株式会社RightTouchは、生成AIを活用してコンタクトセンターの応対品質を全量・均質に自動評価する新プロダクト「QANT コーチ(β)」の提供を開始しました。
QANT コーチ(β)開発の背景にある応対品質評価の3つの課題
コンタクトセンターにおいて応対品質の維持・向上は、顧客体験(CX)を左右する重要なテーマです。しかし現場では、構造的な課題が3点積み重なっています。
第一に、評価が人手に依存しているため対象が一部に限られます。SVが応対を1件ずつ聞き取る作業には大きな工数がかかり、全応対のごく一部しか評価できません。サンプリングされた応対のみを根拠にフィードバックを行う運用が常態化し、評価の偏りや課題の見逃しを招いてきました。
第二に、評価者によって基準がぶれ、均質な評価が難しい点です。同じ応対でも評価者によってスコアが異なり、SVごとに判断基準のスケール感が揃わないため、オペレーターは「誰に評価されるか」で結果が変わる状況に置かれてきました。
第三に、評価業務に手一杯で本来必要な教育まで回らない点があります。評価自体に工数が集中するためフィードバック頻度が下がり、「評価→改善→学習」のサイクルが機能しづらい状態が続いてきました。
QANT コーチ(β)が実現する全量評価と学習サイクルの高速化
「QANT VoC」のオプション機能として1st Versionの提供を開始します。提供価値は主に4点です。
- データを投入するだけで生成AIが全応対を自動評価し、メールや電話、チャットすべてのチャネルに対応
- 評価項目ごとに最適なLLMを適用し、統一された基準のもとで均質評価を実現
- 週次・日次でのフィードバックが可能になり、評価→改善→学習のサイクルを高速化
- プリセット評価項目に加え、独自項目の自由設定や評価シートのカスタマイズに対応
「ニーズの把握」「説明のわかりやすさ」「解決への道筋」「安心感を与える案内」などのプリセット評価項目を使えば、すぐに運用を開始できます。SVは、必要に応じた確認・コメントに集中し、オペレーターは自身で学習を進められる運用へと移行できる設計です。
代表取締役の長崎大都氏は次のように述べています。「応対品質はコンタクトセンターの本丸でありながら、これまでは『SVが一部を評価して終わり』という構造から抜け出せませんでした。全量を均質に評価できる前提が整うことで、評価から学習までのサイクルが初めて高速で回るようになります。」
QANT コーチ(β)の今後の展開と自己進化型コンタクトセンター構想
「QANT コーチ(β)」は、2026年中の正式リリースに向け、顧客の現場での運用知見を踏まえながら、機能を拡充していく予定です。評価項目や評価レポートの柔軟性をさらに高め、組織単位での運用やオペレーター自身による振り返りにも活用しやすい形へと進化させていきます。
将来的には、「人」のオペレーターだけではなく「AIオペレーター」の評価・学習にも同基盤を適用します。人とAIが同じ品質基準のもとで進化し続ける「自己進化型コンタクトセンター」の実現を目指しており、コンタクトセンターの自動化範囲を段階的に拡張していく構想です。
QANT コーチ(β)とQANTシリーズ・株式会社RightTouchの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社RightTouch |
| 新プロダクト | QANT コーチ(β) |
| カテゴリ | 応対品質評価プロダクト |
| 提供形態 | QANT VoCのオプション機能として提供(1st Version) |
| 対応チャネル | メールや電話、チャット |
| 正式リリース予定 | 2026年中 |
| 主なプロダクト群 | QANT Web/QANT スピーク/QANT VoC/QANT ナレッジハブ/QANT コーチ(β) |
| 振分精度実績 | 用件ベースの振分精度99.3%を記録した検証事例あり |
| 所在地 | 東京都品川区西五反田4丁目31−18 目黒テクノビル 2F |
| 代表者 | 野村 修平/長崎 大都 |
| 設立 | 2021年10月27日 |
| 関連会社 | 株式会社プレイド(東証グロース 4165)からカーブアウト |
| 企業URL | https://righttouch.co.jp/ |
trends編集部の一言
用件ベースの振分精度99.3%という数値は、コンタクトセンター以外の文脈でも精度の基準として、参照しやすい指標です。コンタクトセンター業界全体としては、評価業務の属人性と工数の重さが長年の構造課題として語られており、「全量を均質に評価できる前提を整える」というアプローチは、同種サービスが部分的な自動化にとどまってきた中で一歩踏み込んだ設計といえます。
「SVが一部を評価して終わり」という構造は、業界横断で観察される評価業務の共通課題です。生成AIで評価をスケールさせ、人は確認・コメントに集中するという役割分担の設計は、マーケティング業界でのコンテンツレビューや広告審査の文脈に置き換えても成立するのではないでしょうか。将来的にAIオペレーターの評価・学習にも同基盤を適用するという構想は、自動化の範囲をどこまで広げるかを考える上で注目しておく価値がありそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「RightTouch、電話の応対品質をAIで自動評価する「QANT コーチ(β)」を提供開始 | 株式会社RightTouchのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000104.000098678.html, (参照 26-06-18).
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