Gemini Code Assistが個人向けに無料提供スタート
Gemini Code AssistはGoogleが提供する、AIを活用したコーディング支援ツールです。 コードの自動補完や生成、デバッグ、レビューなどの機能を備えており、開発者の作業効率を向上させることを目的としています。
Gemini Code Assistは法人限定のサービスでしたが、2月25日に個人向けの無料版を提供開始しました。無料プランでは月に最大18万回のコード補完が利用可能。学生やフリーランス、趣味の開発者、スタートアップなどが対象となっています。
また、GitHubとの連携機能も備わっており、AIによるコードレビューやプルリクエストの分析を実行できます。
Visual Studio CodeやJetBrainsといった統合開発環境(IDE)と連携し、自然言語での指示によるコードの作成や、既存コードの説明・改善提案を行うことが可能です。
対応するプログラミング言語はPythonやJava、JavaScript、Goなど20種類以上。 さらに、チャット形式のインターフェースを通じて、コード生成や説明、単体テストの作成なども支援します。
Gemini Code Assistの料金プラン
プラン名 | 料金 | 主な機能 |
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無料プラン | 無料 |
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Standardプラン |
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Enterpriseプラン |
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Gemini Code Assistで提供している各料金プランの詳細を説明します。
無料プラン(Individual)
個人開発者向けのプランで、月間最大18万回のコード補完が可能です。 Visual Studio CodeやJetBrainsなどの主要なIDEと連携し、 AIによるコード生成やデバッグ支援、コードレビュー機能を利用できます。 ただしGoogle Cloudとの統合や生産性指標の提供は含まれません。
Standardプラン
Standardプランは無料プランの機能に加えて、開発の生産性を可視化する指標機能やGoogle Cloudとの連携が可能です。 企業や開発チーム向けのプランです。
Enterpriseプラン
EnterpriseプランはStandardプランの全機能に加え、 企業向けの追加機能や専用サポートが含まれているのが特徴。 大規模な開発チームや高度なセキュリティ・サポートが必要な企業に適しています。
詳細なカスタマイズについては、Googleの営業担当者に問い合わせる必要があります。
Gemini Code AssistとGitHub Copilotの違いを比較
Gemini Code AssistとGitHub CopilotはいずれもAIを搭載したコーディング支援ツールです。双方の違いを表にまとめました。
項目 | Gemini Code Assist | GitHub Copilot |
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提供元 | GitHub(Microsoft)+ OpenAI | |
主要機能 |
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対応環境 |
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AIモデル | Gemini 2.0 | OpenAI Codex |
料金プラン |
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特徴的な機能 |
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まず、クラウド環境との統合に関しては、Gemini Code AssistがGoogle Cloudとシームレスに連携できる点が大きな特徴です。クラウドベースの開発を行う企業やチームにとっては、環境を統一しやすいのがメリットです。
一方、GitHub CopilotはGitHubとの統合が強みで、GitHubのリポジトリを活用しながら直接コードの提案を受けられるのが特徴。GitHubを中心に開発を行うユーザーには最適です。
コード補完やコード品質向上の機能について、Gemini Code Assistはコードレビュー機能やプルリクエストの自動分析といったコード品質向上のための機能が充実しています。一方、GitHub Copilotは関数やコードブロックの生成を得意とし、エディタ内でスムーズにコード補完を行う点で優れています。
まとめると、クラウド環境とコード品質向上を重視するならGemini Code Assist、GitHubとの統合と強力なコード補完を求めるならGitHub Copilotという選び方が適しています。
Gemini Code Assistの使い方
Gemini Code Assistの使い方について、環境の準備からGoogle Cloudに接続して利用する手順ごとに解説します。
環境の準備
Gemini Code Assistを使用する前に、対応しているコーディング言語がサポートされているか確認しましょう。
次はIDEにGemini Code Assist + Cloud Code拡張機能をインストールします。Cloud CodeはVSCodeなどのIDEでGemini Code Assistを統合するために必要な拡張機能です。
もしプロキシ環境でIDEを使用している場合は、事前にネットワーク接続を確認し、適切に設定しておきましょう。
Google Cloud に接続する
Gemini Code Assistを利用するにはGoogle Cloudに接続し、APIが有効なプロジェクトを選択する必要があります。具体的な手順は下記の通りです。
- IDEを起動してステータスバーの[Cloud Code] → [ログイン]をクリック。
- Googleアカウントでログインし、Cloud Codeの認証を完了させる。
- ログイン後に[Gemini Code Assist] ステータスバーをクリックし、[Gemini Codeプロジェクトを選択]を選ぶ。
- Gemini for Google Cloud APIが有効なプロジェクトを選択。(有効になっていない場合は、通知から有効化可能)
上記のセットアップが完了すると、Gemini Code Assist を使用できるようになります。
Gemini Code AssistをVSCodeで使ってみた
はじめにGoogle Cloudのガイドページへアクセスします。
Google Cloudのガイドページ:https://cloud.google.com/gemini/docs/codeassist/write-code-gemini

Google Cloudより
下にスクロールすると「VS Codeを起動する」ボタンが現れるので、こちらをクリックしてください。

VSCodeより
VSCodeが起動し「拡張機能をインストールしてURIを開く」をクリックします。

VSCodeより
上記のようにインストールが始まるのでしばらく待機しましょう。

VSCodeより
ちなみに、Gemini Code AssistはVSCodeの「拡張機能」欄から検索してインストールsることも可能です。任意の方法でインストールしてください。

VSCodeより
インストールが完了すると、Google Cloudのウェルカムページが表示されます。表示内容にある「Get Started」をクリックします。

VSCodeより
上記画面の「Sign in with Google」をクリックします。

VSCodeより
「開く」をクリックしてください。

VSCodeより
Googleアカウントへのログイン画面が表示されるので、任意のアカウントを選択してログインします。

VSCodeより
上記の画面が表示されたら認証完了。これでGemini Code Assistの利用準備が整いました。
Gemini Code Assistでコード生成してみる

VSCodeより
VSCodeとGoogleアカウントの紐づけが終わると、VSCodeにGemini Code Assistページが表示されます。画面下部のチャット欄に質問することで、Gemini Code Assistがコードを生成してくれます。
今回はテストとして「Pythonで簡単な四則演算のコードを作ってください」というプロンプトを実行してみます。

VSCodeより
するとプロンプトに沿ったコードが生成されました。画面右上にある「+」をクリックすると新しいファイルが作成され、生成されたコードが反映されます。
Gemini Code Assistにコードの内容を解説してもらう

VSCodeより
コードの説明が欲しい部分をドラッグして選択し、表示される黄色いアイコンを栗くして下さい。するとGemini Code Assistで利用できる機能が表示されます。
Gemini: Generate code | 指定した内容に基づいて自動でコードを作成する機能です。たとえば「ファイルを読み込んで内容を表示するPythonコードを作って」と指示すると、適切なコードが生成されます。 |
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Gemini: Explain this | 選択したコードの意味や動作を解説してくれる機能です。他人が書いたコードや、複雑な処理が含まれる部分を理解する際に役立ちます。 |
Gemini: Generate unit tests | 既存のコードに対して、自動的にユニットテストを作成する機能です。テストを書く手間を省きつつ、コードの品質向上に貢献できます。 |
コードの内容を解説してもらう場合は「Gemini: Explain this」をクリックしてください。

VSCodeより
するとチャット欄にコードの説明が表示されます。チャット内容は英語で出力されることもあるので、その時は「日本語で解説して下さい。」というプロンプトを入力してみてください。
Gemini Code Assistのセキュリティ面における注意点
Gemini Code Assistを安全に活用するためには、セキュリティ面での注意が必要です。本ツールにはコードの品質や安全性を維持するための不正コード検出機能、プライバシー保護の仕組みが備わっています。
しかしAIによるコード提案が必ずしも完全なものではないため、脆弱性のチェックやベストプラクティスに基づいたレビューを行うことがおすすめです。安全で信頼性の高い開発環境を維持するために、適切なセキュリティ対策を講じながら活用しましょう。