NTTビジネスソリューションズ株式会社は、同社が提供する「データ連携基盤サービス」にAIとの連携を可能とするMCP(Model Context Protocol)機能を搭載し、純国産プライベートLLMを活用したAIエージェント実証の実施を発表しました。
データ連携基盤サービスのMCP機能概要
本実証では、NTTビジネスソリューションズのデータ連携基盤上に蓄積・連携された各種データを、MCPサーバーを介してAIエージェントと接続します。これによりチャット形式でのデータ利活用が可能となりました。
LLMには、NTT版大規模言語モデル(Large Language Model)「tsuzumi 2」の最新モデルを活用します。純国産プライベートLLMを利用することによって、機密性の高い情報を扱う自治体業務における生成AI活用を推進する方針です。
また、RAG(Retrieval-Augmented Generation)を通じて、自治体職員が日常業務で参照する非公開のマニュアルや各種法令・条例等の情報を参照することによって、業務に即したアウトプット生成を支援します。
データ連携基盤サービス実証で期待される4つの効果
本実証を通じて、期待される効果は次の4点です。
- 自治体職員による情報収集の効率化
- 自治体職員の意思決定支援
- 住民サービスの高度化
- 自治体AI活用モデルの横展開
情報収集の効率化については、災害対応など多くの自治体業務で、被害状況や避難所情報、住民情報等の収集が求められます。こうした収集において、AIエージェントが分散した情報を横断的かつ迅速に取得・整理しました。意思決定支援については、複数の計画・マニュアル等をAIエージェントに参照させることで、職員の問い合わせに応じた具体的な対応案の提示を可能とします。
職員が、住民対応などの本来注力すべき業務に集中できる環境の構築を目指す方針です。住民サービスの高度化については、各種手続き案内や避難行動支援においても、より迅速かつ的確な情報提供の支援が期待されます。横展開については、エリアデータ連携基盤やMCP、AIエージェント、LLMを組み合わせたAI活用基盤の整備により、他自治体や他部局への展開が見込まれるでしょう。
さらに、民間事業者が提供する各種サービスとの連携推進を通じ、地域全体におけるAI活用サービスの創出を促進する構想です。
「データ連携基盤サービス」MCP機能搭載実証の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | NTTビジネスソリューションズ株式会社 |
| 所在地 | 大阪府大阪市 |
| 代表者 | 木上秀則氏 |
| 対象サービス | データ連携基盤サービス(FIWARE Orion搭載) |
| 活用LLM | tsuzumi 2(NTT版大規模言語モデル・純国産プライベートLLM) |
| 実証の位置づけ | 大阪府行政AIエージェントコンソーシアムにおける取り組みの一環 |
| 実証開始予定日 | 2026年8月中旬頃 |
| 主な技術要素 | MCP(Model Context Protocol)・RAG(Retrieval-Augmented Generation)・FIWARE Orion |
| 特記事項 | FIWARE Orion搭載のデータ連携基盤とMCP機能および純国産プライベートLLMを活用したAIエージェント実証として全国初(当社調べ・2026年6月時点) |
trends編集部の一言
FIWARE Orion搭載のデータ連携基盤にMCPを組み込む取り組みが全国初という点は、注目に値します。自治体業務では、庁内外に分散するデータをセキュアに統合する基盤整備が長年の課題とされてきました。業界全体としては、データソースの分散と連携コストの高さはセクターを問わず共通の構造的課題であり、チャット形式で横断的にデータを参照できる仕組みは、自治体・民間を問わずデータ活用基盤の設計思想として業界横断の文脈で語られるようになってきた潮流と重なります。
純国産プライベートLLMである「tsuzumi 2」を採用している点も、マーケティング業界の文脈に置き換えると興味深い観点です。機密性の高い情報を扱う場面でクラウド型の外部LLMへの依存を避けたいというニーズは、自治体に限らず、企業でも高まっています。エリアデータ連携基盤やMCP、AIエージェント、LLMを組み合わせたモデルが他自治体や民間事業者へ横展開されていく動きは、データ活用基盤の標準化という観点からも業界全体として注目しておく価値があるでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「「データ連携基盤サービス」におけるAI連携機能(MCP)の搭載について | NTTビジネスソリューションズ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000085099.html, (参照 26-06-24).
