本ニュースの3行要約
- 理化学研究所にクオンティニュアムの量子コンピュータ「黎明」が設置され、運用開始。
- 「富岳」と連携してスーパーコンピュータを超える量子HPCハイブリッド環境を構築。
- 日本企業や研究者と協力し、量子サプライチェーンや教育活動を推進。
世界最高水準の施設で稼働開始。スーパーコンピュータ「富岳」との連携も視野に
2025年2月12日に米国のQuantinuum(クオンティニュアム)と理化学研究所は、イオントラップ方式の量子コンピュータ「黎明(れいめい)」の設置完了と運用開始を発表した。[1]
このシステムは埼玉県和光キャンパス内の世界トップレベルの量子研究施設に導入され、日本国内の研究者に対して最先端の量子計算技術へ直接アクセスできる環境を提供する。
「黎明」は従来型のスーパーコンピュータと融合した量子ハイブリッドコンピューティングを実現し、今後の科学技術の発展や産業応用の加速が期待されている。
「黎明」と「富岳」の連携がもたらす計算技術の進化
理化学研究所とQuantinuumは、2025年までに量子コンピュータとスーパーコンピュータを統合したハイブリッドプラットフォームの実用化を目指す。この新しい計算環境によって従来の技術では処理が困難だった問題の解決が可能になり、産業や研究分野での活用が一層進むことが期待されている。
量子技術の産業応用を加速させるため、製造業や金融、製薬分野などでの実証研究が強化される。これにより最適化問題の解決や新たな材料の開発、リスク分析の高度化などさまざまな領域での革新が見込まれている。
また、量子コンピュータの普及に向けた教育・啓発活動も進行中だ。ワークショップや技術トレーニングを通じて研究者や技術者の育成を図るとともに、日本国内の量子技術エコシステムを強化して将来的な競争力の向上を目指している。
量子コンピュータ「黎明」の導入は、日本の科学技術の発展にとって大きな転換点となるだろう。スーパーコンピュータ「富岳」との連携により、これまでの計算手法では実現が難しかった高度なシミュレーションや解析が可能になる。けっかとして科学や工学のさまざまな分野でのブレークスルーを促すことが期待されている。
References
- ^ Quantinuum. 「量子コンピュータ『黎明』が理化学研究所で本格稼働、量子ハイブリッド高性能コンピューティング新時代を切り拓く」. https://quantinuum.co.jp/20250212-2/, (参照 2025-02-12).