Pythonを使った開発では、プロジェクトによって要求されるバージョンが異なるため、複数のバージョンを共存させて切り替えられる環境が欠かせません。「バージョンを変えたはずなのにpython -Vの結果が変わらない」というトラブルに悩む方も多く、原因や対処法を正確に把握しておく必要があります。
Windowsでのバージョン管理には、python.orgのインストーラーに同梱されるPythonランチャー(py.exe)だけではなく、Rust製の高速ツール「uv」や、次世代の公式管理ツールとして導入された「Python Install Manager」など、複数の選択肢があります。それぞれ特性が異なるため、Windows・Mac・Linux別の手順と、バージョンが切り替わらないときのトラブル対処法を本記事で網羅的に説明します。
目次
- WindowsでPythonのバージョンを切り替える方法
- Pythonランチャー(py.exe)で切り替える
- uvで切り替える
- Python Install Managerで切り替える
- Mac・LinuxでPythonのバージョンを切り替える方法
- pyenvで切り替える
- uvで切り替える
- update-alternativesで切り替える(Ubuntu)
- Pythonのバージョンが切り替わらないときの対処法
- 環境変数PATHの優先順位を確認する
- which・whereコマンドで実行パスを特定する
- 他ソフトに同梱されたPythonの干渉を解消する
- Pythonのバージョン切り替えに関するよくある質問
- pyenvとvenvの違いは何ですか?
- 切り替え後にpipで入れたライブラリが見つからない場合は?
- システム標準のPythonを直接変更しても問題ありませんか?
WindowsでPythonのバージョンを切り替える方法
WindowsでPythonのバージョンを切り替える方法として、以下の3つがあります。それぞれ役割が異なり、「既存のインストール済みPythonを指定して実行するならpy.exe」「プロジェクト単位でPythonを管理するならuv」「Windows向けの公式ツールでバージョン管理を行うならPython Install Manager」という使い分けが基本です。
- Pythonランチャー(py.exe)で切り替える
- uvで切り替える
- Python Install Managerで切り替える
それぞれ対象ユーザーや導入の手軽さが異なります。プロジェクト単位でPythonのバージョンを管理したい場合は、uvの利用を検討しましょう。
それでは各方法について、詳しく解説していきます。
Pythonランチャー(py.exe)で切り替える
Pythonランチャー(py.exe)とは、python.orgの従来のインストーラーを使ってPythonをインストールした際に同梱されるコマンドラインツールで、複数バージョンのPythonを個別にインストールした状態で実行バージョンを指定する仕組みです(PIM環境など一部では同梱されない場合があります)。pythonコマンドの代わりにpyコマンドを使い、バージョン番号をオプションで渡すことによって切り替えを実現します。
以下のコマンドで、インストール済みのPythonバージョン一覧を確認できます。
# インストール済みバージョンの確認
py --list
# Python 3.11を指定して実行
py -3.11 --version
# Python 3.10を指定してスクリプトを実行
py -3.10 script.py
上記のようにpy -3.11やpy -3.10と記述することによって、コマンド単位でバージョンを切り替えられます。ただし、プロジェクト全体で自動的にバージョンを固定する機能は単体では持たないため、毎回オプションを指定する手間が発生します。
py.exeを使う際の注意点は、以下の通りです。
- 対象バージョンを事前にpython.orgから個別インストールする必要がある
- スクリプト冒頭に
#!python3.11のようなシバン(shebang)を記述するとpy.exeが自動的にバージョンを選択する(スペースなしの#!python3.11形式がWindows Launcherの推奨形式)
py.exeは追加ツール不要でpython.orgのインストーラーさえ使えばすぐに利用でき、バージョン切り替えの最小構成として有用です。プロジェクト規模が小さく、頻繁な切り替えを必要としない場合に適しています。
uvで切り替える
uvは、Astral社が開発したRust製のPythonパッケージ・バージョン管理ツールです。2024年2月に初版リリースされ、Astral社の公式ベンチマークでは従来のpyenvやpipに比べて10〜100倍以上高速に動作するとされています。
2026年現在、Windowsを含む全OSで採用事例が増えているツールです(Python公式(PSF)が推奨しているものではなく、コミュニティおよびAstral社が訴求しているツールです)。
uvは「プロジェクトで使うPythonを選んで仮想環境や実行環境を作るツール」として位置づけると理解しやすいです。uvのインストールにはPowerShellを利用しますが、企業環境によっては実行ポリシーの変更が必要な場合があるほか、インストール後はシェルの再起動が必要です。
# uvのインストール(PowerShell)
powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://astral.sh/uv/install.ps1 | iex"
# インストール確認(シェル再起動後)
uv --version
インストール後は、uv python installコマンドで任意のPythonバージョンをuv管理下に追加できます。
# Python 3.11と3.12をインストール
uv python install 3.11
uv python install 3.12
# インストール済みバージョンの確認
uv python list
# プロジェクトで使用するバージョンを固定(.python-versionファイルを生成)
uv python pin 3.11
# 指定バージョンでvenv(仮想環境)を作成
uv venv --python 3.11
# venvを有効化して実行(PowerShell)
# ※実行ポリシーによってはSet-ExecutionPolicyの変更が必要な場合があります
.venv\Scripts\Activate.ps1
# バージョン確認(仮想環境有効化後、またはuv管理の実行ファイルがPATH上で優先される場合)
python --version
uv python pinを実行すると.python-versionファイルが生成され、以降のuv runやuv venv実行時に自動参照されます。なお、python --versionでのバージョン変化は仮想環境有効化後、またはuv管理の実行ファイルがPATH上で優先される場合に限られます。
uvをプロジェクトに導入する場合のメリットは、以下の通りです。
- pyenvやPythonランチャーを別途インストールしなくてもPythonを自動ダウンロードして利用できる
- プロジェクトルートの
.python-versionファイルを自動認識してバージョンを固定できる(uv runやuv venv実行時に参照される) - 依存パッケージの解決速度が従来ツールと比較して大幅に速い
既存の環境を汚さずにバージョンを管理したい場合やチーム開発でPythonのバージョンを統一したい場合に、uvは特に有効な選択肢です。
Python Install Managerで切り替える
Python Install Manager(pymanager)は、Windowsの新しい公式Pythonバージョン管理ツールです。Microsoft StoreやMSIXパッケージとして提供されており、現時点では試験的な側面もあるため、本番環境での利用は公式ドキュメントで最新の仕様を確認してから行うことをおすすめします。
従来のPythonランチャー(py.exe)はPython 3.13以降でも引き続き動作しますが、同じpyコマンド名で共存する場合は優先順位の衝突が起きる場合があります。
Python Install Managerのインストール後はpymanagerコマンドで操作します。なお、py -3.x形式のバージョン指定実行は引き続き利用できます。
# インストール済みバージョンの一覧表示
pymanager list
# 特定バージョンをインストール
pymanager install 3.12
# バージョンを指定して実行
pymanager exec -3.12 --version
# 引き続き利用可能なpy形式でのバージョン指定実行
py -3.12 --version
デフォルトバージョンの制御には、環境変数PYTHON_MANAGER_DEFAULTまたはpymanagerの設定ファイルのdefault_tagを利用します。なお、pythonコマンドとpyコマンドが異なるランタイムを起動する場合があるため、pymanager listで管理されているバージョンと優先順位を確認してください。
Python Install Managerと従来のpy.exeの主な違いは、以下の通りです。
| 項目 | py.exe(既存ランチャー) | Python Install Manager(次世代) |
|---|---|---|
| 対応バージョン | Python 2系・3系を問わず動作 | pymanagerコマンドで管理(試験的側面あり) |
| バージョン追加 | 手動でインストーラーを実行 |
pymanager installコマンドで自動取得 |
| デフォルト設定 | インストール順に依存 | PYTHON_MANAGER_DEFAULT環境変数またはdefault_tag設定で制御 |
複数バージョンをより柔軟に管理したい場合には、Python Install Managerは有用な選択肢ですが、legacy launcherとの衝突には注意が必要です。導入前にlegacy launcher(py.exe)との優先順位を確認し、pymanager listでmanaged/unmanagedインストールの状況を把握しておくことをおすすめします。
Mac・LinuxでPythonのバージョンを切り替える方法
Mac・Linuxでは、複数のPythonバージョンを共存させながら切り替える方法として、以下の3つが利用されています。開発用途には「推奨: pyenv / uv」を使い、「非推奨・管理者向け: update-alternatives」は通常の開発では使用しないことを先に確認してください。
- pyenvで切り替える(推奨)
- uvで切り替える(推奨)
- update-alternativesで切り替える(Ubuntu・非推奨・管理者向け)
それぞれ利用シーンや特性が異なるため、環境に合った手法を選ぶことによって、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
それでは各手法について、詳しく解説していきます。
pyenvで切り替える
pyenvは、シェル(コマンドを入力するプログラム)に統合してPythonバージョンを管理するツールです。ディレクトリ単位でバージョンを固定する機能があり、プロジェクトごとに異なるバージョンを使い分けるシーンで広く採用されています。
以下の手順でpyenvをインストールし、Pythonバージョンを切り替えます。Linuxの場合は、公式インストーラースクリプト実行前にpyenv公式Wiki「Suggested build environment」に記載されているビルド依存ライブラリ(libssl-dev、libbz2-dev、libreadline-dev等、build-essential含む)を事前にインストールしてください。
依存ライブラリが不足すると、pyenvでPythonをビルドする際にエラーが発生します。インストール前に必ず確認しておきましょう。
# macOS向けパッケージマネージャーのHomebrewでpyenvをインストール(Mac)
# ※HomebrewはLinuxでも利用可能(Linuxbrew)
brew install pyenv
# Linux(Debian/Ubuntu系)の場合はpyenv公式インストーラースクリプト経由でインストール
# ※実行前に公式ページ(https://github.com/pyenv/pyenv)でスクリプトの内容を確認してください
curl https://pyenv.run | bash
# インストール後、シェル設定ファイル(~/.zshrc または ~/.bashrc)に以下を追記
export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"
# 設定を反映
source ~/.zshrc # zshの場合
# または
source ~/.bashrc # bashの場合
# 目的のPythonバージョンをインストール(例として3.11.9を指定)
pyenv install 3.11.9
# 現在のディレクトリにバージョンを固定(.python-versionファイルが生成される)
pyenv local 3.11.9
# ユーザー環境のデフォルトバージョンを変更する場合
# ※pyenv globalはシステム全体ではなく、ユーザーのpyenv環境におけるデフォルトを設定します
pyenv global 3.11.9
# 切り替え結果を確認
python --version
上記コマンドのうち、pyenv localはカレントディレクトリ以下に適用され、pyenv globalはユーザーのpyenv環境内でのデフォルトに適用されます(OSシステム全体のPythonを変更するものではありません)。
pyenvを利用した後にバージョンが変わらない場合は、シェル設定ファイルへの追記が反映されていない可能性があります。source ~/.zshrcコマンドを実行するか、ターミナルを再起動してから再度確認してください。
| コマンド | 適用範囲 | 設定ファイル |
|---|---|---|
| pyenv local | カレントディレクトリ以下 | .python-version |
| pyenv global | ユーザーのpyenv環境のデフォルト | ~/.pyenv/version |
| pyenv shell | 現在のシェルセッションのみ | 環境変数(一時的) |
チーム開発ではpyenv localを使い、リポジトリに.python-versionファイルをコミットしておくと、メンバー全員が同じバージョンを自動で使用できます(前提として、チームメンバー全員がpyenvを導入していることが必要です)。
uvで切り替える
uvは、Windowsセクションで紹介したAstral社製のRust製Python管理ツールです。Mac・Linuxでも同様に利用できます。
インストール手順はMac・Linux向けのcurlコマンドを使います。
以下の手順でuvをインストールし、Pythonバージョンを切り替えます。uvのインストーラーは自動でPATH設定を行うため、インストール後にシェルを再起動するか下記コマンドで反映させれば利用可能です。
# uvをインストール(Mac・Linux共通)
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh
# インストール後、シェルを再起動するか以下を実行してPATHを反映
source ~/.bashrc # bashの場合
source ~/.zshrc # zshの場合
# 目的のPythonバージョンをインストール(例として3.11.9を指定)
uv python install 3.11.9
# インストール済みのバージョン一覧を確認
uv python list
# 現在のプロジェクト(カレントディレクトリ)で使用するバージョンを固定
# → .python-versionファイルを生成し、uv run/uv venv実行時に自動参照される
uv python pin 3.11.9
# uvが管理する仮想環境を作成しながらバージョンを指定する場合
# ※uv python pinはプロジェクト全体のデフォルト固定、uv venv --pythonは仮想環境作成時の指定
uv venv --python 3.11.9
# 仮想環境を有効化
source .venv/bin/activate
# バージョン確認
python --version
uv python pinコマンドを実行すると、カレントディレクトリに.python-versionファイルが生成され、以降のuv操作でそのバージョンが自動的に参照されます。一方、uv venv --pythonは仮想環境を作成する際にバージョンを明示的に指定する方法です。
uvはpyenvのように別途シェル設定を記述しなくてもPythonバージョンを管理できるため、環境構築の手順を簡素化できます。特に新規プロジェクトを立ち上げる際に利便性を発揮します。
| 操作 | コマンド |
|---|---|
| バージョン取得 | uv python install 3.x.x |
| 一覧確認 | uv python list |
| バージョン固定 | uv python pin 3.x.x |
| 仮想環境作成 | uv venv --python 3.x.x |
これらのコマンドを使い分けることによって、pyenvを別途導入しなくてもプロジェクトごとのバージョン管理を実現できます。
update-alternativesで切り替える(Ubuntu)
update-alternativesは、Ubuntu・Debian系Linuxに標準搭載されたシステム代替管理コマンドです。複数バージョンのPythonをシステムに登録し、コマンド名python3がどのバージョンを指すかを切り替える仕組みです。
【非推奨・管理者向け】注意事項:Ubuntuにおいてシステム標準のpython3の向き先をupdate-alternativesで変更すると、aptなどのOS基幹ツールが依存エラーを起こしシステムが破損するリスクが極めて高い、危険な操作です。開発用途には原則としてpyenvやuvを利用してください。
この方法は「開発用途では実行しない」ことを前提とし、復旧方法を理解しているシステム管理者が影響範囲を十分に把握した上で実施するシーンに限定してください。以下はあくまで仕組みの参考として掲載しています。
# 複数バージョンのPythonをインストール(例: 3.10と3.12)
# ※Ubuntuのバージョンによってはapt単体では取得できない場合がある(deadsnakesリポジトリ等が必要)
sudo apt update
sudo apt install python3.10 python3.12
# update-alternativesにバージョンを登録(末尾の数値は優先度)
sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.10 1
sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.12 2
# 対話形式で使用バージョンを選択(番号を入力して選ぶ)
sudo update-alternatives --config python3
# 切り替え結果を確認
python3 --version
update-alternatives --config python3を実行すると、登録済みのバージョン一覧と現在の選択状況が表示され、番号を入力するだけで切り替えられます。
この方法はシステム全体のデフォルトを変更するため、影響範囲がサーバー全体に及びます。一般的な開発用途では、pyenvやuvを使ったユーザーレベルの切り替えを優先してください。
代替としてpyenvやuvを使うことを強く推奨します。
| ツール | 適した用途 | 権限 |
|---|---|---|
| pyenv | ユーザーレベルの開発環境(推奨) | 一般ユーザー |
| uv | 新規プロジェクト・高速管理(推奨) | 一般ユーザー |
| update-alternatives | システム全体の切り替え(非推奨・管理者専用・危険あり) | sudo(管理者) |
目的に応じてツールを使い分けることによって、既存環境を壊さずに安全なバージョン管理が実現します。
Pythonのバージョンが切り替わらないときの対処法
Pythonのバージョンを切り替えたはずなのに、python --versionの結果が変わらないケースでは、PATHの優先順位だけではなく、ランチャー(py.exe)・仮想環境の有効化状態・App execution aliases・pyenv shimなども原因です。以下の3つの手順で順番に確認することによって、原因を特定して解消できます。
- 環境変数PATHの優先順位を確認する
- which・whereコマンドで実行パスを特定する
- 他ソフトに同梱されたPythonの干渉を解消する
それぞれの手順は独立して実施できますが、上から順に確認するとトラブルの原因を最短で絞り込めます。
それでは各手順について、詳しく解説していきます。
環境変数PATHの優先順位を確認する
環境変数PATHとは、OSがコマンドを実行する際に実行ファイルを探すディレクトリのリストのことです。コロン(Mac・Linux)またはセミコロン(Windows)区切りで複数のパスが登録されており、OSはリストの先頭から順番に検索して最初に見つかった実行ファイルを使用します。
つまり、新しいバージョンのPythonをインストールしても、古いバージョンが登録されたパスがリストの先頭に残っていると、古い方が優先されてしまう場合があります。現在のPATHの内容は、以下のコマンドで確認できます。
# Mac・Linux: PATHをコロン区切りで1行ずつ表示する
echo $PATH | tr ':' '\n'
# Windows(PowerShell): PATHをセミコロン区切りで1行ずつ表示する(推奨)
$env:PATH -split ';'
# Windows(コマンドプロンプト): PATHを改行して表示する場合
echo %PATH:;=&echo.%
出力結果のうち、pythonまたはpython3という名前の実行ファイルが含まれているディレクトリを上から確認してください。もし古いバージョンが入ったパスが先頭付近にある場合は、新しいバージョンのパスをより前の位置に移動させる必要があります。
WindowsではPATHのほかに、py launcherやApp execution aliases、PIMのdefault_tag設定も実行バージョンに影響するため、あわせて確認してください。
| OS | PATHの設定ファイル | 修正方法の概要 |
|---|---|---|
| Mac(zsh) | ~/.zshrc, ~/.zprofile(ログインシェル), ~/.bash_profile(bash使用時) | 既存のexport PATH行より後ろにexport PATH="/新しいパス:$PATH"を追記するか、既存行を置き換える |
| Linux(Ubuntu等) | ~/.bashrc(非ログインシェル), ~/.profile(ログインシェルのみ) | Ubuntuのターミナルは非ログインシェルで起動することが多いため~/.bashrcに設定する |
| Windows | ユーザー環境変数(コントロールパネル) | 「環境変数」ダイアログで新しいPythonパスを選択し「上へ」ボタンで順位を上げる(ユーザー環境変数はシステム環境変数より後に評価されるため、ユーザー変数に設定するほうが安全) |
設定ファイルを編集した後は、source ~/.zshrc(Mac・Linux)またはターミナルを再起動(Windows)してPATHを反映させます。macOSのTerminal.appはデフォルトでログインシェルを起動するため~/.zprofileが読み込まれますが、UbuntuのターミナルはインタラクティブシェルとしてのみRCファイルを読む挙動が多いため、OS別に設定ファイルを使い分けてください。
which・whereコマンドで実行パスを特定する
PATHを確認した後は、実際にOSがどのPythonを参照しているかをコマンドで直接特定します。Mac・LinuxではwhichコマンドでPythonの実行ファイルのフルパスを確認できます。
WindowsではwhereコマンドまたはPowerShellのGet-Commandが使えます。
# Mac・Linux: 実際に呼び出されるpythonのフルパスを確認する
which python3
# 出力例: /usr/local/bin/python3
# さらに全てのpython3のパスを確認したい場合(bash/zshで利用可能)
which -a python3
# 出力例:
# /usr/local/bin/python3
# /usr/bin/python3
# macOSのzshではwhich -aの動作がzsh組み込みと/usr/bin/whichで異なる場合がある
# より確実に確認したい場合はtype -aを使う
type -a python3
# Windows(コマンドプロンプト): 全てのpythonのパスを確認する
where python
# 出力例:
# C:\Users\username\AppData\Local\Programs\Python\Python312\python.exe
# C:\Windows\System32\python.exe
# Windows(PowerShell): pythonの解決先を確認する(推奨)
Get-Command python
which -a(Mac・Linux)やwhere(Windows)は、PATHに登録された全てのpython実行ファイルを優先順位の高い順に列挙します。一番上に表示されたパスが、現在実際に実行されているPythonです。
ただし、py launcher経由で呼び出している場合など、シェルの解決経路が異なる場合は例外もあります。
このパスが意図したバージョンのインストール先と一致しているか確認してください。一致していない場合は、前節(「環境変数PATHの優先順位を確認する」で解説した手順)のPATHの順序を修正することによって対処できます。
他ソフトに同梱されたPythonの干渉を解消する
Pythonの切り替えがうまく機能しない原因として、他のソフトウェアに同梱されたPythonがPATHに混入しているケースがあります。代表的な例として、ArcGIS、Blender、Microsoft Store版のPython、Anaconda(conda)、Xcode Command Line Toolsなどが独自のPythonバイナリをインストールします。
特にWindows環境では、Microsoft StoreからインストールしたアプリがApp execution aliasesを通じて優先的に解決されることがあり、意図せず古いバージョンや別系統のPythonが優先されるケースが頻発します。
Windows環境では「App execution aliases」「PIM default設定」「legacy launcher」の3点を順に確認してください。以下のコマンドで干渉しているパスを探し出せます。
# Mac・Linux: pythonという名前を含む全ての実行ファイルを検索する
# ※確認したいバージョン番号を指定する(以下は例)
which -a python python3 python3.12 2>/dev/null
# さらに詳しくシンボリックリンクの実体も確認する(シンボリックリンクとは別のファイルへの参照を意味するショートカットのこと)
# ※which python3が空の場合はエラーになるため、あらかじめwhich python3で確認してから実行してください
ls -la "$(which python3)"
# Windows(PowerShell): PATHに含まれる全てのpython.exeを列挙する
where python
# 出力に「WindowsApps」が含まれる場合、Microsoft Store版/App execution aliasesが干渉している
# Microsoft Store版Pythonの干渉を無効化する(Windows設定から操作)
# 「設定」→「アプリ」→「アプリ実行エイリアス」→「Python」のトグルをオフにする
上記の出力にWindowsAppsや/usr/binなど、意図していないディレクトリのパスが含まれている場合は対処が必要です。干渉しているソフトウェア別の主な解消方法を以下にまとめます。
| 干渉するソフト | 解消方法 |
|---|---|
| Microsoft Store版Python | Windowsの「アプリ実行エイリアス」からPythonのトグルをオフにする |
| Anaconda(conda) | まずconda deactivateでbase環境を無効化してパス干渉がないか確認し、それでも解消しない場合は~/.bashrcのconda initブロックをコメントアウトする(conda環境全体が使えなくなる点に注意) |
| ArcGIS・Blender | そのソフトのインストールディレクトリをPATHから除外する(環境変数の設定から削除) |
| Xcode Command Line Tools(Mac) | OS/開発ツール由来のPythonが見える場合があるが、通常は干渉を除外するよりpyenvやuvで上書き優先することで対処できる |
干渉を解消した後にwhich python3またはwhere pythonを再実行し、上位に意図しないパスがなく、意図したバージョンのパスが先頭付近に表示されることを確認してください。
Pythonのバージョン切り替えに関するよくある質問
pyenvとvenvの違いは何ですか?
pyenvはシステム全体またはプロジェクトごとにPython自体のバージョンを管理するツールです。一方、venvはPython 3.3以降の標準ライブラリに含まれるモジュールで、特定のPythonバージョンのもとでパッケージを独立して管理します。
両者は役割が異なるため、併用するのが一般的です。pyenvで目的のPythonバージョンを用意し、そのバージョンでvenvの仮想環境を作成するという流れで使います。
切り替え後にpipで入れたライブラリが見つからない場合は?
Pythonのバージョンを切り替えると、ライブラリのインストール先も変わるため、以前の環境で入れたパッケージは引き継がれません。新しいバージョンの環境に対してpython -m pip install パッケージ名の形式で改めてインストールしてください。
複数環境で同じパッケージ構成を再現するには、python -m pip freeze > requirements.txtで一覧を書き出し、新環境でpython -m pip install -r requirements.txtを使って一括インストールする方法が便利です。
システム標準のPythonを直接変更しても問題ありませんか?
システム標準のPython(macOSやLinuxにプリインストールされているもの)を直接変更することは推奨しません。OSのシステムツールがそのPythonに依存していることがあり、バージョンを変えると予期しない不具合が生じるリスクがあります。
開発用途でのバージョン管理にはpyenvやuvなどのツールを利用し、システムのPythonには手を加えない運用を選んでください。詳しくは上記の「update-alternativesで切り替える(Ubuntu)」セクションも参照してください。
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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