株式会社RightTouchは、AIコンタクトセンター基盤「QANT」のAIオペレーターに、運用品質を自己改善し安全性を担保する新機能「Conversation Harness(カンバセーション ハーネス)」の提供を開始しました。
Conversation Harnessが解決するAIオペレーター運用課題
コンタクトセンターにおける生成AIの活用が急速に広がる一方で、運用品質の維持が新たな課題となっています。AIオペレーターの応対ログの目視チェック、プロンプトの継続的な調整、ナレッジの更新といった膨大な作業が日々発生してきました。
応対の範囲や規模が拡大するほど、人手だけで追従し続けることは構造的に困難です。加えて、ハルシネーションによって、事実と異なる情報を生成してしまうリスクも存在します。
誤案内が金銭的損失や顧客信頼の毀損につながりかねない領域だからこそ、継続的に検知・是正する仕組みが求められてきました。Conversation Harnessは、この課題に応えるために開発されました。
Conversation Harnessの自己改善サイクルと多層ガードレール
Conversation Harnessの中核となる自己改善サイクルは、応対品質の評価・顧客の声(VoC)の分析・ナレッジの整備といった従来は分断されていた業務を、ひとつの流れに統合します。
AIが応対ログを評価して「課題」を抽出し、「ナレッジに起因するもの」と「プロンプトに起因するもの」に自動で振り分けたうえで、それぞれに最適な改善プロセスを走らせる設計です。
主要機能は次の3点です。
- 課題発見の自動化:ハルシネーションの有無やナレッジ参照の充足度など多角的な評価軸で課題を検出し、重要度順に自動分類・優先表示する
- AIによる自己改善:ナレッジの不足情報・誤情報の補正案を自動作成し、人による承認フローを経て反映。プロンプト修正時は修正前後の品質を確認する仕組みを必須プロセスとして組み込む
- 対話型AIアシスタント:QANT スピークの管理画面上から、運用担当者が自然言語による指示で課題調査・改善依頼・変更確認を完結できる
Conversation Harnessは、「AIで自動化し人が最終判断を担う」自己改善サイクルと、「AIが応対をリアルタイムで監視し誤案内を未然に防ぐ」多層ガードレールを組み合わせた構成です。自己改善サイクルとは独立して、別のAIが応対中のリスクを常時監視します。
発話前にはルールベースでNG発話パターンを検査します。ガードレールが発動した際は、応対を即座に停止して有人オペレーターへの転送などの緊急処理を自動実行します。
さらに、問い合わせの種類ごとに定型シナリオとAIエージェントを使い分けるハイブリッド運用設計が、誤案内のリスクを根本から抑える構成です。
代表取締役の長崎 大都氏は、「PoCから本格展開へと進む段階で、必ず立ちはだかるのが運用の壁。多層ガードレールがリスクを未然に抑え、AIが自ら課題を見つけて改善を回し続けることで、企業が安心してAIオペレーターを運用できる状態を実現する」と述べています。
Conversation Harnessおよび株式会社RightTouchの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社RightTouch |
| 対象プロダクト | QANTのAIオペレーター |
| 新機能名 | Conversation Harness(カンバセーション ハーネス) |
| 主な機能 | 応対後の自己改善サイクル(課題発見・ナレッジ改善・プロンプト改善) 応対中の多層ガードレール(リアルタイム監視・ルールベース発話前チェック・緊急処理) 対話型AIアシスタント |
| 検証実績 | 用件ベースの振分精度99.3%を記録した検証事例あり |
| 関連イベント | AIコンタクトセンターウェビナー 6/16(火)~6/18(木) 各会14:00〜14:40 |
| 所在地 | 東京都品川区西五反田4丁目31−18 目黒テクノビル 2F |
| 代表取締役 | 野村 修平/長崎 大都 |
| 設立 | 2021年10月27日 |
| プロダクトサイト | https://qant.jp/ |
| 企業URL | https://righttouch.co.jp/ |
trends編集部の一言
数万件のAIオペレーターのログをAIが自動解析し、課題発見から改善実行までを自動化するというスケール感は、コンタクトセンター運用の構造そのものを変える動きといえます。カスタマーサポート領域における生成AI活用では、「PoC段階では成果が出るが、本格運用に移行すると品質維持コストが膨らむ」という壁が、業界全体で共通して語られてきた課題です。
多層ガードレールを自己改善サイクルとは独立して動作させている点は、コンタクトセンター業界における責任設計の観点で注目される構造です。エンタープライズ領域でのAI導入においては、「AIに任せる範囲」と「人が責任を持つ範囲」の切り分けを設計段階で明確にすることへの関心が高まっており、本機能はその要請に応える設計として位置づけられます。
用件ベースの振分精度99.3%という検証実績は、エンタープライズ企業が導入を検討する際の強力な指標です。業界全体の評価基準としても機能すると見られます。
References
- ^ PR TIMES. 「RightTouch、QANTのAIオペレーターにAIがナレッジとプロンプトを自己改善する「Conversation Harness」機能を提供開始 | 株式会社RightTouchのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000100.000098678.html, (参照 26-05-27).
