを選択して、先ほど定義した関数名(add)と入力します。引数の値は、取得したいセルをクリックすることで値を取得できます。
Excelより
引数を指定して実行することで関数を実行できます。
Excelでデータを管理している人におすすめ
Python in Excel最大の魅力は、Pythonの豊富なライブラリをExcel上で活用できることです。Pythonには、データを可視化したり分析したりするライブラリが搭載されており、Excelだとできないデータの可視化や分析方法を実施できます。
一般的な事務作業で使う機会は少ないかもしれませんが、Excelでまとめたデータを分析したり、機械学習モデルを活用して予測をたてたりしたい方におすすめです。
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