株式会社Tocasiは、事業構想・組織変革を支援する伴走型プログラム「問い起点の構想共創プログラム」の提供を開始しました。
株式会社Tocasiが「問い起点の構想共創プログラム」で示す4つのアプローチ
株式会社Tocasiが本プログラムを立ち上げた背景には、現代の企業・組織が「答えがない」のではなく「問いが定まらない」状態に置かれているという課題認識がありました。AIの進展や価値観の多様化、社会構造の変化の中で、言葉になりきらない違和感や数値化されない意思が、重要なテーマの兆しとして現れています。
研究領域においても、現代の社会的課題は問題の定義が固定されず、解いていく過程で理解そのものが変わる特徴を持つと整理されています(Rittel & Webber、Buchananなど)。多様な価値観や利害関係が絡み合うこうした課題に対しては、完全な解決ではなく「部分的な解」や「小さな改善」を積み重ねることが現実的であるとも整理されています(Termeer、Dewulf、Biesbroekなど)。
こうした背景を踏まえ、本プログラムの主な特徴は次の4点です。
- 違和感から問いを立ち上げる
- 問いを構想へ展開する
- 構想を選択肢へ変換する
- 意思決定へ接続する
問いを「早く定義する」ことではなく、「問いが立ち上がる状態をつくること」が支援の核心として掲げられています。
問い起点の構想共創プログラムの4つの特徴と活用場面
「特徴1:違和感を「解かずに扱う」」では、Tocasiは違和感をすぐに課題へ回収しません。結論を急がず、視点を揺らし続け、文脈の中で意味を変化させることで、問いの質そのものを更新していきます。
違和感の中には既存の前提では捉えきれない変化の兆しが含まれているという考え方に基づいています。
「特徴2:問いを「社会と接続する」」では、アートや文化、コミュニティ、建築などの現場で起きている実践と、経営の違和感を往復させます。企業の構想を社会価値へと開いていくことで、問いをより広い文脈へ接続しました。
「特徴3:構想を「決める」のではなく「育てる」」では、複数のシナリオを持ち、前提を固定せず、フィードバックによって、更新し続けることを重視しています。
「特徴4:問いを「選択肢に変える」」では、問いを複数の構想(シナリオ)へ展開し、前提や判断軸を言語化したうえで比較可能な選択肢として整理しました。思考と意思決定の分断を「とかし」、経営が判断できる単位まで変換することがTocasiの伴走の核です。
活用が想定されるのは、「戦略の前提そのものに違和感がある」「何を問うべきかが分からない」「新規事業や組織変革の構想が表面的な企画で止まってしまう」といった状況にある経営リーダーや組織です。なお、4つの特徴として、挙げられているこれらは、経営リーダーとの対話を通じて実施されます。
問い起点の構想共創プログラムの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社Tocasi |
| 代表取締役 | 長谷川知栄氏 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区 |
| サービス名 | 問い起点の構想共創プログラム |
| カテゴリ | 事業構想・組織変革を支援する伴走型プログラム |
| 主な支援内容 | 問いの立ち上げ/構想展開/選択肢変換/意思決定接続 |
| 対象 | 経営リーダー・組織変革に取り組む企業・組織 |
| 公式サイト | https://www.tocas-i.co.jp |
trends編集部の一言
「答えがないのではなく、問いが定まらない」という整理は、マーケティング業界の現場でも響く指摘です。施策の方向性を議論するとき、本当は「何を解くべきか」ではなく「何を問うべきか」が揺らいでいるだけだったという場面は、業界を問わず、多いのではないでしょうか。
生成AIの急速な普及によって、意思決定や情報整理の速度が変化しました。その一方で、「何を問うか」という上流の設計力の差が、これまで以上に組織の分岐点になりつつあります。
事業構想支援の領域全体としては、戦略立案の前段階にあたる「問いの設計」を明示的に扱うサービスはまだ少ないと言えます。株式会社Tocasiが「問いを早く定義する支援ではなく、問いが立ち上がる状態をつくる支援」と位置づけている点は、こうした時代の流れへの応答として、注目しておく価値がある動きです。
Rittel & WebberやBuchananといった研究的な裏付けを背景に持ちながら、実務の伴走支援として設計されている構成にも、独自の立ち位置が見えます。
「問いを立て、構想を育て、選択肢に変え、意思決定へ接続する」という一連のプロセスは、事業企画の上流工程で求められる「問題設定力」を外部化する取り組みといえます。マーケティング業界の文脈でも、この種の「問いの設計支援」が独立したサービス領域として確立されつつある動向として、注目に値するのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「【サービス開始】AI時代に求められる「問いの力」へ ― Tocasi、事業構想・組織変革を支援する「問い起点プログラム」を提供開始 | 株式会社Tocasiのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000155434.html, (参照 26-05-30).
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