株式会社TERRAISEは、フルタイムのCAIO(最高AI責任者)を雇用することなく必要な分だけAIの専門知見を確保できる経営層向けリテイナーサービス「AI顧問」を提供しました。
AI顧問提供の背景となる専任CAIO設置率4%という日本企業の実情
一般社団法人CDO Club Japanの調査(2025年11月公表)によると、日本企業の経営層の約90%がAIを重視しており、AI推進責任者の約71%が、CEO(経営トップ)に直接レポートする体制を構築しています。一方で、専任のCAIOを設置している企業はわずか4%にとどまり、AI推進の主責任者として、最も多いのはCDO(最高デジタル/データ責任者)による兼務(41%)でした。
企業の約66.6%が「DX戦略の延長線上の一部としてAIを扱う」と位置づけており、これが「CDO兼務型」という日本独自のモデルを形成したと言えます。
この背景には、先端AIの知見や企業経営、全社調整能力を兼ね備えた専任人材を外部労働市場から獲得することが極めて困難であるという、構造的なAI人材不足があります。2025年から2026年にかけて国内大手企業でCAIO設置が相次いで発表されていますが、こうした専任ポストを設けられるのは、潤沢な人材予算を持つ一部の大手企業に限られました。
AIへの危機感は同じでも、専任CAIOを採用する財務的余力のない中堅・成長企業との間で「AI推進体制の格差」が広がりかねません。
AI顧問が採用するフラクショナルCAIOという選択肢
米国におけるCAIOの基本給は中央値で約35万ドル(約351,519ドル)に達し、大手企業では総報酬が数百万ドル規模に及ぶこともあります。フルタイムでの専任確保は中堅・中小企業にとって財務的な負担が大きいのが実態です。
そのため米国では、週8〜15時間程度の稼働で月額5,000〜15,000ドル規模の顧問契約(契約期間6〜18ヶ月)を結ぶ「Fractional(分割型)CAIO」を起用する手法が普及しています。
国内でも、CAIO/経営ボードクラスの想定年収は1,500万〜3,000万円超(ボリュームゾーン1,800万〜2,500万円)とされ、AI推進部長クラスでも800万〜1,500万円が目安です。年商数億〜数十億円規模の中堅・スタートアップ企業にとって、年収1,500万円以上のフルタイムCAIOを雇用することは容易ではありません。
こうした背景から、業務委託形式で週1〜2日稼働する「Fractional CAIO」を月額のリテイナーで契約する形が、現実的な解決策として、広がり始めています。
「AI顧問」の特徴は以下の通りです。
- AIエージェント基盤による業務自動化支援:Claude CodeやMCP(Model Context Protocol)等の技術を活用し、企業固有のデータとAIを安全に連携させ、業務を自律的に処理する自動化パイプラインの構築を支援
- リスク管理・ガバナンスの同時構築:AI法への適合を担保する体制整備を支援
- 3ヶ月で「自走」する組織への育成:部署ごとの業務棚卸しや現場キーパーソンへの直接指導を実施
Claude CodeやMCP(Model Context Protocol)等の技術を活用し、企業固有のデータとAIを安全に連携させ、業務を自律的に処理する自動化パイプラインの構築を支援しています。国内では「AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)」が全面施行されました。
AISI(AIセーフティ・インスティテュート)が公表した「CAIOガイドブック(案)」でも、同法への適合を担保する企業内総括責任者として、CAIOの設置が推奨されており、ガバナンス体制整備の重要性が高まっています。単なる開発代行ではなく、部署ごとの業務棚卸しや現場キーパーソンへの直接指導を実施し、契約終了後も自社メンバーのみでAI改善を継続できる体制づくりを支援しました。
専任CAIO設置率がわずか4%という数値は、業種を問わずインパクトがあります。
「AI顧問」のサービス概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名称 | AI顧問(Fractional CAIO / 経営AIアドバイザリー) |
| 提供元 | 株式会社TERRAISE |
| 対象 | 業種を問わず、AI活用を経営課題とする法人の経営層 |
| 料金 | 月額20万円〜(プランにより変動) |
| 提供形態 | 月額リテイナー契約(フラクショナル型) |
| 公式サイト | https://terraise.co.jp/ |
trends編集部の一言
専任CAIOの設置率がわずか4%という数値は、業種を問わずインパクトがあります。マーケティング業界の文脈に置き換えると、「AIを使いこなせる専門人材がいない」という課題は、マーケ実務における高度専門職の不足とも重なる構図です。
専門人材を正社員で採用するのではなく、必要な分だけ顧問契約で確保するという発想は、マーケティング戦略アドバイザーの活用とも近い構造です。業界全体としては、「雇用するもの」から「必要な分だけ確保するもの」へという人材活用の転換が、AI領域に限らず専門性の高い分野全般で広がりつつあると捉えられます。
3ヶ月で自走できる組織への育成を目指す設計も特徴的です。外部支援が永続的な依存に陥らず、最終的に自社メンバーだけで運用を続けられる状態を目指す点は、業界全体としても、自走型の支援モデルへの関心が高まる可能性を示しています。
References
- ^ PR TIMES. 「雇わずに使える“社外CAIO”サービス「AI顧問」を提供 | 株式会社TERRAISEのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000157847.html, (参照 26-07-01).
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