help()とは
Pythonのhelp()は対話型のヘルプシステムを提供する組み込み関数です。この関数を使用するとモジュールやクラス、関数、キーワードなどに関する詳細な情報を取得できます。help()はプログラマーがコードの理解を深めるうえで強力なツールのひとつです。
help()関数は引数なしで呼び出しできますが、その場合は対話型のヘルプシステムが起動します。このモードにおいてユーザーは、任意のPythonオブジェクトに関する情報を検索することが可能です。help()はドキュメンテーション文字列(docstring)を表示するため、コードの自己文書化にも役立ちます。
help()関数はPythonの公式ドキュメントを補完する役割も果たしています。コンソール上で即座に情報を得られるため、開発効率の向上に貢献しています。このようにhelp()はPythonプログラミングにおいて、欠かせない機能となっているのです。
help()関数の活用方法と応用例
help()関数の活用方法と応用例について、以下3つを簡単に解説します。
- 組み込み関数のヘルプ表示方法
- カスタム関数へのドキュメント追加
- モジュールやクラスの情報取得
組み込み関数のヘルプ表示方法
Pythonの組み込み関数に関するヘルプを表示する方法は非常に簡単です。help()関数の引数として、調べたい関数名を指定するだけで詳細な情報を得られます。たとえばprint()関数について知りたい場合、help(print)と入力することでその使用方法や引数に関する説明を表示することが可能です。
>>> help(print)
Help on built-in function print in module builtins:
print(...)
print(value, ..., sep=' ', end='\n', file=sys.stdout, flush=False)
Prints the values to a stream, or to sys.stdout by default.
Optional keyword arguments:
file: a file-like object (stream); defaults to the current sys.stdout.
sep: string inserted between values, default a space.
end: string appended after the last value, default a newline.
flush: whether to forcibly flush the stream.
この出力結果からprint()関数の詳細な使用方法や、オプションの引数についての情報を得ることができます。このようにコーディング中に関数の使い方を忘れた場合や、新しい関数を学ぶ際に便利です。
help()関数は組み込み関数以外にも、モジュールやクラス、メソッドなどPythonのあらゆるオブジェクトに対して使用できます。そのため必要な情報を即座に参照し、効率的にコーディングを進めることが可能です。
カスタム関数へのドキュメント追加
help()関数は自作の関数やクラスにも適用できます。これを活用するためには、関数やクラスにドキュメンテーション文字列(docstring)を追加することが必要です。docstringは関数やクラスの定義直後に、三重引用符で囲まれた文字列として記述します。これによりその関数やクラスの目的、使用方法、引数の説明などを提供できるのです。
def calculate_area(radius):
"""
円の面積を計算する関数
引数:
radius (float): 円の半径
戻り値:
float: 計算された円の面積
"""
import math
return math.pi * radius ** 2
>>> help(calculate_area)
Help on function calculate_area in module __main__:
calculate_area(radius)
円の面積を計算する関数
引数:
radius (float): 円の半径
戻り値:
float: 計算された円の面積
このようにdocstringを追加することで、help()関数を通じて自作の関数に関する詳細な情報を取得できます。これはチーム開発やオープンソースプロジェクトにおいて、コードの可読性と保守性を大幅に向上させる方法として効果的です。ほかの開発者がコードを理解しやすくなるだけでなく、自分自身が後で見返す際にも役立ちます。
docstringの記述には一定の慣習があり、一般的にはGoogle形式やNumpy形式、reStructuredText形式などが用いられます。これらの形式に従うことで一貫性のあるドキュメントを作成可能。さらにはSphinxなどのツールを使用し、自動的にAPI文書を生成することも可能です。
モジュールやクラスの情報取得
help()関数はPythonのモジュールや、クラスに関する情報を取得する手段としても有効です。モジュールに対してhelp()を使用すると、そのモジュールに含まれる関数やクラス、定数などの概要を確認できます。これは新しいライブラリを学習する際や、モジュールの機能を探索する際に特に役立ちます。
import math
>>> help(math)
Help on module math:
NAME
math
MODULE REFERENCE
https://docs.python.org/3.9/library/math
The following documentation is automatically generated from the Python
source files. It may be incomplete, incorrect or include features that
are considered implementation detail and may vary between Python
implementations. When in doubt, consult the module reference at the
location listed above.
DESCRIPTION
This module provides access to the mathematical functions
defined by the C standard.
FUNCTIONS
acos(x, /)
Return the arc cosine (measured in radians) of x.
acosh(x, /)
Return the inverse hyperbolic cosine of x.
...(省略)...
上記ようにmathモジュールに対してhelp()を使用することで、そのモジュールに含まれる関数や定数の一覧などの説明を得ることが可能。必要な機能を素早く見つけ出し、適切に利用できるのが魅力です。
また、クラスに対してhelp()を使用するとそのクラスのメソッドや属性、継承関係などの詳細情報を取得できます。これはオブジェクト指向プログラミングにおいて、クラスの構造や機能を理解する上で重要です。この機能はデバッグや既存コードの解析、さらには新しいクラスの設計にも活用されています。
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