株式会社unerryは、ソニーマーケティング株式会社のエッジAIソリューションと連携し、人流データを活用した「店頭メディアの計測ソリューション」の提供開始を発表しました。
unerryとソニーマーケティングが「店頭メディアの計測ソリューション」を開発した背景
近年、リテールメディアが注目を集める中、デジタルサイネージを中心とした店頭メディアは、購買に最も近い接点として広告主の関心が高い領域です。一方で、その普及は限定的な状況にとどまっています。
背景にあるのが「計測」の問題です。リテール企業自身も、サイネージ広告のリーチやどのようなユーザーが視聴するかを定量的に示すことが難しく、広告主への提案に課題感を持つケースが多くありました。unerryとソニーマーケティングは、視聴者数や属性、来店前後行動と店内行動を組み合わせた解析による効果計測の実現に取り組みました。
「AITRIOS」と「Beacon Bank」を組み合わせた仕組みと実証実験
本ソリューションは、店外と店頭・店内の顧客行動の両方をプライバシーに配慮した形で可視化します。「AITRIOS」に対応するエッジAIデバイス(AIカメラ)を店舗に設置し、画像データを保存・送信せずにエッジ処理したメタデータのみを活用する設計です。これにより、来店人数・来店客属性に加え、店頭メディアの視認者数や視認率、視認時間などを計測します。
unerryの人流データとの連携により、把握できる情報は以下の通りです。
- 国内2.4億IDの人流データによる来店者の商圏・来店経路・来店頻度の把握
- 来店者の居住地・勤務地(推計)および他店利用傾向・ライフスタイルの推計・分析
- メディア接触者における購買効果の可視化(POSデータ連携および来店計測)
店頭・店内行動においては、ソニーマーケティングのエッジAIソリューションが詳細な計測を担う設計です。店前通行者数や来店人数、来店者属性、店内動線解析、滞留分析に加え、コンテンツごとのサイネージ視認率・視認時間などを高精度に計測できます。
画像データは保存・送信せず、エッジ処理した特徴量(メタデータ)のみを出力する設計です。プライバシーへの配慮と低コストを両立しています。
本ソリューションの有効性を検証するため、スーパーマーケットチェーン「TRIAL GO 富士見台駅北店」にて28日間の実証実験を実施しました。店舗前の判定エリアの通行者のうち、約6割がサイネージを視認していたことがエッジAIデバイスによる計測結果です。
人流データを活用することによって、サイネージ接触者の居住地・勤務地(推計)の遠近や競合店利用状況を分析し、時間帯別のライフスタイル属性まで定量的に把握しました。
株式会社トライアルカンパニーは、実証実験を通じて「顧客解像度」を高められたと評価しています。同社の担当者は、店前通行者の約6割がサイネージを視認している事実が客観的データとして証明されたことを「大きな成果」と位置付けています。今後はノンエンデミック広告へとリテールメディアの可能性を広げると確信しているとのことです。
unerryとソニーマーケティングの「店頭メディアの計測ソリューション」の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社unerry・ソニーマーケティング株式会社 |
| ソリューション名 | 店頭メディアの計測ソリューション |
| 連携技術 | AI解析ソリューション with AITRIOS(ソニーマーケティング)・Beacon Bank 人流データ(unerry) |
| 主な計測項目 | サイネージ視認者数・視認率・視認時間・来店者属性・来店前後行動・店内動線 |
| プライバシー対応 | 画像データ非保存・非送信。エッジ処理メタデータのみ活用 |
| 実証実験店舗 | TRIAL GO 富士見台駅北店(28日間) |
| 実証結果 | 店前通行者の約6割がサイネージを視認 |
| 提供企業(unerry)設立 | 2015年8月 |
| 提供企業(unerry)本社所在地 | 東京都千代田区内幸町ニ丁目1番6号 日比谷パークフロント 19階(WeWork内) |
| 提供企業(unerry)代表者 | 内山 英俊氏 |
| URL | https://www.unerry.co.jp/ |
trends編集部の一言
「店前通行者の約6割がサイネージを視認している」という数値は、28日間の実証実験から得られた客観的なデータです。マーケティング業界では、屋外広告やデジタルサイネージの効果を定量的に示すことは長年の課題とされてきました。
業界全体としては、リアル店頭における効果可視化への関心が高まる中で、人流データとエッジAI計測を組み合わせてアトリビューションを定量化しようとする動きが広がってきました。「接触した人が誰か」「その後どう動いたか」を店外から購買分析まで視野に入れた可視化の仕組みは、これまでオンライン広告が持っていた強みをリアル店頭に持ち込む試みです。マーケティング業界の文脈に置き換えると、こうした計測基盤の整備はリテールメディア市場における標準的なアプローチへと移行していく流れの一端として注目される取り組みと言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「unerry、ソニーマーケティングのエッジAIソリューションと連携し、人流データを活用した「店頭メディアの計測ソリューション」を提供開始 | 株式会社unerryのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000016301.html, (参照 26-06-03).
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