Zoom Communications, Inc.は、2026年6月1日、エージェント型 AI 業務基盤「ZoomMate」の提供を開始しました。
ZoomMateの主な機能
ZoomMate の機能は「エージェント型検索」「オーケストレーション」「業務完結」の3軸で構成されています。それぞれが連動することによって、会話の場から最終成果物の生成まで、一気通貫の業務支援を実現する設計です。
エージェント型検索では、Zoom、ウェブ、サードパーティ システムをまたいで情報を横断検索できます。
ServiceNowやSalesforce、Workday などのデータソースに接続し、顧客レコード・未解決の問題・サービス チケット・ナレッジ記事といったさまざまなビジネス コンテンツから情報を引き出せます。プロジェクト更新情報やファイルの取得も可能です。Zoom Meetings・Phone・Chat、および Google・Microsoft を含む連携コラボレーション プラットフォームからの関連情報を、ワークフローへ直接統合できます。
ドキュメントのみをインデックス化する従来のエンタープライズ検索ツールとは異なり、ZoomMate は、ファイル、レコード、その背後にある会話をつなぐ点が特徴です。検索結果は、組織の連携ナレッジに基づき、エンタープライズのアクセス制御や権限、ガバナンスに準拠した設計です。
オーケストレーション機能では、エージェントが進行中のプロジェクトの進捗を把握し、ミーティングの内容から次のステップを特定して、フォローアップを自動的に開始します。Google Calendar または Microsoft Outlook でのイベント登録のほか、適切なシステムへのリクエスト ルーティングにも対応します。レコードの更新、フォローアップ タスクの作成、顧客宛てメッセージの下書きを行い、オンボーディングやサポート ワークフローを起動することも可能です。
業務完結機能では、ミーティングでの会話と社内情報をもとに、プレゼンテーション、ドキュメント、スプレッドシート、レポート、プロジェクト計画を自動作成します。Zoom AI Productivity Suite を活用し、意思決定の変化に合わせて成果物をリアルタイムで更新する仕組みです。手動での同期は不要となっています。
職種別のZoomMate活用シナリオ
ZoomMate は既存のチームワークフローに統合され、職種ごとに異なる活用シナリオを想定した設計です。活用例として、ナレッジワーカー、営業チーム、プロダクト・エンジニアリングチーム、人事・オペレーションチーム向けのシナリオが紹介されています。
ナレッジワーカーは、ミーティング開始前に Google Docs から重要な情報を取得したり、未対応の Jira チケットを確認したり、最近の Slack のやり取りを表示したりすることが可能です。Google Drive や SharePoint などさまざまなドキュメントやデータソースからプロジェクトの更新情報を追跡・収集し、会話を唯一の情報基盤として活用するという使い方が想定されています。
営業チームは、商談前に Salesforce からアカウントの詳細情報を取得し、終了後すぐに商談レコードを更新することが可能です。ミーティングの文字起こしをもとにフォローアップの提案書を作成でき、アプリを切り替えることなくすべての作業を完結させられる設計となっています。
プロダクト・エンジニアリングチームは、Google Docs からプロジェクトの背景情報を取得し、未対応の Jira チケットを特定し、コラボレーション ツールから関連する議論を抽出できました。アクション アイテムを最新の意思決定を反映した構造化されたプランや進捗レポートへまとめる機能も備えています。
人事・オペレーションチームは、連携されたナレッジベースから一般的なポリシーに関する質問に回答し、従業員のリクエストを適切なシステムに振り分けられます。新入社員の入社日が確定次第、オンボーディング ワークフローを自動的に開始する機能も搭載された設計です。
「会話をきっかけに業務をそのままつなぐ」というコンセプトは、業種を問わず、響くものがあるのではないでしょうか。
ZoomMateの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Zoom Communications, Inc.(NASDAQ: ZM) |
| サービス名 | ZoomMate |
| カテゴリ | エージェント型 AI 業務基盤 |
| 提供開始日 | 2026年6月1日 |
| 料金 | 1ユーザーあたり月額 20 ドル(AI クレジット含む) |
| 提供地域 | 北米のオンラインおよび直接契約のお客様(EMEAやAPACなどの地域への展開は今年後半を予定) |
| 本文中で紹介された主な連携先 | Salesforce、Jira、Slack、ServiceNow、Workday、Google Calendar、Microsoft Outlook、Google Docs、Google Drive、SharePoint |
| 本社所在地 | 米国カリフォルニア州サンノゼ |
| 設立 | 2011 年 |
| 公式サイト | zoom.com |
trends編集部の一言
「会話から実行までをシームレスにつなぐ」というコンセプトは、業種を問わず、示唆を含む設計思想です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、ミーティングで決まったことがタスクに落ちるまでに何度も確認のやり取りが発生するという構造は業界横断で共通する課題です。会話コンテキストを起点に業務完結まで一気通貫でつなぐアプローチは、こうしたボトルネックへの応答として業界全体で注目される動きと読み取れます。
業界全体としては、単体の AI ツールから組織横断のワークフロー統合へという移行が加速している段階です。Moor Insights & Strategy 社の Melody Brue 氏は、多くの AI が依然として業務の周辺に留まっていると指摘しています。意思決定が生まれる会話の場に直接入り込む設計は、競合との明確な差別化点と言えるのではないでしょうか。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、施策承認から実行タスクの振り分けまでのプロセスは、複数ツールとチャットが混在して情報が散在しやすい構造です。ZoomMate のような会話コンテキストと実行を統合するアプローチは、こうした課題への有力な解決策として、業界全体の作業プロセス転換を象徴する動きと読み取れます。
References
- ^ PR TIMES. 「Zoom、初の AI チームメイト「ZoomMate」を発表 会話から実行までをシームレスにつなぐエージェント型 AI 業務基盤 | ZVC JAPAN 株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000135.000046792.html, (参照 26-06-17).
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