GMOメディア株式会社は、株式会社大修館書店と共同で開発した記述式問題・小論文に特化した学習支援AIサービス「カクコトAI」を2027年4月に提供開始すると発表しました。
「カクコトAI」開発の背景と学校現場の課題
現在の大学入試では、一般選抜の個別学力検査で記述式問題を出題する選抜区分の割合は、国公立大学ではほぼ100%(国立99.9%・公立98.4%)にのぼります。私立大学でも約4割(37.1%)が記述式問題を採用しており、受験生にとって避けて通れない対策領域です。
一方で、記述・論述問題は客観的な視点での評価が欠かせず、通常の教科学習や自習だけで十分な対策を取ることは容易ではありません。採点・評価に時間がかかるため、生徒が記述・論述問題に向き合う学習機会を十分に確保しづらい状況も生じています。こうした課題を背景に、「カクコトAI」の開発が進められました。
「カクコトAI」が持つ主な機能と特徴
「カクコトAI」の主な特徴は次の4点です。
- 大修館書店の国語教科書に対応し、係り受けや接続表現の基礎から大学入試レベルの小論文まで幅広い問題を収録
- 教員が確認・編集してから返却する「教員サポートモード」と、解答提出と同時にAIが即時返却する「AI自動採点モード」の2種類を用意
- キーボード入力に加え手書き文字認識にも対応し、過去の履歴や成長度合いをグラフで可視化
- クラス全体の取り組み状況や個別評価のリアルタイム確認、問題配信・提出期限管理をオンラインで一元化
2種類の採点モードは、学校や教員の指導スタイルに合わせて選択できます。基礎から応用まで体系的に問題を収録しており、記述・小論文に苦手意識のある生徒から難関校志望者まで、幅広い習熟度に対応しています。
本サービスは、国語の教科書を発行してきた株式会社大修館書店と、採点装置や採点方法、採点プログラムに関するAI特許を出願中(特願2025-192632)のGMOメディア株式会社が共同開発しました。AI自動採点機能により、採点負担と学習時間不足という現場課題の軽減に貢献します。
2027年4月の提供開始に先立ち、秋頃に体験版を公開する予定です。現在、学校関係者・教育機関を対象に体験版の優先案内の申し込みを受け付けています。
「カクコトAI」のサービス概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | カクコトAI |
| 提供企業 | GMOメディア株式会社 |
| 共同開発企業 | 株式会社大修館書店 |
| 提供開始時期 | 2027年4月(体験版:2026年秋頃) |
| 対象 | 高等学校・教育機関向け |
| 主な機能 | 記述式問題・小論文の出題・採点・添削のAIサポート 教員サポートモード/AI自動採点モード 手書き文字認識・学習履歴の可視化 クラス管理・問題配信のオンライン一元管理 |
| サービスURL | https://www.taishukan.co.jp/item/kakukoto_ai/ |
| GMOメディア所在地 | 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー |
| 代表者 | 代表取締役社長 森 輝幸氏 |
| 資本金 | 7億6,197万円 |
trends編集部の一言
国公立大学の記述式問題採用率がほぼ100%という数字は、改めて目にすると重さがあります。記述・論述対策は「良質な問題を解いて、すぐにフィードバックをもらう」というサイクルが理想ですが、採点に時間がかかるという構造的な制約が、その機会を狭めてきました。
業界全体としては、教育現場における即時フィードバックの不足が学習機会の確保に影響してきた側面があります。AIによる自動採点は、その構造的な制約を取り除くアプローチとして、EdTech領域でも注目が集まっています。
国語の教科書を発行してきた株式会社大修館書店と、AI採点特許を出願中のGMOメディア株式会社が共同開発している点は、信頼性の担保という観点で注目に値する組み合わせです。
「教員サポートモード」と「AI自動採点モード」の2段階設計は、現場の受け入れ抵抗を下げながら段階的にAIを導入するアプローチです。マーケティング業界の文脈に置き換えると、ツールの導入初期に「担当者が確認してから反映する段階」と「自動処理に委ねる段階」を使い分ける設計思想と重なっており、EdTech領域における段階的AI活用の動向としても示唆を含む取り組みと言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「GMOメディアと大修館書店が共同開発AIで「書く力」を育成する学習支援サービス「カクコトAI」を2027年4月に提供開始 | GMOインターネットグループのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005389.000000136.html, (参照 26-06-03).
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